GVA法律事務所代表弁護士
弁護士登録後、鳥飼総合法律事務所を経て、2012年にGVA法律事務所を創業(現在グループで弁護士・司法書士・海外弁護士総勢約50名、顧問先300社以上)。
2017年1月に、法律とIT技術を組み合わせた「リーガルテック」GVA TECH 株式会社を創業、代表取締役に就任。
非常に専門性が高いゆえにDXの推進途上である法務領域で、弁護士などの士業や企業の法務担当者のニーズに常に耳を傾け、業務が「リーガルテック」によって効率化され、専門家、企業、個人それぞれが本来取り組むべき仕事に専念できる未来を目指して、日々邁進し続けている。
・マターマネジメントシステム「GVA manage」
・AI契約書レビュー支援クラウド「GVA assist」
・AIによるNDAチェックサービス「GVA NDAチェック」
・会社変更登記のオンライン作成支援サービス「GVA 法人登記」
これまでの事業の変遷について教えてください。
もともと私は弁護士として働いていました。2012年にGVA法律事務所を創業し、スタートアップの支援を行うことを始めました。そして2017年にGVA TECHを立ち上げ、その後も絶えず変化と進化を遂げてきました。今ではAIやテクノロジーを活用したサービス提供が我々の主力となっています。
一番感銘を受けた書籍とその理由は?
私が最も感銘を受けた本はサミュエル スマイルズ著の「自助論」と戸部 良一ら著の「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」です。「自助論」は、自ら勤勉と努力で何事も成し遂げるというメッセージを伝えています。人のせいにせずに、自己改善を図り、粛々と努力を続けるべきだと語りかけてくれます。学生の時や若いことは私が人生で直面する課題やビジネスの難問に対処する上でも非常に重要なヒントとなっています。
一方、「失敗の本質」では日本の戦争の歴史を基に組織の失敗を導く要因を、組織論の観点から分析しています。この本の面白いところは組織論の話を外部環境の状況も踏まえた上で、自分たちはどのような組織を構築していかなければいけないのかを書いてくれているところです。外部環境と組織の内部環境を構造的に捉えて分析、改善を行っていくことで組織を進化させることができるのだということが、私のなかでビジネスにとても役立っていると感じました。
読書はどのように仕事に生かせたでしょうか。
私は読書から得た知識を仕事のアクションにつなげることを常に心掛けています。単に本から情報を取り入れるだけでなく、それを会社の業績向上のための具体的な行動に変えることが重要だと考えています。
特に、「失敗の本質」からは単なる組織論を学んだだけではなく、外部環境と社内の内部環境を把握して戦略を立案するということのフレームワークを構築することに役立ちました。例えば、「今は生成AIが台頭してきているからそれを使って世界一のプロダクトを作ろう」と考えても、AIの開発経験がない従業員5名しかいない会社で、世界の名だたる企業と戦えるかと言ったら現実では難しいと思います。だとしたら「生成AIが台頭していて自従業員が5名」という外部と内部の環境どちらも考えることで別の戦略をとろうと考えることができます。それによって我々は、組織全体の力を最大限に引き出すために必要な戦略を明確に定めることができます。
また、読書などから得た知識を週に1回朝会でメンバーに共有するようにしています。新たな視点や考え方を得たとき、それを自分だけのものにするのではなく、まずは会社で広め、新たな洞察や発見につながれば良いと考えています。
経営において重要としている考え方を教えてください。
我が社の経営において重要な考え方は二つあります。ひとつは外部環境を見極め、それに対応した戦略を作るということです。市場の動向や社会の変化を理解し、それに適応することでビジネスチャンスを見つけ出し、そのチャンスに事業をフィットさせられるような組織を作っていくことが成長を遂げる方法だと考えています。これはただ事業を成長させるだけでなく、事業の持続可能性を高める重要な要素です。
二つ目は、自社の組織が新たな変化に対応できるようにすることです。時代や市場の変化は予測不能で、それに対応するためには柔軟で変化に対応できる組織が必要です。それを可能にするためには、社員一人ひとりが自己成長を遂げ、時代の変化に対応できる新たなスキルや知識を持つことが重要だと考えています。
最後に、御社の未来構想や従業員への期待について教えてください。
我々の未来構想は、未来の変化に対応する組織をつくり、事業を成長させ続けることです。それを実現するためには、先ほども述べたように組織の一員である社員一人ひとりが自己成長を遂げ、時代の変化に対応できる新たなスキルを習得し活用することが不可欠です。そのため常に新しい知識をキャッチアップし続ける姿勢を持って仕事に取り組んでもらえるようにしてほしいし我々も社員それぞれが自分のポテンシャルを最大限に引き出せるような環境を提供していきたいと考えています。
- 氏名
- 山本 俊(やまもと しゅん)
- 会社名
- GVA TECH株式会社
- 役職
- 代表取締役