総括
FX「9月消費者物価は上昇、政策金利は据え置き続くか」南アランド見通し
「通貨10位、株価18位」
「予想レンジ 南アランド円7.6-8.1」
(ポイント)
*先週の南アランドはスイスに次いで強かった
*電力問題は改善途上
*9月消費者物価は上昇、金利は当分据え置きか
*2024年の選挙では初の連立政権か
*南アはアフリカ最大の経済の座を取り戻す可能性
*南アでも反イスラエルのデモが10月23日に行われる
*IMFが成長見通しを上方修正
*中銀はタカ派だ、為替介入はしない
*BRICS新通貨は具体性がない=南ア財務大臣
*人口が増加、移民も多い
*選挙前で財政支出増加したいが、財政赤字も大きい
*インフレはターゲット内に収まる
*11月にAGOA会議が開催される
*中国景気回復の兆しは朗報
(先週の南アランドはスイスに次いで強かった)
今年の南アランドは一番ボラタイルな通貨だ。先週の南アランドはスイスに次いで強かった。年初来では12通貨中10位で強くはない(円が11位)。
23年の月別の成績では、1-8月までで月間最強が3回、月間最弱が5回。9月だけが3位であった。これこそハイ・ボラタイル通貨である。円は月間で最強になったことも最弱になったこともないが、1年を通じて弱い。パレスチナ紛争という新興国へのリスク回避の動きはあるが今月は底堅い。IMFは23年の成長見通しを4月の0.3%から0.9%へ大幅に引き上げた。
(電力問題)
電力問題では、軽い負荷制限の日が多くなった。またラマポーザ大統領は、新しく原子力発電を検討することや、グリーン水素エネルギーのあ活用を唱えた。グリーン水素エネルギーは国の経済を大幅に成長させ、数千の雇用を創出する可能性があるとした。
(9月の消費者物価)
9月の消費者物価は前年比上昇率が5.4%と、8月の4.8%から伸びが加速した。まだ中銀のインフレ目標(3-6%)の範囲内に収まっており、政策金利が来月も据え置かれるとの予想が強まった。
9月は食品、燃料、輸送が最大の押し上げ要因となった。 食品と燃料を除くコアインフレ率は前年比4.5%。8月は4.8%。また、鶏肉価格上昇の影響が食品に表れてくるのは10月からだと見られている。 南アは過去最悪の鳥インフルエンザ流行に見舞われ、数百万羽が殺処分されている。
(初の連立政権か、2024年)
与党ANCは来年の選挙で過半数を失うことが予想されている。
ブレンサースト財団の調査によると、ANCの支持が昨年から大幅に減少したため、連立政権を樹立する可能性が高いという。
ANCの支持率は2022年11月の48%から今年10月には41%に低下しており、有権者は失業、汚職、負担軽減、犯罪をこの国の最大の問題として挙げている。
回答者の23%は民主同盟(DA)に投票すると回答した。17%はEFFに投票すると回答した。興味深いことに、この国の二大政党は昨年、多くの有権者を失った。ANCの支持率は7%低下したが、DAの支持率も24%から今年は23%に低下した。
EFF (+6%)、IFP (+3%)、および FF (+1%) はすべて、この期間中に増加した。全体として、ほとんどの回答者(74%)が、来年の選挙後に連立政権が樹立されることを嬉しく思うと回答した。
(アフリカ最大の経済の座を取り戻す可能性)
IMFの予測によると、南アは来年、一時的にナイジェリアとエジプトを追い越して大陸最大の経済国となる見通しだ。IMFの世界経済見通しでは、2024年の現在の価格に基づく南アの国内総生産が4,010億ドルに達すると予想しており、これに対しナイジェリアは3,950億ドル、エジプトは3,580億ドルとなっている。ナイジェリアとエジプトは通貨安の問題を抱えている。
IMFは、南ア経済が今年0.9%、2024年に1.8%拡大し、電力事情が改善し、物流のボトルネックに取り組み、その他の改革が進められれば、2.5~3%のペースで拡大する可能性があると見ている。
テクニカル分析(ランド/円)
一時8円越すも、ボリバン2σ上限から中位へ反落
日足、一時8円越すも、ボリバン2σ上限から中位へ反落。10月19日-20日の上昇ラインがサポート。10月18日-20日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線下向き。
週足、ボリバン中位で切り返す。雲中。10月2日週-9日週の上昇ラインがサポート。7月31日週-10月16日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、9月は陽線。10月は陰転も下ヒゲ長い。ただここ4か月は7.85を中心とした横ばい推移。5月-6月の上昇ラインがサポート。7月-9月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線は上向き。
年足、今年は円とデッドヒートを繰り返す、10月は陽転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
南アにお住まいの皆様及び旅行者の皆様へ、パレスチナ紛争が飛び火
10月23日(月)に、プレトリアのリンウッドにおいて、イスラエル大使館に対するデモ行進等が計画されています。
【本文】
1 経済的解放の闘士(Economic Freedom Fighters: EFF)が、10月23日(月)に、プレトリアのリンウッド(Lynwood Gardens Estate)に集結し、同所からイスラエル大使館(428 King's Highway)に向かいながら、デモ行進及び抗議活動を行うと発表しています。
2 これら行動に伴い、交通渋滞など社会生活への影響が発生する可能性があります。また、その他の抗議活動に発展する可能性もあります。報道等で最新の情報を入手し、これら行動が行われている場合には近付かないなど、ご自身の安全を確保するようにしてください。
3 万が一、被害に遭われた場合には、在南アフリカ共和国日本大使館に連絡してください。