焼肉店「焼肉きんぐ」などを運営する物語コーポレーション<3097>と、「あみやき亭」を運営するあみやき亭<2753>の両社がそろって業績を伸ばしている。

物語コーポレーションは営業利益が一気に2倍強に拡大したほか、売上高も初の1000億円台乗せが見込まれる。

一方のあみやき亭も営業利益が4倍強に跳ね上がるほか店舗売り上げが前年同月比110%台から120%台に上がってきた。両社ともに新しいステージにワンランクアップしたようだ。

初の1000億円突破も

物語コーポレーションの2023年6月期の営業利益は前年度比2.5倍の72億200万円となった。25.9%の増収となったのに加え、店舗の営業時間の適正化や人件費のコントロール、電力自動制御装置の設置店舗拡大、配膳ロボットの活用などに取り組んだことから大幅な増益を達成した。

また2024年6月期には、売上高1056億700万円を予想しており、実現できれば初の1000億円突破となる。

コロナ禍の影響のあった2020年6月期と2021年6月期は2期連続の営業減益となったが、2022年6月期に回復の兆しが表れており、その勢いのまま新しいステージに進むことになった。

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(画像=2024/6は予想、「M&A Online」より引用)

買収効果で月次の売り上げが1ケタ上昇

あみやき亭の2024年3月期の営業利益は前年度比4.26倍の18億円を見込む。売上高は同21.2%増の346億円の予想で、コロナ禍前の2019年3月期の321億3600万円を上回る。

同社もコロナ禍の影響を受け、2021年3月期、2022年3月期は営業赤字に陥っていたが、2023年3月期に回復の兆しが表れていた。

2024年3月期の月次の売り上げを見ると、4月112%、5月103%、6月113%と100%台、110%台で推移していたのが、7月は121%、8月は129%と120%台に移ってきた。

子会社化した焼肉やホルモン焼き、焼鳥専門店などを運営するニュールック(横浜市)の、みなし取得日(支配獲得日の前後のいずれかの決算日)が2023年6月30日だったため、7月から月次売り上げの伸び(10の位)が一つ上のステージに上がったのだ。

M&A Online

(画像=2024/3は予想、「M&A Online」より引用)

再び拡大路線に

出店についても両社ともに積極的で、物語コーポレーションは、焼肉部門の19店舗をはじめ、ラーメン部門の18店舗など合計74店舗を予定している。2023年6月末の店舗数は665店舗のため、1年間で10%を上回る出店となる。

あみやき亭もステーキのファーストフード業態である「感動の肉と米」を中心に業態転換を含め15店舗(2023年3月末の店舗数は255)を計画している。

2024年3月期第1四半期時点で、ニュールックの29店舗が新たに加わったほか、2店舗の新規出店、3店舗の業態変更し、1店舗のリニューアルを実施済みだ。

両社はともにコロナ禍で成長にブレーキがかかった格好だが、再び拡大路線を歩み始めたようだ。

文:M&A Online