ウイスキー「ウエストランド」の製法
シングルモルト「ウエストランド」には、他の製造地のウイスキーにはない特徴があります。
アメリカならではのシングルモルト造りにこだわったその製法や原料について解説します。
複数の大麦モルト
創業者の一人であるマット・ホフマンは、スコットランドのヘリオットワット大学の醸造蒸留研究所でウイスキー造りを学んでおり、スコッチの製法に敬意を払いつつも、ワシントン州ならではのシングルモルト造りにこだわっています。
スコッチとの違いの一つが原料で、「ウエストランド」はワシントン州産を含むさまざまなタイプの大麦モルトを使用しています。
- ワシントン州産のペールモルト
- ミュンヘンモルト
- エクストラスペシャルモルト
- ブラウンモルト
- ペールチョコレートモルト
使用するのは主にこれらのモルトで、レシピによって使い分けさまざまな銘柄を生み出しています。
アメリカ産のピーテッドモルト
「ウエストランド」には、ピーテッドモルトを使用している銘柄もあります。
2016年までピーテッドモルドはスコットランドから輸入していましたが、2017年から地元のピートで燻したワシントン州産のピーテッドモルトも使うようになりました。
ワシントン州産のピートはスコットランド産と風味が異なり、地元のピートを使用することで「ウエストランド」らしさが生まれます。
オーク樽のこだわり
ウエストランド蒸留所では、バーボン樽やシェリー樽といった古樽のほかにオークの新樽も使用しています。
また、生息地域のオーク全体の5%ほどしかない希少なギャリアナオークを使用していることも大きな特徴です。
ギャリアナは成長に時間がかかる上にタンニンとフェノールが強く、成分を和らげるために何年も自然乾燥させる必要があるため非常に希少です。
ギャリアナオークの樽で熟成したウイスキーは、インパクトのある個性的な味わいになり、他の樽で熟成した原酒とのブレンドにより、独特のフレーバーが生まれます。
また、アメリカンウイスキーは樽の内側を直火で焼くチャーという工程があり、ウエストランド蒸留所では熟成のスピードに合わせてチャーの具合を変えたものが用意されています。