総括
FX「激動の世界、不良債権問題の中国も人民元は安定。米中首脳会談なるか」人民元見通し
(通貨7位、株価16位)
予想レンジ 人民元/円20.2-20.7
(ポイント)
*激動の世界情勢、中国の景気減速や不動産問題はあるも人民元は安定推移している
*特に人民元円は高値圏で安定推移(ドル基軸のバスケット制度で)
*米中首脳会談なるか
*1兆元の景気対策実施、財政赤字は増加
*碧桂園(カントリー・ガーデン)がデフォルト
*習中国主席、人民銀行を初訪問
*3Q・GDP、減速も予想を上回る
*9月の鉱工業生産、小売売上はまずまず
*不動産投資は落ち込む
*消費者物価は上らず
*輸出入は減少が続く
*株は弱い
*米が中国へ経済制裁。ウイグル族の強制労働で
*多くの国は中国の14億人の消費とは離れにくい
*対米貿易で首位陥落
(年初来高値圏で推移)
ドル円が高値圏で膠着しているので人民元円もほぼ同じ形で高値圏で推移している。人民元がドルを主とするバスケット制度を採用しているため。世界情勢、中国情勢の如何にかかわらず、人民元はドルと安定してパラレルに動く。
(米中首脳会談なるか)
習近平国家主席は、中国は米国と協力する用意があると表明、米中は見解の相違を管理し、グローバルな課題に協力して対応していると述べた。
米中が「正しい」付き合い方を確立できるかどうかが、世界にとって重要だとの認識も示した。
中国の王毅外相は26-28日にワシントンを訪問する。サンフランシスコで11月に開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議ではバイデン米大統領と習主席が会談するとみられている。
ブリンケン米国務長官は、今週予定している中国の王毅共産党政治局員兼外相との会談で、中東における紛争拡大を回避するため連携すると明らかにした。王氏はワシントンを訪問し、ブリンケン長官やサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らと会談する見通しだ。
また習近平国家主席は25日午後、人民大会堂でカリフォルニア州ニューサム知事と会談した。
(習中国主席、人民銀行を初訪問)
習近平国家主席は24日、人民銀行を訪問。3QにGDPが予想を上回る伸びとなったものの、民間部門の活動の弱さが続いていることや、消費主導の成長への転換に必要な、より長期的な改革の欠如を巡る懸念が強まっている。
人民銀は最近、小幅な利下げを決め、資金供給を増やしているが、資本流出や元安が懸念される中、可能な金融緩和策は限られている。
通年の経済成長率目標5%の達成がほぼ確実な中でも今回の措置が打ち出されたことについて、経済成長を押し上げるという最高指導部のコミットメントを示していると見られている
(1兆元の国債発行で景気浮揚狙う)
中国財政省の朱忠明次官は、1兆元の新規国債発行は景気回復を後押しするものだと説明した上で、政府の債務水準はまだ合理的な範囲内にあると述べた。
「調達資金が活用されれば内需を促進し、景気回復をさらに強固なものにするだろう」と語った。調達する資金は、自然災害で被災した地域の復興や都市部の排水設備改築に使い、自然災害への耐性を高める。一部のアナリストは短期的な経済効果は大きくないと指摘。
テクニカル分析(人民元/円)
続、年初来高値近辺で推移
日足、年初来高値(20.509)近辺で推移、10月20日-24日の上昇ラインがサポート。10月13日-25日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上位で推移。10月2日週-16日週の上昇ラインがサポート。10月9週-23日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、今年はここまで右肩上りといってもいい動き。10月はボリバン2σ上限から反落でスタートもまた戻してきている。8月-9月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年9月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
デフォルト
碧桂園(カントリー・ガーデン)が米ドル建て債について初めてデフォルトと判断された。社債管理者は保有者への通知で、碧桂園が先週終了した猶予期間内に利払いを実施しなかったことは「デフォルトイベントに当たる」と指摘した。