メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「米CPIで反落、成長見通し上方修正。短期不安も長期は有望維持」メキシコペソ見通し

予想レンジ 8.1-8.6

 (ポイント)
*短期的には売り圧力、長期的には有望維持
*8円割らずボリバン下限から反発も雲に届かず
*ペソ安の要因は経済が弱いからではない
*IMFは成長見通し上方修正
*9月消費者物価は伸び鈍化(米国は予想上回る)
*8月鉱工業生産は強い
*郷里送金は増加継続
*政策金利は11.25%に据え置き
*貿易赤字縮小、失業率改善
*UAWのストや米国政府閉鎖問題はメキシコに影を落とす
*1ドル17ぺソがペソ上伸を阻む 現在18.0
*メキシコ政府、OECD、フィッチも成長見通しを上方修正
*トランプ大統領が誕生すればメキシコに一波乱あり

(8円割れず下げ止まったが、昨日10月12日は反落)
 下げ止まった。3σ下限で4連続陽線となった。かろうじて8円割れを回避した。ただ昨日10月12日は長い上ヒゲで売り圧力を残した。メキシコの9月消費者物価は伸びが鈍化したが、昨日10月12日発表の米国の9月消費者物価は予想を0.1%上回り、米長期金利が上昇したことで、ペソ売りが強まった。また年初来最強通貨は維持しているが、10月はここまで最弱通貨となっている。
 メキシコ株価指数は年初来2.64%高でピークの15%高からは急落 、10年債利回りは10.25%。

(ペソ安の要因は経済が弱いからではない)
 ここ最近のペソの下落も経済が弱いからではない。ペソ安を防ぐ為の為替ヘッジプログラムの縮小や財政赤字削減のための空港運営会社の料金体系の値上げへの変更による関連会社の株式の急落であった。それも落ち着いてきたが円の介入観測やイスラエル問題は影を落とす。

 一方中長期的にはIMFは23年の成長見通しを7月時点の2.6%から3.2%に上方修正した。24年も1.5%から2.1%に引き上げていることも経済の強さを示している。

(9月消費者物価は伸びが鈍化)
 注目の9月消費者物価は、前年同月比4.45%上昇し、8カ月連続で伸びが鈍化した。それでもインフレ率は中銀の目標の3%を上回っており、サービス価格の上昇を懸念する中銀は年内は政策金利を現行水準に据え置くとの見方が強い。FRBの動向を見ながらだが、中銀が利下げに動くのは24年3月と見られている。

(8月鉱工業生産は強い)
 8月鉱工業生産は前年比5.2%増で7月の4.8%増を上回った。予想の4.6%増も上回った。建設が30.8%増、公益事業が8.9%増。一方、製造業の生産は2021年10月以来初めて減少(0.6%減)。月次ベースでは鉱工業生産は0.3%増加し、7月の0.5%増加から鈍化したが、予想通りとなった。

テクニカル分析

ボリバン3σ下限から反発もまだ雲の下で中位以下

 日足、ボリバン3σ下限へから反発するも、まだ雲の下で中位以下。10月12日は上ヒゲが長い。10月11日-12日の上昇ラインがサポート。10月2日-12日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き、20日線下向き。
  週足、中位割り込むもボリバン2σ下限から反発。3月20日週-10月2日週の上昇ラインを下抜く。8月28日週-9月18日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向く、20週線上向き。
 月足、9月で6か月連続陽線も陽の陽はらみで売り圧力。今月は陰線スタート。7月-8月の上昇ラインを下抜く。5か月、20か月線まだ上向き。1月-3月の上昇ラインがサポート。8月-9月の下降ラインが上値抵抗。
 年足、22年の長い上ヒゲを上抜く大陽線。14年-22年の下降ラインを上抜く。21年-22年の上昇ラインがサポート。 

メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

VAMOS MEXICO

メキシコが投資呼び込みへ税優遇措置

 メキシコ政府は、米企業などのニアショアリングの流れに乗って国内投資を呼び込むための税制優遇措置を定めた政令を公布した。
対象になるのは電池製造やエンジン、化学肥料、製薬、医療機器、アグリビジネスなど10業種。具体的には今年と来年の投資について加速度償却により56-89%の控除を実施し、従業員の訓練に関しては3年にわたって25%の控除を追加する。
最高の控除率89%は、新製品の研究や技術開発を直接の目的とする機械・設備投資が対象となる。自動車やハイテクなども80%を超える控除が受けられる。
ロペスオブラドール大統領は、中国依存を減らそうという世界的な動きによってメキシコも恩恵に浴するべきだと発言している。ただこれまで政権として、そうした投資を誘致する明確な政策をなかなか打ち出せていないとの批判を浴びていた。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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