近年の顧客ニーズの多様化に伴い、高付加価値な商品やサービスを提供するための顧客情報の管理と分析は不可欠となりました。その管理と分析に欠かせないのがCRMツールです。この記事では、代表的な11のCRMツールを比較しながら紹介します。

目次

  1. CRMツールとは
  2. CRMツールの必要性
  3. CRMとSFAの違い
  4. CRMツールの機能
  5. CRMツールを導入するデメリット
  6. CRMツールを選定するポイント
  7. 注目のCRMツール11選を比較紹介
  8. CRMは現代のビジネスに欠かせないソリューション

CRMツールとは

【2024年版】CRMツールを比較!機能や注意点、選定ポイント
(画像=Kannapat/stock.adobe.com)

CRMツールとは一般的に、顧客関係の管理を行うシステムのことを指します。顧客の満足度や信頼度を高めることで売上を増やし企業の収益性を向上させる目的で導入されます。主な機能としては、「顧客情報の一元化」「顧客情報の分析」「プロモーションの管理」などがあります。

例えば、顧客の購入履歴や問い合わせの履歴を企業全体で共有すれば、顧客の嗜好に合った商品やサービスをメールマガジンで紹介することが可能となります。顧客にとって価値のある情報を提供することで、顧客の満足度や企業の信頼度が上昇します。

適切な情報を提供することは結果的に企業の利益増加につながるため、その情報提供に役立つCRMツールは重要な役割を持っています。

CRMツールの必要性

CRMツールは、以下のようなニーズを満たすものとしてビジネスの場面で必要とされています。

多様化した消費ニーズに対応するため

インターネットやソーシャルメディアの広がりにより情報の取得が容易になった現代では、消費者のニーズや価値観が多様化しています。このような環境で顧客それぞれに高い満足度をもたらすサービスを実現するためには、各顧客のニーズをきめ細かく理解し、個々に合わせた対応を行なうことが必要です。

そのために効果的なのが、顧客情報を一元的に管理できるCRMツールです。CRMツールは、顧客の年齢、性別、購入履歴、問い合わせ履歴といった、顧客ニーズの理解に役立つ大量の情報を蓄積できます。これにより、多様化した消費ニーズに対応するためにとるべきアクションが見えてきます。

既存顧客を維持し顧客生涯価値を上げていくため

現代の市場は似たような商品やサービスであふれており、品質や価格による差別化が難しくなっています。そのため、新規顧客を取り込むための広告・宣伝コストは増加の一途をたどっています。

そういった状況では、新規顧客の獲得に主眼を置くのではなく、既存顧客との関係維持、また顧客一人ひとりのライフタイムバリューを高めるアプローチが有効です。サブスクリプション型のサービス増加もこの傾向を反映したものといえます。

既存顧客を確保するためには、顧客満足度やロイヤリティの向上が重要です。CRMツールは、顧客情報の管理だけでなく、顧客分析、マーケティング支援、カスタマーサポートといった多様な機能を提供し、既存顧客との関係維持に貢献します。現代ビジネスのニーズに適したツールといえるでしょう。

CRMとSFAの違い

CRMと似たツールにSFAと呼ばれるものがあります。CRMは既存顧客との良好な関係を維持するのに役立ちますが、一方のSFA(Sales Force Automation)は、営業活動の自動化や潜在顧客の管理に重きを置き、売上増加や潜在顧客の顧客化を目指すツールです。

したがって、潜在顧客に対してはSFA、既存顧客に対してはCRMを使用するなど、顧客との関係の段階や目的に応じて適切なツールを選択することが推奨されます。また、CRMとSFAの機能を一体化したオールインワンのソリューションを選択するという方法もあります。

CRMツールの機能

CRMツールには主に以下のような機能が備わっています。

顧客情報管理

CRMツールの顧客情報管理機能では、顧客の性別や年齢、地域などの属性情報、購入履歴(購入した日時、品物、価格など)、ビジネス活動の記録(会議の概要や対応状況など)、問い合わせの履歴などを一元的に、かつ顧客ごとに整理できます。

また、どの属性の人がどのタイミングでどの商品を購入しているかを調査するためにも使うことができ、案件の進行具合や対応状況を確認したり、アドバイスをしたり、対応が滞っている部分へ指示を出すことも可能です。

