人民元見通し
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総括

FX「人民元円は年初来高値更新、今月も2位発進で安定。経済指標改善」人民元見通し

(通貨7位、株価16位)

予想レンジ 人民元/円20.1-20.6

(ポイント)
*人民元円が年初来高値更新、20.497
*経済指標は改善傾向
*IMFは前向きな見方
*米中首脳会談への動きあり
*来週は米議員団が訪中
*ドルに寄り添って動くのでドル円と似通うチャートとなる
*懸念は景気減速、不動産問題、米中経済摩擦
*金融緩和は続くだろう。ただ元は管理相場で安定
*株は弱い
*米が中国へ経済制裁。ウイグル族の強制労働で
*多くの国は中国の14億人の消費とは離れにくい
*対米貿易で首位陥落

(人民元円が年初来高値更新、20.497)
人民元は先週、年初来高値の20.497をつけた。バスケット制の構成比が高いと見られる米ドルが上昇したことによるものだ。9月月間では4位。10月は2位発進

(経済指標は改善傾向)
経済指標は8月の鉱工業生産や小売売上高に続き改善した。

・製造業PMI 50.2 8月49.7 予想50 4か月連続改善
・非製造業PMI 51.7 8月51 予想52 2か月連続改善
・総合PMI 52 8月 51.3 予想52.6 3か月連続改善


 また、今、発表された財新版9月PMIは以下の通り
 50は超えたが、政府版PMIと異なり8月から減速


・製造業PMI 50.6 8月51.0 予想 51.2
・非製造業PMI 50.2 8月51.8  予想52.6
・総合PMI 50.9 8月 51.7 予想53

景気刺激策、金融緩和策の効果が出始めてきたか。一方、株価は弱い。上海総合指数は年初来0.69%高、香港ハンセン指数は世界でも最弱の部類で13.07%安だ。相次ぐ不動産業の破たんとその処理の遅さに投資かも嫌気がさしているのだろう。

(IMFの中国への見方)
ただIMFは最近のデータから中国経済に安定化の兆しが見られるとし、中国が経済改革に踏み切り、投資から個人消費への再均衡を図れば、中期的な成長を加速させられるとの見方を示した。中国は2023年も約5%の経済成長を達成できると引き続き予想しているとし、成長率は中期的には3.5%近辺に減速する可能性があるものの、経済改革によって加速させることができるとの考えを示した。

(米中首脳会談への動き)
9月にウイグル強制労働への対応で米国は中国3社に新たに輸入制限を課し、米中摩擦は強まっているが、その中で米中首脳会談の動きも見られる。米中両政府は中国の習近平国家主席の訪米に向け準備を進めていると、WSJが報じた。米中は中国の何立峰副首相のワシントン訪問について協議。また米中首脳会談の実現に向け中国の王毅外相の10月のワシントン訪問も計画されているという。

テクニカル分析(人民元/円)

年初来高値更新後、介入騒ぎで下落、5日線下向き

日足、年初来高値(20.497)更新後に。ボリバン2σ上限から下位に下落(日銀介入騒動で)。直ぐにボリバン2σ上位へ戻している。9月11日-10月3日の上昇ラインがサポート。10月2日-3日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上位。8月7日週-9月11日週の上昇ラインがサポート。22年10月17週-9月25日週の下降ラインが上値抵抗。
 月足、今年はここまで右肩上りといってもいい動き。ただ10月はボリバン2σ上限から反落でスタート。8月-9月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。

人民元見通し
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チーファンラマ

米上院議員団、中国を来週訪問へ 習主席との会談に期待

議会上院の超党派議員団が来週、中国を訪問する。中国の習近平国家主席との面会も模索しているという。訪中はホワイトハウスの後押しを受けており、関係安定化に向けた対話の一環とみられる。
民主党上院トップのシューマー院内総務が議員団を率いる。中国当局による米半導体大手マイクロン・テクノロジーの製品の調達制限などを巡り、協議する見通し。上海も訪れ、進出している米企業関係者らと意見交換する。
議員団は日韓両国訪問も計画しているとされる。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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