総括
FX「踏ん張る。好材料も」南アランド見通し
「通貨10位、株価17位」
「予想レンジ 南アランド円7.5-8.0」
(ポイント)
*下げ止まる、好材料も出る
*直近の経済指標は改善
*アゴア法から除外されない見通し
*停電制限がステージ6から5へ改善したことも好感
*来週は8月消費者物価、7月小売売上の発表後、政策金利決定など
*円を抜いて年初来10位へ浮上
*IMFの見通しに明るさあり
*9月政策金利は据え置きか
*中国による電力支援進展
*成長見通しは微増、インフレ見通しは微減
*南アの最大貿易相手国は輸出入ともに中国
(粘り腰と指標改善)
先週は下げ止まり、粘り腰を見せた。指標は悪くはない。
8月アブサ製造業PMIは49.7で7月の47.3を上回った。7月貿易収支は159.6億ランドの黒字で6月の47.5億ランドの赤字から大幅改善した。自動車や輸送機器の輸出が大幅増加した。2Q・GDPも改善した。前年同期比で1.6%増、1Qの0.2%増、予想の1.1%増を上回った。前期よりも停電の悪影響が収まり製造業の稼働率が高まった。3Q企業信頼感指数はマイナス16で2Qの25から改善した。2Q経常収支は1607億ランドの赤字で1Qの637億ドルの赤字から悪化した。
停電制限がステージ6から5へ改善したことも好感された。
IMFは南アに希望を見出している。南アが低迷するエネルギーと物流部門を改善し、犯罪を減少させれば、経済成長を大幅に押し上げる可能性があると述べた。豊富な自然資源と強力な制度により、南アは「構造的障害に断固として勇敢に取り組む改革が実施されれば、成長の離陸に向けた準備が整っている」とIMFのゴピナス氏は語った。
(アゴア法)
スタンダード・バンク・グループのシム・シャバララ最高経営責任者(CEO)によると、南アがアフリカ成長機会法(アゴア法)から除外され、クレムリンとの関係を理由に制裁を受けるリスクは後退したという。決算後の記録によると、同氏は投資家や専門家に対し、ラマポーザ政権はウクライナとの戦争でロシアと歩調を合わせたという米国政府の懸念を和らげるのに十分な行動をとったと当行が信じていると述べたことが示されている。
(来週は)
来週は8月消費者物価、7月小売売上の発表後、政策金利決定となる。予想は8.25%で据え置きか。
テクニカル分析(ランド/円)
4日連続陽線で踏ん張る
日足、雲中で踏ん張る。4日連続陽線。ボリバン中位へ戻る。9月4日-8日の下降ラインが上値抵抗。9月6日-8日の上昇ラインがサポート。5日線下向き、20日線上向く。
週足、ボリバン2σ上限から反落も中位で切り返す。雲中へ。8月14日週-9月4日週の上昇ラインがサポート。8月28日週-9月4日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、8月は陰線。9月は陽線スタート。7月-8月の上昇ラインがサポート。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線は上向き。
年足、今年は円とデッドヒートを繰り返す、9月はまたもや陽転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
アフリカ連合がG20メンバーに
G20はアフリカ連合(AU)を正式なメンバーに加えることに合意した。
88の国・地域が加盟するAUは現在G20の「招待国際機関」という位置付けだが、今後は欧州連合(EU)と同じ扱いとなる。G20は現在19カ国とEUで構成されている。