営業活動管理

CRMツールの営業活動管理機能には、自社と顧客間で交わされたやり取りを整理・管理する機能が備わっています。

訪れた回数、提供した資料や情報などの詳細、さらには顧客からの要望や依頼など、全ての情報が一元管理されます。行動記録だけでなく、顧客からの要求とそれに対する応答内容も重要な情報となり得ます。

データ分析機能

CRMツール内に蓄積された情報を基に、必要に応じてさまざまな視点から情報を整理・抽出し、解析の結果を表とグラフを交えた可視化データとして表示することが可能です。

どのデータをどのような視点で見て、どのような形式で表示するかをあらかじめ設定しておけば、必要な解析結果を即座に視覚化できます。

また、AIで今までの動向を分析し売り上げの予測を作成する製品も存在します。現在の目標達成度や将来の見通しをリアルタイムで計算することも可能となります。

マーケティング支援機能

CRMツールには、ECサイトなどから取得した顧客情報を一元化しマーケティング活動を支援する機能が備わっています。年齢や性別、居住地、購入履歴などの情報を一元管理し、解析することで、顧客の必要性に応じたアプローチや情報提供が可能となります。

近年では、CRMツールに集約された顧客情報を基にメンバーシップのレベル変動や商品購入の可能性をスコアリングし、ターゲットごとに適切なマーケティング施策を推奨するAIソリューションも登場しています。

CRMツールを導入するデメリット

CRMツールを導入することで、以下のようなデメリットも発生するため注意が必要です。

コストが発生する

CRMツール導入の際には、導入の初期費用と月額の運用コストが発生します。費用はアカウントの使用数や利用する機能、サービスの提供企業により変わりますが、BtoBビジネスの場面では数万円から数十万円という大きな金額になることもあります。

また、追加的なオプション機能を使用する際には更に費用が発生するサービスもあります。自社が必要とする機能や予算を事前に確認し、サービスを選択する際には予想外のコストが発生しないように注意しましょう。

適切な操作方法を取得する必要がある

CRMツールの運用に際しては、専門的なシステム管理者を配置し、他のシステムとの連携やデータ入力手順、分析レポートの作成方法などを整備する必要があります。

また、CRMの運用過程で発生する改善点も常に営業チームからフィードバックを受けつつ、それをシステムや手順へと反映させるPDCAサイクルを継続的に回すことが重要です。

CRMの運用最適化は多くの人々の参加と日々の改善、整備を通じて実現されるものです。短期間で完全な運用体制を構築・確立させることは非常に難しいでしょう。

社内セキュリティを強化する必要がある

顧客情報をシステムで管理する以上、情報漏えいや人為的なミスなどのリスクに対して最大限の注意を払わなければなりません。

オンプレミス型は自社でサーバーを運用して社内ネットワークを使用するため、一般的にセキュリティが強固ですが、クラウド型はパソコンやスマートフォンからでも、ブラウザがあればどこでも接続可能であるため、セキュリティ対策も重視されます。

セキュリティが堅牢なシステムを選ぶことはもちろん、各社員に対する情報セキュリティの教育やID・パスワードの管理を徹底させる必要があります。

効果が出るまでに時間がかかる

CRMツールの運用を始めてからその効果が具体的に感じられるまでには、数ヵ月の時間が必要です。その理由は、社内での運用が定着し、データが蓄積され、そのデータが施策に反映されるまでには時間がかかるためです。

持続的に運用を続ければ、管理体制が社内で固まり、蓄積されるデータの質が上がって、実際の営業活動や経営戦略に有効活用できるようになります。そのときになって初めてCRMツール導入の効果を実感できます。

したがって、CRMツール導入の効果は中長期的な視点で評価する必要があります。直近のコストだけを基に判断すると導入失敗につながる可能性があるため注意が必要です。

CRMツールを選定するポイント

【2024年版】CRMツールを比較!機能や注意点、選定ポイント
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

CRMツールを選定する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

導入目的が明確になっているか

導入目的が明確であれば、全員が共通の認識を持ってツールを運用できます。共通認識が欠けている場合、ツールを何のために使用するのかが曖昧になり、その結果ツールを十分に活用できなくなる恐れがあります。

導入する目的がはっきりしていれば、それに適した製品を選ぶことができます。ときにはCRMよりもSFAやMAといったツールのほうが適している場合もあるでしょう。自社が抱える経営課題に対してCRMが最良の解決策であるかどうかを確認することも重要なポイントです。

