日本に住む外国人について |
日本に住む外国人が多い都道府県:1位は東京都 |
日本に住む外国人の増加率が高いエリア:大分県が前年比30%増 |
目次
本コラムでは、在留外国人の多い都道府県をランキング形式で紹介し、前年からの増加率が高いエリア(増減率ランキング)をピックアップしていく。
都道府県在留外国人数ランキングトップ20
出入国在留管理庁の「令和4年末現在における在留外国人数について」によると、2022年末における在留外国人数は307万5,213人と過去最高を更新していることが分かった。そのうちの中長期在留者数は278万6,233人、特別永住者数は28万8,980人である。
下表は、都道府県別の在留外国人数をトップ20までまとめたものである。
順位 | 都道府県 | 在留外国人数 | 構成比 | 前年末増減率 |
1位 | 東京都 | 59万6,148人 | 19.4% | 12.2% |
2位 | 愛知県 | 28万6,604人 | 9.3% | 8.1% |
3位 | 大阪府 | 27万2,449人 | 8.9% | 10.7% |
4位 | 神奈川県 | 24万5,790人 | 8.0% | 8.0% |
5位 | 埼玉県 | 21万2,624人 | 6.9% | 7.9% |
6位 | 千葉県 | 18万2,189人 | 5.9% | 10.2% |
7位 | 兵庫県 | 12万3,125人 | 4.0% | 10.0% |
8位 | 静岡県 | 10万6,345人 | 3.5% | 9.3% |
9位 | 福岡県 | 8万9,518人 | 2.9% | 17.4% |
10位 | 茨城県 | 8万1,478人 | 2.6% | 14.6% |
11位 | 京都府 | 6万8,443人 | 2.2% | 17.3% |
12位 | 群馬県 | 6万6,963人 | 2.2% | 8.1% |
13位 | 岐阜県 | 6万2,710人 | 2.0% | 10.6% |
14位 | 三重県 | 5万8,974人 | 1.9% | 8.6% |
15位 | 広島県 | 5万6,068人 | 1.8% | 10.8% |
16位 | 栃木県 | 4万5,918人 | 1.5% | 8.2% |
17位 | 北海道 | 4万5,491人 | 1.5% | 25.3% |
18位 | 長野県 | 3万9,248人 | 1.3% | 10.0% |
19位 | 滋賀県 | 3万7,350人 | 1.2% | 11.6% |
20位 | 岡山県 | 3万2,042人 | 1.0% | 8.9% |
出典:出入国在留管理庁「令和4年末現在における在留外国人数について」※この先は外部サイトに遷移します。より株式会社ZUU作成
この結果から在留外国人数が最も多いのは、東京都の59万6,148人であり、全国の19.4%を占めていることが分かる。2位以下は愛知県、大阪府、神奈川県、埼玉県、千葉県と続いており、通常の賃貸ニーズの高いエリアが外国人にも人気である。
<在留外国人数の都道府県別割合(令和4年末現在)>
前年からの増減率が高いエリア:九州
次に、出入国在留管理庁のデータをもとに前年からの増減率が高い都道府県をランキングする。
順位 | 都道府県 | 2021年末 | 2022年末 | 前年末増減率 |
1位 | 大分県 | 1万1,879人 | 1万5,541人 | 30.8% |
2位 | 北海道 | 3万6,316人 | 4万5,491人 | 25.3% |
3位 | 長崎県 | 8,982人 | 1万1,214人 | 24.8% |
4位 | 熊本県 | 1万6,686人 | 2万660人 | 23.8% |
5位 | 佐賀県 | 6,507人 | 7,919人 | 21.7% |
6位 | 高知県 | 4,500人 | 5,341人 | 18.7% |
7位 | 宮崎県 | 7,011人 | 8,309人 | 18.5% |
8位 | 鹿児島県 | 1万1,833人 | 1万3,975人 | 18.1% |
9位 | 青森県 | 5,693人 | 6,702人 | 17.7% |
10位 | 沖縄県 | 1万8,535人 | 2万1,792人 | 17.6% |
11位 | 福岡県 | 7万6,234人 | 8万9,518人 | 17.4% |
12位 | 京都府 | 5万8,370人 | 6万8,443人 | 17.3% |
13位 | 宮城県 | 2万1,089人 | 2万4,568人 | 16.5% |
14位 | 山梨県 | 1万7,163人 | 1万9,982人 | 16.4% |
15位 | 岩手県 | 7,203人 | 8,374人 | 16.3% |
16位 | 石川県 | 1万4,766人 | 1万7,161人 | 16.2% |
17位 | 香川県 | 1万3,043人 | 1万5,078人 | 15.6% |
18位 | 愛媛県 | 1万1,900人 | 1万3,742人 | 15.5% |
19位 | 徳島県 | 6,094人 | 7,009人 | 15.0% |
20位 | 茨城県 | 7万1,121人 | 8万1,478人 | 14.6% |
出典:出入国在留管理庁「令和4年末現在における在留外国人数について」※この先は外部サイトに遷移します。より株式会社ZUU作成
上の結果から前年に比べて在留外国人数が増えているエリアは、大分県を筆頭にして長崎県、熊本県、佐賀県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県とトップ10内に九州の7県がランクインしており、九州の割合の高さが見て取れる。この傾向が今後も継続するようであれば、九州エリアでは在留外国人数が増加すると考えられる。
<前年増減率トップ10の2021年末と2022年末の在留外国人数の比較>
外国人向け賃貸物件の注意点
