総括
FX「人民元円はまたもや最高値更新。人民元買い介入(ドル売り)か」人民元見通し
(通貨7位、株価18位)
予想レンジ 人民元/円20.6-21.1
(ポイント)
*人民元は対円で年初来高値更新
*株価は弱く年初来マイナス圏
*米中首脳会談は再び開催される予定
*HSBCがIMFに続き成長見通し上方修正
*ドル売り人民元買い介入か
*10月消費者物価は低下
*10月鉱工業生産、小売売上が改善
*中国の米国債保有高が8054億ドルに減少
*BYDが過去最高益
*1兆元の国債発行し景気対策へ
*米の経済制裁は続く
*世界では中国回避の流れもあるが、14億人の消費は捨てがたい
*対米貿易では首位を陥落
(人民元は対円で年初来高値更新、一方、株価は弱く年初来マイナス圏)
11月22日に今年の高値20.887をつけた。昨年の高値20.905にも近い。それでも年間では7位、円がいかに弱いということだろう。一方、株価は上海、ハンセンともに弱い。上海総合指数は11月22日終値で年初来1.48%安、香港ハンセン指数は10.35%安。景気減速や海外資金の流出が要因だと言われている。
(国有銀が軟調なドルに異例の売り)
中国の大手国有銀行は今週、オンショア・スワップ市場で人民元をドルに交換し、為替スポット市場でそのドルを売却しているもようだ(ロイター)。
関係筋によると、大手国有銀は今週もドル売り・元買いを続けている。
国有銀は当局に代わって為替市場に介入しているとみられることが多いが、通常は元安圧力が高まった際にドルを売っており、幅広くドル安となっているこのタイミングは珍しい。
元相場の回復を加速させる狙いがあるのではないかとディーラーは見ている。国有銀行が元の上昇を加速させ、輸出企業に外貨収入の元への交換を促そうとしているとの見方も一部から聞かれた。
(成長率見通しを従来の4.9%から5.2%に上方修正、HSBC)
景気減速と言われる中で、HSBCは、中国の今年の成長率見通しを従来の4.9%から5.2%に引き上げた。消費が持ち直し、国内の経済活動全体を押し上げていると判断した。
2024年の成長率見通しも4.6%から上方修正し、4.9%とした。
HSBCは「ここ数カ月、消費の回復が鉱工業生産を押し上げ、経済活動が勢いを増している。この基調は続くと予想している」と述べた。
また銀行預金準備率が年内と来年に追加で0.5%ずつ引き下げられ、与信需要が増えて流動性が供与されるとの見方も示した。
(米中首脳、再会談で合意)
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、バイデン大統領と中国の習近平国家主席が先週行った首脳会談を踏まえ、再度会談する方針で合意したものの、日程は確定していないと明らかにした。
バイデン氏と習氏は11月15日、サンフランシスコ郊外で1年ぶりとなる対面での会談を行い、首脳間のホットライン設置や軍同士の対話再開、薬物対策の協力で合意した。
(中国の首脳会合@APEC)
習近平国家主席は、米国、メキシコ、日本などと首脳会談を行った。APEC首脳会合でも挨拶を行った。具体的な内容はないが、それぞれ開放と協力を堅持し、発展を共に図ることを核心とする提案を行った。以下は中国側の報道。中国的な文章だ。
第一に、共同で正しい理解を確立し、両国がパートナーとなり、互いを尊重し、平和的に共存できることを期待すること、
第二に、共同して効果的に相違点を管理し、お互いの基本原則を理解し、トラブルを引き起こさないこと、境界線を越えないこと、より多くのコミュニケーションを取り、より多くの対話を行い、より多くの議論を行い、相違点や事故に冷静に対処すること、
第三に、相互利益を共同で促進すること外交、経済、金融、商業、農業などの分野で回復または確立された関係を協力し、最大限に活用して、麻薬取締、司法法執行、人工知能、科学技術の分野で協力を実行する。
第四に、大国の責任を共同で担い、国際問題や地域問題についての調整と協力を強化し、より多くの公共財を世界に提供し、互いの取り組みを調整し連携させること、第五に、文化交流を共同で推進し、より多くの支援を奨励し支援することである。
(ロシア、北朝鮮、イラン、パレスチナ問題などと異なり議論を続けていくことが重要だ)
テクニカル分析(人民元/円)
またもや年初来高値更新
日足、昨日は20.887をつけ年初来高値更新、ボリバン2σ上位。11月21日-22日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。昨年の高値は20.905。
週足、ボリバン2σ上限近くで推移。10月30日週-11月6日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線上向き。
月足、ボリバン2σ上限。今年はここまで右肩上りといってもいい動き。10月はボリバン2σ上限から反落でスタートも戻して陽線。11月はさらに強い。9月-10月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年9月の下降ラインを上抜く。
年足、3年連続陽線。23年も陽線。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
来年1月に台湾総統選
来年1月13日に投開票される台湾総統選について、有力候補である与党・民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統は、台湾が民主主義の道を進み続けるか、中国に取り込まれるのかの選択を迫られていると訴えた。
台湾の安全保障は国際的な問題であり、世界中がこの選挙に注目しているとし、「台湾の人々は台湾を信頼して民主主義の道を進み続けるか、中国に依存して「一つの中国」という古い道をたどり、中国に取り込まれていくかのいずれかを選ばなければならない」と述べた。