無料トライアルはあるか

無料トライアルはCRMツールの使用感を確認するのに大いに役立ちます。CRMツールの多くは無料トライアルが提供されています。自社の要望に合わせて必要な機能や料金プランを選び、計画的に活用しましょう。

トライアルを利用すると、その途中で必要な機能や不必要な機能などに気づくこともあります。導入ミスを避けるためにも、無料トライアルを用いた模擬運用は必要不可欠です。

ただし、無料トライアルには期間が設けられているため、その期間が終わると有料プランへの切り替えを選ぶか決める必要があります。有料プランへ移行しない場合はデータが消えてしまう可能性もあるため、トライアルの終了日時を確認しておくことが大切です。

他のシステムとの連携性はあるか

CRMツールの中には、MAやSFAといった他のツールと連携可能なものも存在します。連携可能な製品を利用すれば、それぞれの顧客に対して全ての接触点で情報を共有し、統一的な対応を行うことが可能となります。

例えば、コールセンターなどで用いられるCTI(電話統合システム)とCRMを結びつけると、顧客からコールセンターに電話が入るだけでCRM内の顧客情報が引き出せるなどの連携が実現します。

オペレーターが電話に応答する際は既にスクリーン上に顧客情報が表示されているため、電話で顧客情報を聞き出す必要がなく、短時間の電話サポートが可能となります。

無理のない料金プランで利用できるか

CRMツールの大部分はクラウド型サービスとして展開されており、その料金体系はユーザー1人あたりの月額制が主流となっています。最初に1つのチームで小規模なスタートを切り、運用の知識を得た後に全体に展開するというアプローチが望ましいでしょう。

また、各製品にはさまざまなオプションや追加機能が用意されています。これらを追加していくと費用も増加しますので、自社にとって何が必要か、どの程度の予算を設定できるかを見極めながら選択していくことが大切です。

さらに、データ分析をシステムアナリストに依頼した場合は直接的な費用が追加で発生しますし、社内で行う場合でも人件費がかかりますので、これらの要素も考慮しながら全体的な判断をしましょう。

注目のCRMツール11選を比較紹介

ここでは、2024年も引き続き注目されることが想定される代表的なCRMツール11選を紹介します。

Salesforce

導入価格要問い合わせ
主な機能営業活動情報の記録、営業活動の進捗とタスクの管理、売上予測、目標と達成率の管理、売上分析やレポートの作成、営業テレワークなど
トライアルの有無30日間の無料トライアルあり
外部ツールとの連携あり
※2023年11月時点の情報です

Salesforceは、顧客の管理から営業の支援、案件の追跡、見積もりの管理、企業内のSNS、B2Bのマーケティング、収益の予測など、さまざまな機能を備えたSFA・CRMシステムです。効果的な営業活動の進行、売上の予測精度の向上、社内コミュニケーションの活性化、コールセンターの生産性及び顧客満足度の向上を促進します。

Salesforceでは、取引の活動記録、主要な連絡先、顧客とのコミュニケーション、取引先に関する社内討議など、顧客に関する全ての情報を一括管理できます。企業の資産とも言える顧客情報は高度なセキュリティで保護されています。

また、営業支援機能としては取引先や商談の管理、営業日報、案件管理などがあり、適切なタイミングで各種デバイスからアクセスできます。商談管理や案件管理にツールを使用することで状況をすぐに確認できるほか、取引額、競合先、現在のフェーズなど、案件に関する重要な情報を簡単にチェックできます。

さらに、社内情報共有のSNS機能があり、いつでもどこでも社員全員が必要なファイルやデータにアクセスできます。これにより、時間や場所に縛られない働き方が可能となります。メンバーの交代があっても過去の情報共有ログでやりとりを参照できます。

見積もり管理機能では、過去の案件に基づいて素早く見積もりを作成できます。最新の情報を反映した見積もりを迅速に作成し、商品の数量、標準価格、見積価格、商品コードなどを管理。売上金額や数量のリストを作成し、これを基に支払い期限や納期を設定できます。

B2Bマーケティングツールでは、営業支援システム(SFA)と一体化したマーケティングで見込み客を増やす機能が提供されています。見込み客発掘ツールを使用すれば、常にホットな見込み客だけが営業チームに供給されます。

売上予測機能では、チーム全体の売上予測をリアルタイムで確認できます。売上予測の調整や、管理するチーム全体の上書き状況もチェック可能で、売上予測のカテゴリごとの集計により、担当者もマネージャーも注力が必要な部分を簡単に把握できます。

