総括
FX「高値安定、米中首脳会談は未定」人民元見通し
(通貨7位、株価16位)
予想レンジ 人民元/円20.2-20.7
(ポイント)
*人民元円は今年の高値圏で推移
* 11月の米中首脳会談はまだ確報がない
*3Q・GDP、減速も予想を上回る
*9月の鉱工業生産、小売売上はまずまず
*不動産投資は落ち込む
*消費者物価は上らず
*輸出入は減少が続く
*一帯一路会議にEU幹部現れず
*IMFは成長見通しを下方修正
*中国の婚姻数、9年連続で減少
*株は弱い
*米が中国へ経済制裁。ウイグル族の強制労働で
*多くの国は中国の14億人の消費とは離れにくい
*対米貿易で首位陥落
(ドル円と同様、年初来の高値圏で推移)
ドル円、人民元円、香港ドル円、シンガポール円、これらの通貨のチャートは似通っている。中国、香港、シンガポールはドルと連動している(すなわち疑似ドル通貨)ので、ドル円とは動きが似る。ドルが強いので人民元円も高値に位置している。
ふと思ったが、この4か国で共通通貨は出来るのではないか。BRICS共通通貨を新設するよりも容易い。
(米中首脳会談)
11月の米中首脳会談はまだ確報がない
(3Q・GDP、減速も予想を上回る)
中国の3Q・GDPは前年比4.9%増加した。2Qの6.3%から鈍化したものの、予想の4.4%を上回った。
国内消費や鉱工業部門の活動も予想を上回り、一連の支援策が回復を後押ししていることを示唆した。ここ数週間に景気刺激策を打ち出してきたが不動産危機などの逆風が見通しのリスクになっているものの、この日発表された各種統計は刺激策が奏功しつつあることを示した。
(9月の鉱工業生産、小売売上はまずまず)
9月の鉱工業生産は前年比4.5%増加し、8月と同水準の伸びとなった。予想の4.3%増を上回った。9月の小売売上高は5.5%増加し、8月の4.6%増から加速した。予想は4.9%増。
(不動産投資は落ち込む)
1-9月の不動産投資は前年同期比9.1%減と、1-8月の8.8%減より大幅な落ち込みとなった。不動産開発大手、碧桂園(カントリー・ガーデン)の25年9月満期のオフショア債は、利払い1500万ドルの猶予期間が終了。ある債券保有者は利払いを受けていないと語った。
(9月の消費者物価と貿易収支)
9月の消費者物価が前年比横ばいとなる一方、生産者物価は2.5%下落した。デフレ圧力は続いている。
9月の貿易統計では、輸出が前年同月比6.2%減、輸入も同6.2%減だった。 いずれも減少ペースは鈍化しており、中国経済が安定に向かっていることが改めて浮き彫りになった。
予想は輸出が7.6%減、輸入が6.0%減だった。貿易収支は777.1億ドルの黒字。8月は683.6億ドルの黒字だった。
(一帯一路 VS 中国デカップリング)
習近平国家主席は、「一帯一路」フォーラムで、中国の「デカップリング」に反対すると述べ、中国経済への依存度を下げようとする米欧の取り組みを批判した。
また、10年前に提唱した同構想を自賛し、「青写真が現実のプロジェクトになった」と述べた。 フォーラムには主に「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国から130カ国以上の代表が出席。ロシアのプーチン大統領ら複数の国家元首も含まれている。
習氏は「われわれは一方的な制裁、経済的威圧、デカップリング、サプライチェーンの混乱に反対する」と演説。米欧を念頭に「他国の発展を脅威と見なし、経済的相互依存をリスクと見なすならば、われわれの生活は良くならず、発展は速まらないだろう」と述べた。
一帯一路は当初、中国と西欧を結ぶことを目的としていたが、EUの高官は欠席。EU圏から出席した首脳はハンガリーのオルバン首相のみとなっている。
(IMFは成長見通しを下方修正)
IMFは中国の成長見通しを不動産危機と外需の低迷により、23年の成長率を0.2%、24年は0.3%引き下げ、それぞれ5.0%、4.2%とした。IMFは不動産業界の問題を一掃するために中国は「強力な行動」が求められており、当局は一定の措置を講じたがさらなる取り組みが必要だと述べた。「さもないと問題が悪化する恐れがある」と警告した。一方、中国は世界の成長見通しからはるかに高い自国の成長見通しを自賛している。
テクニカル分析(人民元/円)
続、年初来高値近辺で推移
日足、年初来高値(20.509)更新、10月3日-17日の上昇ラインがサポート。10月13日-18日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上位。9月11日週-10月2日週の上昇ラインがサポート。10月9週-16日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、今年はここまで右肩上りといってもいい動き。10月はボリバン2σ上限から反落でスタートもまた戻してきている。8月-9月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年9月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
中国の婚姻数、9年連続で減少
民政部はこのほど、「2022年民政事業発展統計公報」を発表した。それによると、昨年通年の法に基づく婚姻数は前年比10.6%減の683万5000組だった。結婚率(人口1000人当たりの婚姻率)は前年より0.6低下の4.8。
婚姻数は2013年に1346万9000組のピークに達した後に9年連続で減少し、22年には700万組を割り込んだ。22年の全国の出生数は956万人。