総括
FX「8月消費者物価を見て政策金利決定へ、据え置き予想」南アランド見通し
「通貨10位、株価17位」
「予想レンジ 南アランド円7.5-8.0」
(ポイント)
*政策金利は8.25%で据え置きか
*8月消費者物価の予想は4.9%
*電力問題、政府は楽観的
*先週末は中国指標改善でランドが戻す
*官民協力体制へ、、電力、物流、犯罪という3大問題
*アゴア法から除外されない見通し
*円を抜いて年初来10位へ浮上
*IMFの見通しに明るさあり
*中国による電力支援進展
*南アの最大貿易相手国は輸出入ともに中国
(政策金利は8.25%で据え置きか)
今週は政策金利決定がある。中銀は8.25%に据え置く予想が多い。7月の消費者物価は4.7%であり、これはインフレターゲットのほぼ中間にある。政策金利発表前に発表される8月消費者物価の予想は4.9%であり、ターゲット内にとどまる。
インフレ率については、今後2四半期中に5.2%まで上昇し、その後はターゲット中間近くまで緩やかに低下するとの見通し。平均インフレ率は今年が5.8%、来年が4.9%と予想されている。今後の政策金利の予想は、来年1Qに0.25%引き下げられ、その後、5月に0.25%の追加利下げが行われ、さらに3Qにも引き下げられる、という道筋になっている。
ただこのところの原油価格の上昇は、原油を産出しない南アにとって懸念材料だ。また今年のGDP成長率は予想が0.7%増で、5月調査より0.4%上方修正された。
(電力問題、政府は楽観的)
問題は電力不足。内閣は、高段階の負荷は一時的な措置であり、国に長期的な利益をもたらすと確信していると発言した。エスコムが近い将来に持続的な下位段階の負荷軽減に備えているため、より高い段階の負荷は短期的な措置であると述べた。
(先週末は中国要因で戻す)
先週は7月製造業生産が2.3%増で6月の5.9%増から悪化したが、翌日は南アの最大貿易相手国の中国の8月小売売上や鉱工業生産が改善したので南アランドも上昇した。
(官民協力体制へ、、電力、物流、犯罪という3大問題)
南アの抱える、電力、物流、犯罪という3大問題分野を改善するための政府と民間部門がパートナーシップを強めている。これら3つの問題領域を解決すれば、南アのGDPが3%成長する可能性があり、これは国の雇用統計を改善するために不可欠である。
ラマポーザ大統領は、「この協力は、これらの課題に立ち向かい、南アを成長と雇用創出の軌道に乗せるために大胆かつ緊急の行動を取る必要があるという認識に基づいて構築されている」と述べた。
テクニカル分析(ランド/円)
なんとか雲の上に出る
日足、雲の上に出る。ボリバン中位越える。9月11日-15日の上昇ラインがサポート。9月14日-15日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向く。
週足、ボリバン2σ上限から反落も中位で切り返す。雲中へ。9月4日週-9月11日週の上昇ラインがサポート。8月28日週-9月11日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、8月は陰線。9月は陽線スタート。7月-8月の上昇ラインがサポート。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線は上向き。
年足、今年は円とデッドヒートを繰り返す、9月はまたもや陽転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
アフリカ連合、独自の格付け会社新設を計画
欧米の格付会社が支配している格付けに不満があり、アフリカ連合は独自の格付け会社を新設しようとしている。これは日本でも中国でも同じような不満から独自の格付け会社を新設したが、市場での影響力は小さい。
新たな格付け会社は拠点をアフリカ大陸に置き、対アフリカ諸国融資のリスクを独自に評価する。「すでに民間セクターから計画実行への支援について大きな関心が寄せられている」と、2024年の立ち上げを目指しているようだ。
欧米大手格付け3社は、アフリカ諸国への融資のリスクを公正に評価せず、新型コロナウイルスのパンデミックのような危機の際にすぐに格下げすると主張していることが背景にある。