Microsoft Dynamics 365

導入価格~21万2,500円
主な機能基幹業務(財務会計、販購買、在庫管理、生産管理)、営業やマーケティング、カスタマーサービス(コールセンター業務)、フィールドサービス(保守業務)で使える機能が標準装備
トライアルの有無30日間の無料トライアルあり
外部ツールとの連携あり
※2023年11月時点の情報です

Microsoft Dynamics 365は、マイクロソフトが提供する一連のビジネスアプリケーションで、企業の成長を加速させる目的で作られています。CRMとERPの機能を併せ持つこのシステムを利用すれば、潜在的な顧客の探し出しから顧客管理、売上の計上から入金、さらにはサポートまで、あらゆる業務をカバーできます。自社の要件に合わせて段階的に導入できるフレキシブルなライセンスが提供されているため、CRMからスタートしたいという企業でも追加拡張が可能です。

マイクロソフトが提供する「モダンワークプレイス」「ビジネスアプリケーション」「アプリケーション&インフラストラクチャー」「データ&AI」の4つの主要な領域の1つであるビジネスアプリケーションとしてのMicrosoft Dynamics 365は、CRM/ERP領域を一体的にクラウド上で提供します。その結果、拡張性、開発の柔軟性、簡単なデータ利用を実現し、業務の生産性を向上させ、迅速かつ最適な経営判断を可能にします。

Microsoft Dynamics365は各種Microsoft Officeシステムと連携可能なため、日常の業務システムとして一貫して使用でき、生産性の向上につながります。また、直感的な操作が可能なため、速やかな対応が可能となります。特に、Officeアプリと同じデザインとインターフェースを採用しているため、Officeに慣れているユーザーはよりスムーズに利用できます。

さらに、標準装備のインテリジェンス機能によりデータを活用できます。これにより、視覚的にデータを分析し、迅速かつ最適な判断を下すことが可能となります。

CRMとERPを統合・最適化することで、各部門間で情報を共有することも可能です。利用者目線の設計によって統一したユーザーエクスペリエンスを提供するほか、AI機能を搭載することで段階的な拡張も容易に実現できます。

SAP CRM

導入価格要問い合わせ
主な機能マーケティング、セールス、サービス、分析、フィールドアプリケーション、eコマース、インタラクションセンター、チャネル管理など
トライアルの有無あり
外部ツールとの連携あり
※2023年11月時点の情報です

SAP CRMは、マーケティング、セールス、サービス、解析、フィールドアプリケーション、電子商取引、インタラクションセンター、チャネルマネジメントといった機能を提供します。これにより、企業はコスト削減や意思決定力の強化だけでなく、他社との差別化を実現し、競争力を強化できます。

マーケティング機能、セールス支援、サービス/分析/フィールドアプリケーションなどの顧客管理とサービスをサポートする機能、eコマース機能、テレマーケティングやテレセールス/テレサービスを管理するインタラクションセンター機能、チャネル管理機能を1つのシステムで提供します。

エンハンスメントパッケージのコンセプトを活用すると、機能拡張が簡単にできます。加えて、マーケティング計画に基づく顧客別の提案を実際の顧客対応時にリアルタイムに計算し情報提供できるエンジンが搭載されています。さらに、モバイルとの連携により現場業務の改善や実行までのサイクル短縮化を実現するなどし、迅速な対応を可能にします。

また、マーケティングプランニング、キャンペーン管理、リード管理、マーケティング分析、顧客セグメンテーション、パーソナライゼーション、プロモーション管理といった機能を通じて、マーケティング活動の効果を向上させます。

見込み顧客の特定から案件・活動管理、日報や見積もりの自動作成まで、販売サイクル全体をカバーするセールス支援機能を備えています。

Zoho CRM

導入価格30万円~
主な機能顧客管理、営業支援、マルチチャネル、営業分析、カスタマイズ、マーケティングオートメーションなど
トライアルの有無あり
外部ツールとの連携あり
※2023年11月時点の情報です

Zoho CRMは、グローバルIT企業である「Zoho Corporation」が手がけるCRM/SFAツールとして知られています。顧客の実名やメールアドレスなどを保管、管理するだけでなく、顧客情報を商談情報と関連付けて営業支援の一環として利用したり、顧客情報を利用したキャンペーンメールの送信などといったマーケティング活動を行うことも可能です。

