次世代新薬として注目されている核酸医薬の一種「アプタマー医薬」の開発を目的とする株式会社リボミック(東証グロース:4591)が、2023年11月14日に2024年3月期 第2四半期決算説明会を実施しました。
Unmet Medical Needs(未だに満足すべき治療法のない疾患領域の医療ニーズ)に応える ---- 中村社長による決算説明
本記事は、代表取締役社長の中村義一氏による説明会での発表の一部を抜粋・編集して紹介します。詳細については、こちらの動画を御覧ください。
株式会社リボミックIRページ
目次
損益計算書の概要
損益計算書の概要については、昨年同期と比較し、研究開発費が大きく減少しております。これはすでに臨床試験の主だったところを完了していて、核酸医薬の合成に関わる費用が大幅に減少していることを反映したものです。
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貸借対照表の概要
貸借対照表の概要としては、2023年9月末現在で約40億円のキャッシュを手元に残しております。これを今後も有効に使い、研究開発を進めていきたいと考えております。
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公的研究助成金
公的研究費の助成に関してはAMED、JSTに関しては今年の5月の決算短信で既に報告しております。その上で新たにNEDOの量子・AIハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業に採択されました。また、東京都中小企業振興公社から外国特許の出願費用の助成もいただいており、公的研究助成金全体としては1億3700万円強となっております。
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パイプライン:臨床優先度の高い自社開発品
パイプラインに関しては、Discovery(探索)からClinical(臨床)に軸足をうつして開発を進めてきております。臨床優先度の高い自社開発品を一覧としてまとめております。
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RBM-007 軟骨無形成症(ACH)を対象とした臨床試験
軟骨無形成症(ACH)は、腕と足の太い骨が発育不全で長くならない希少疾患であります。希少疾患の原因は線維芽細胞増殖因子(FGF2)に対する第3番目のレセプター(FGFR3)に変異が起きたために生じる疾患であります。FGFR3というレセプターはシグナルが入ると骨の増殖を抑えるブレーキ役となってしまいます。FGFR3に作用するFGF2を抑えれば治療が出来るのではないかと考えております。 国内では2022年中頃から前期第2相試験を進めてきており、順調に推移しております。この結果2025年度末頃に効果がわかるので、それを基にライセンスアウトを進めていきたいと考えております。
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RBM-007 滲出型加齢黄斑変性(Wet AMD)を対象とした臨床試験
滲出型加齢黄斑変性(Wet AMD)は、眼科の疾患ですが、眼底で炎症が起き新生された血管から漏出した血液・体液が眼底にたまって層状構造を壊し、最終的には失明に向かう病気でございます。 米国で第2相試験を完了しており、その段階で暫定的な結果は公表しましたが、その後時間をかけて層別解析と包括的な検討を行った結果、本薬剤の臨床POC(Proof of Concept)が明らかになりました。その解析を取りまとめた2報の論文が、英国王立眼科学会誌Eyeに受理されました。当社としては、その結果にもとづいて、RBM-007はファーストラインの治療薬として使うべきはないかと考えております。 これらの知見に基づき、未治療のWet AMD患者における後期第2相試験・第3相試験の実施に関して提携協議中であります。
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RBM-006 増殖性硝子体網膜症(PVR)
増殖性硝子体網膜症(PVR)は網膜剥離に至る重篤な疾患であります。原因は様々でありますが、現在有力な治療薬は存在しないので、上手く予防できないかというのが臨床医の切望するところであります。 最近論文が受理された日大との共同研究で、RBM-006が非常に優れたPVRの予防効果があるというのが明らかになりました。 PVRの予防に関する今後の展望としてRBM-006を使ったPVR予防効果をさらに検証するということ、さらにRBM-007を使ったPVR予防効果の実験を行ったうえで、PVR予防薬としての臨床試験を進めていきたいと考えている。
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RBM-011 抗IL-21アプタマー 肺動脈性肺高血圧症(PAH)とIL-21
国立循環器病研究センターと共同研究を進めてきたものであります。肺動脈性肺高血圧症 (PAH)は、肺につながる動脈の細い部分で根詰まりを起こし、血圧が高くなってくるという重篤な疾患であります。詰まる原因はIL-21というサイトカインの働きによってここがリモデリングして血管が詰まってくる。従ってIL-21を抑えることでこの病気の根本治療になると考えております。 現在このプログラムは、いつでも臨床試験に入れる状況となっているため、国内外の企業に導出をして、先方にて臨床試験を進めて欲しいと考えており、興味をもっていただいている企業様と提携交渉を進めております。
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中期事業目標
中期事業目標については、Discovery(探索)からClinical(臨床)ステージへの脱皮が非常に重要だと考えています。また、我々はアプタマー医薬の会社なので、新しいテクノロジーの開発をするということ、そして社会に対する企業価値の創出を行うということが標榜する使命であります。
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VISION 2025:臨床試験プログラム目標
Clinical(臨床)ステージへの脱皮に関しては、2020年にVISION2025というプログラム目標を設定しました。その結果、現在までRBM-007に関して2つのプログラムがClinical(臨床)ステージに入っております。1つ目のWet AMDが第2相試験まで行い臨床POCを確立することができたという状況であります。また、2つ目のACHに関しては前期第2相臨床試験を現在推進しています。RBM-011に関しては、現在ライセンス交渉を開始しており、ライセンス先で臨床開発に入ってもらえるよう手を尽くしていきたいと思います。
他にRBM-006、RBM-003、RBM-010が控えておりますが、これらを全部臨床に進めるには財力資金的な問題もあるため、どれか1つを優先して、選択と集中という形で臨床まで進めていきたいと考えております。
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決算説明会動画ページリンク:https://www.net-presentations.com/4591/20231114/ejmfj38c/
IRページリンク:https://www.ribomic.com/ir.php