銅はETF(上場投資信託)や先物取引などで取引できる天然資源です。銅は私たちにとって身近な金属ですが、近年の市場はどのように動いているのでしょうか。本記事では海外のレポートをもとに、銅市場の現状や成長要因を紹介します。

銅市場の年平均成長率は6%以上

銅は自動車や半導体に使われる天然資源、市場拡大の理由は?
(画像=cristianstorto/stock.adobe.com)

インドの調査会社「Mordor Intelligence」のレポートによると、2023~2028年における銅市場の年平均成長率は6% 以上になる見込みです。2021年 には、新型コロナウイルスの影響で銅の採掘量が世界的に減少しました。しかし、その後は建設業界や電子業界、電気通信業界での需要が拡大すると予測されています。

アジア太平洋地域の銅市場は急成長を遂げている

同レポートでは、銅市場が最も成長している地域として「アジア太平洋地域 」が挙げられています。アジア太平洋地域は、2021年時点の銅市場 のシェアが世界最大です。

アジア太平洋地域の中でもインドやアセアン諸国は、電気・電子セクターにおける需要 が拡大すると予測されているため、世界の銅市場の成長を支える地域になると考えられています。また、北米 では銅の市場拡大につながる電子産業の成長 が見込まれています。

世界的に銅市場が注目されている理由

銅は熱伝導率や電気伝導率、耐久性などに優れており、金属の中でも3番目に消費量が多い 天然資源です。すでに多くの製品で使われているため、新たな代替素材が見つからない限りは、安定した需要が続くと考えられます。

銅が使われている製品の種類は多く、どれも市場規模が比較的大きいものばかりです。具体的に銅が素材として用いられている製品は、以下のとおりです。

<銅が使われている製品>
・自動車(電気自動車を含む)
・半導体
・産業用機械
・重機
・医療機器 ・電子機器
・通信機器   など

例えば電気自動車や半導体の場合は、内部で使われる配線の素材として銅が使われています。今後も電気自動車や半導体は市場が拡大していくと予測されているため、銅市場の成長を後押しすることが期待されます。

関連分野も含めて銅市場に注目

さまざまな利用用途がある銅は、2023〜2028年まで年平均6%以上の成長が見込まれています。銅市場は自動車や半導体などの需要に左右されるため、関係のある製品の状況も確認することで、投資の機会を見つけられるかもしれません。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。

(提供:Wealth Road