さまざまな要因から、日本では外国人就労者や日本在住の外国人が増えてきた。2020年には新型コロナウイルスの影響で一旦落ち込んだが、2022年10月には入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除などが実施され、再び日本に外国人の姿が見られるようになってきている。
今後は外国人が日本の賃貸物件に入居するケースも増えることが考えられそうだ。ここでは、外国人向け賃貸物件の注意点を2つ紹介する。
主な注意点 | 対策 |
文化の違いによる近隣住人とのトラブル | ホームパーティーの開催やゴミの分別など、事前にルールを説明しておく |
家賃滞納リスク(突発的な帰国など) | 保証会社と連携し、家賃滞納リスクを低減させる。さらに外国人の対応経験が豊富な不動産管理会社を選ぶ |
文化の違いによる近隣住人とのトラブル
外国人入居者は、自宅で大勢の友人を招いてホームパーティーを開催することを好む傾向にあり、日本でも同じようにパーティーを開きたいと考える方も多いかもしれない。少人数で近隣に配慮しながら開催されるホームパーティーであれば問題ないが、人数が多かったり深夜に開催したりすると近隣住民とのトラブルが発生する恐れがある。
そうしたリスクを軽減するためにも、大人数でのパーティーの可否、開催する時間帯について事前に説明しておくべきだ。また日本のゴミ分別ルールに慣れていない外国人入居者が、誤った方法でゴミを出すことによって近隣住民とのトラブルが起こることもある。
国によってゴミの出し方やリサイクルに関する考え方は異なるため、日本における自治体別のゴミ分別の違いなどは、なじみにくい文化かもしれない。これらのトラブルを避けるためにもゴミ出しにおいて多言語対応するなどの工夫が大切だ。
外国人入居者がトラブルを起こすことなく過ごすために、暮らしのルールについて理解を深めてもらう必要がある。
家賃滞納リスク(突発的な帰国など)
外国人の場合、年収や勤続年数をもとに家賃を安定して支払える能力があるかといった従来の審査だけでは、家賃滞納リスクを軽減させることは難しいかもしれない。
例えば、突発的な帰国や、なんらかの事情で日本を離れるケースにおいて契約解除までに時間がかかり、家賃回収に困難を生じることも考えられる。また一度入居を決定してしまうと、2~3ヵ月程度の家賃滞納だけでは強制退去を行えない場合が多く、催促などを含め業務の負担が多くなってしまうこともある。
このようなリスクを最小限に抑えるためには、保証会社との連携を図り身元引受人に日本人がいるか、日本在住歴、契約者の勤務先や過去の住所などを調査することが重要だ。
これらの注意点を踏まえ、外国人向けの賃貸物件を提供する際には、外国人の対応経験が豊富な不動産管理会社を選ぶのが賢明だろう。トラブルを未然に防ぐための適切なサポートを行ってくれる。外国人入居者と円滑な関係を築きながら安定した賃貸契約を進めるためにも適切な対策を講じてリスクを最小限に抑えよう。
日本に住む外国人に関するQ&A
Q. 在留外国人が多い都道府県は??
出入国在留管理庁の「令和4年末現在における在留外国人数について」によると、在留外国人数が最も多いのは東京都の59万6,148人であり、全国の19.4%を占めている。
Q.日本に在留する外国人の出身国ランキングは?
出入国在留管理庁の「令和4年末現在における在留外国人数について」によると、在留カード及び特別永住者証明書上に表記された国籍・地域の数は195(無国籍を除く)の中で最も多いのは中国で76万1,563人(令和4年末現在)だ。次いでベトナムの43万2,934人、韓国の41万1,312人となっている。
<日本在留外国人の国別ランキング>
順位 | 国・地域 | 在留外国人数 | 前年末比 |
1位 | 中国 | 76万1,563人 | +4万4,957人 |
2位 | ベトナム | 48万9,312人 | +5万6,378人 |
3位 | 韓国 | 41万1,312人 | +1,457人 |
4位 | フィリピン | 29万8,740人 | +2万2,125人 |
5位 | ブラジル | 20万9,430人 | +4,551人 |
6位 | ネパール | 13万9,393人 | +4万2,284人 |
7位 | インドネシア | 9万8,865人 | +3万9,045人 |
8位 | 米国 | 6万804人 | +6,642人 |
9位 | 台湾 | 5万7,294人 | +6,103人 |
10位 | タイ | 5万6,701人 | +6,377人 |
出典:出入国在留管理庁「令和4年末現在における在留外国人数について」※この先は外部サイトに遷移します。より株式会社ZUU作成
下図はトップ3カ国の推移である。中国は漸増傾向、ベトナムは10年前あたりから右肩上がりに増えている一方で、韓国は徐々に減少している。
Q.外国人人口の多い県は?
令和2年の国勢調査によると、2020年の総人口に占める外国人人口の割合が最も多い市区町村は、大阪府大阪市生野区で21.8%であった。5位に大阪市浪速区もランクインしていることから、大阪府では外国人比率が高いと考えられる。
<外国人人口の割合が高い市区町村(2015年、2020年)>
順位 | 市区町村 | 総人口に占める 外国人人口の割合(%) |
割合の差 | |
2015年 | 2020年 | |||
1位 | 大阪府大阪市生野区 | 13.4 | 21.8 | 8.4 |
2位 | 長野県川上村 | 15.8 | 19.0 | 3.2 |
3位 | 群馬県大泉町 | 14.7 | 18.4 | 3.7 |
4位 | 長野県南牧村 | 12.6 | 14.0 | 1.4 |
5位 | 大阪府大阪市浪速区 | 10.6 | 12.4 | 1.8 |
出典:総務省「令和2年国勢調査」※この先は外部サイトに遷移します。より株式会社ZUU作成
(提供:manabu不動産投資 )
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