総括
FX「明るい見通し=IMF」南アランド見通し
「通貨10位、株価16位」
「予想レンジ 南アランド円7.5-8.0」
(ポイント)
*ボリバン2σ上限を越えたところで調整売りで下落
*円を抜いて年初来10位へ浮上
*直近の経済指標は改善
*今週はGDPの発表
*IMFの見通しに明るさあり
*9月政策金利は据え置きか
*中国による電力支援進展
*難題(停電、グレーリスト入り、中国・ロシアへの接近で対米関係悪化)残る
*AGOA法、継続なるか
*成長見通しは微増、インフレ見通しは微減
*南アの最大貿易相手国は輸出入ともに中国
(ボリバン2σ上限を越えたところで調整売りで下落)
8月半ばから上昇していたが、ボリバン2σ上限を越えたところで調整が入り、ボリバン中位まで反落した。米金利の上昇も南アランドを下落させた。
7月卸売物価は前年比2.7%上昇で6月の4.8%を下回った。消費者物価同様、下落傾向にある。
(悪くない指標)
8月アブサ製造業PMIは49.7で7月の47.3を上回った。7月貿易収支は159.6億ランドの黒字で6月の47.5億ランドの赤字から大幅改善した。自動車や輸送機器の輸出が大幅増加した。
(今週はGDP)
今週は2Q・GDPの発表だが減速の予想だ。このところ赤字が続く経常収支の発表や3Q消費者信頼感指数の発表がある。
(政策金利見通し)
コンサルティング会社PwCは、南アが金利サイクルの終わりに達していることを指摘しており、利下げに注目が集まっているとするファンドマネジャーやエコノミストの見方と一致している。今月も11月会合でも金利を据え置くと予想している。
インフレ率の低下など前向きな経済状況が続けば、同国は2024年に利下げが始まり、2025年末までにレポ金利が約2%引き下げられる可能性がある。
ただクガニャゴ中銀総裁は「今後もデータとリスクによって政策は異なる」と発言している。
(IMFの見通し)
IMFは南アフリカに希望を見出している。
南アが低迷するエネルギーと物流部門を改善し、犯罪を減少させれば、経済成長を大幅に押し上げる可能性があると述べた。豊富な自然資源と強力な制度により、南アは「構造的障害に断固として勇敢に取り組む改革が実施されれば、成長の離陸に向けた準備が整っている」とIMFのゴピナス氏は語った。
IMFの推計によると、南アフリカの国内総生産は昨年1.9%成長し、2023年にはわずか0.3%の伸びにとどまる見通しで、電力会社エスコム社が需要に対応できず、港湾や鉄道のボトルネックが生産量を制限している。
IMFの予測によると、自家発電の規制緩和など電力供給改善策により、来年の成長率は1.7%に改善する可能性がある。
国の利子負担は今年度の歳入の約19%から2028~29年までには27%に増加すると予想されており、これは今年度の保健予算配分の約2倍に相当するという。
「他の新興国市場と同様、南アでの成功には今すぐに困難な改革が必要となるが、それが報われるのは後になるかもしれない」と語った。しかし、「これは十分に価値のある投資であり、IMFは支援する用意がある」とした。
テクニカル分析(ランド/円)
ボリバン2σ上限越えから反落
日足、雲に沿って上昇していたが、ボリバン2σ上限越えから反落、雲中へ下落。ボリバン中位以上で留まる。
8月31日-9月1日の下降ラインが上値抵抗。8月18日-9月1日の上昇ラインがサポート。
5日線下向き、20日線上向く。
週足、ボリバン2σ上限から反落も中位で切り返す。雲中へ。8月21日週-28日週の上昇ラインがサポート。7月31日週-8月28日週の下降ラインが上値抵抗。。5週線下向き、20週線上向き。
月足、8月は陰線。9月は陽線スタート。7月-8月の上昇ラインがサポート。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線は上向き。
年足、今年は円とデッドヒートを繰り返す、8月はまたもや陽転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
私の南アランド投資歴
私が南アランド投資を始めたのは、FXが始まる6年ほど前であった。FXでもなく、外貨預金でもなく、南アランドの債券であった。発行体は国際機関。機関は20年と30年、利回りは年12-13%であった(ゼロクーポン)。当初のランド円は24円。20年経った頃は10円を割り込んでいた。為替で60%程度の損失、ただ12%を20年持てば単純に計算すれば240%の益で為替差損を上回った。30年債は満期まで持たずに売却、ただ満期まで保有しても、収益は大差なかったように思う。