パソコンにインストールする形式ではなく、インターネットブラウザを通じて情報を取り扱うクラウド型ソフトウェアで、初期費用は0円からスタート可能です。導入実績は全世界で25万社超となっています。

Zoho CRMでは、法人・個人を問わず、顧客の実名、メールアドレス、電話番号などの基本情報はもちろん、商談情報や購入・契約した商品・サービスの情報を全て関連付けて管理することが可能です。購入・契約前を「見込み客」、購入・契約後を「企業顧客」「個人顧客」と分けることで、シンプルに管理できます。

Zoho CRMは、営業担当者の活動をサポートする役割も果たします。担当者の割り当てや電話対応、製品デモ、見積もりなどのシーケンスを記録しておけば、その流れに従ったタスクがZoho CRMの画面に表示されます。これにより、漏れのない対応が可能です。また、現在の商談進行状況や売上の見込みなどを視覚化するレポート機能も備えており、レポート作成にかかる時間を短縮します。

また、商品やサービスに関心を示す見込み客を購入・契約に導くマーケティング活動を自動化することも可能です。例えば、Webサイトの価格情報ページを閲覧したり、ウェビナーに参加したりするなど、購入を検討しているリードをスコアリングできます。そして、特定の段階まで進んだリードに対しては、より効果的なメールを送信するような設定もできます。

Freshsales

導入価格0円
主な機能顧客情報管理、メール管理、CTI機能、顧客の行動履歴の追跡・保存など
トライアルの有無21日間の無料トライアルあり
外部ツールとの連携あり
※2023年11月時点の情報です

Freshsales CRMは豊富な機能を備えたクラウドベースのSFAです。CRMとしての働きを持ちつつ、マーケティング自動化の機能など、幅広い役割を果たします。特筆すべきは、収益に寄与する可能性が高い見込み客に焦点を当てることが可能な、パイプライン分析機能を備えたフレディAIです。

Freshsales CRMは、営業とマーケティングの両チームに統一したシステムを提供し、情報共有や組織の連携を強化します。さらに、AI搭載のチャットボットによりリアルタイムでWebサイト訪問者とコミュニケートすることも可能です。これにより、顧客とのエンゲージメント向上と既存顧客の育成が可能になります。

電話とメールの機能がデフォルトでシステム内に組み込まれており、1つの操作画面からターゲットに電話をかけたりメールを送ったりできます。コミュニケーションの全過程がシステム上で行われるため、すべての会話内容がログに自動的に記録され、データ入力なしで販売活動に全力を注ぐことが可能です。

購入や契約につながる可能性が高い見込み客の行動は、システムが自動的に検出します。リードスコアとして表示されるので、担当者はすぐに行動を起こせます。その見込み客が何を必要としているのかを素早く把握し、適切な会話のシナリオを即座に作成することが可能です。これにより、顧客に対してスムーズなガイダンスを提供できます。

システムを通じて送信したメールの動向は、リアルタイムで担当者が確認できます。メールが開かれたりリンクがクリックされたりしたときに通知が送られるので、顧客に対して迅速なレスポンスの提供が可能です。また、どの顧客がどの商品に最も興味を持っているかを特定することも可能で、見込み客に最適な情報を高い確度で素早く提供できるようになります。

Bitrix24

導入価格要問い合わせ
主な機能コラボレーション、CRM、タスクとプロジェクト、コンタクトセンター、サイトとショップ、HRとオートメーション、インテグレーションなど
トライアルの有無30日間の無料トライアルあり
外部ツールとの連携あり
※2023年11月時点の情報です

Bitrix24は、Bitrix社が手掛けたアメリカ発の高機能な業務改善ツールであり、その導入実績は世界規模に及びます。オープンソースコードに対するアクセスが可能で、それにより自社ニーズに合致したソフトウェア改善が行えるというメリットがあります。

Bitrix24はグループウェアとしての機能を備え、多岐にわたる業務効率化を実現します。特筆すべきは、業務の可視化と自動化によって作業状況を一目瞭然にしながら余計な手間を排除できることです。

Bitrix24のチーム協働機能では、「社内掲示板」や「チャット」「ビデオ通話」など多様なコミュニケーション手段を提供します。これにより、業務の内容や時間帯によって連絡方法を適宜選択し活用できます。

また、Bitrix24は知識の生成・共有にも対応しています。テンプレートを基にした知識の作成が容易で、プロジェクトや部署ごとに詳細な設定で共有先を選べるため、情報資産としてのノウハウを蓄えることが可能です。

さらに、取引の詳細をリアルタイムで確認することも可能です。リードスコアリング機能を用いれば、優先的に取り組むべき見込み客をセールススタッフが確認できるため、人材リソースを有効に活用できます。

Vtiger CRM

導入価格要問い合わせ
主な機能案件管理、商談管理、見込み客管理、マーケティング分析など
トライアルの有無30日間の無料トライアルあり(申し出によって最大3ヵ月まで延長可能)
外部ツールとの連携Zapierを使用して外部ツールとCRMを統合
※2023年11月時点の情報です

Vtiger CRMは、30万社以上から信頼を寄せられるクラウドベースのSFAとして知られています。使い心地の良いUIと高速な処理能力がその信頼の理由です。

また、微積分AIエンジンを搭載した拡張機能も特徴で、組織の業務効率アップに寄与します。データ検索の代わりに関連情報を提示するなど、便利な機能も含まれています。

モバイル対応はiOSとAndroidの両OSに対応しており、スマートフォンの活用を推進。音声を用いたメモや名刺のスキャン機能も活用できます。これらの情報は自動的にシステム上に保存され、営業活動後のデータ統合作業は不要です。これにより業務の効率化が図れます。GoogleやMicrosoft365など500以上のビジネスアプリケーションとの統合が可能な連携機能も装備しています。

このSFAは、初心者でも容易に扱えるよう、洗練されたユーザーインターフェースを提供しています。ナビゲーションのルートが明確に設計されており、素早く必要な機能を見つけ出し、高いパフォーマンスを維持することで、レスポンスの遅れやシステム負荷による操作不能などの問題を回避します。

顧客に対するヘルプデスク機能は一元化されているため、別々のシステムを併用する必要性を排除します。メール、電話、チャット、Webフォームなど、多岐にわたるチャネルからカスタマーサポートを提供し、多様な状況での高品質サポートが可能です。対応者へのアラート通知により迅速な対応も可能になります。

HubSpot CRM

導入価格0円
主な機能顧客情報収集・管理、顧客とのコミュニケーション支援、SNS広告など
トライアルの有無14日間の無料トライアルあり
外部ツールとの連携あり
※2023年11月時点の情報です

HubSpot CRMは、BtoBもしくはBtoCの企業が無料で使用できるCRMツールです。顧客の購入記録や個別情報、アクセス状況やメール開封、商談の詳細、取引内容など、顧客に関する豊富な情報の収集と管理に必要な基本的な機能を有しています。

さらに、HubSpot CRMは複数の「Hub」というツールを組み合わせた一括化されたツールとしても機能します。自社のビジネススタイルに合致した最適なプランを選ぶことができ、部分的な使用も可能です。

また、1,160以上のサービスとAPI連携が可能なため、データの追加や機能のカスタマイズも直感的にでき、ITに詳しくない人でも容易に使用できます。無料で利用可能なことを踏まえると、導入ハードルは低いといえるでしょう。

一般的なエンタープライズソフトウェアでは、ユーザー、データ、プロセスの拡大に伴い利便性が落ちる傾向にありますが、HubSpotを使用すれば、快適な使い心地のままエンタープライズ向けの高機能性を享受できます。さらに、開発や連携の設定に何ヵ月もかかることなく、企業の成長段階に応じたカスタマイズが可能です。

Pipedrive

導入価格要問い合わせ
主な機能セールスソフトウェア、メールマーケティングソフトウェア、プロジェクト管理ソフトウェア、Web訪問者の追跡、ドキュメントのテンプレート作成、リード生成ソフトウェアなど
トライアルの有無14日間の無料トライアルあり
外部ツールとの連携あり
※2023年11月時点の情報です

Pipedriveは、Mer社が提供するCRMツールです。179ヵ国で10万社以上が利用しています。高度なセキュリティ対策が取られているのが特徴で、セキュリティダッシュボードでは、ユーザーのデータへのアクセス方法や場所、時間などを確認できます。

さらに、不審なユーザーやアカウントの活動をすぐに検知でき、ユーザーごとにアクセス制限を設定することもできます。データは暗号化されて安全に保管され、日々バックアップが取られるため、万が一のデータ消失にも対応できます。

Pipedriveは、従来のCRM/SFAが抱える「使い続けるのが難しい」という問題を改善すべく、営業担当者の視点で再設計されたCRMプラットフォームです。直感的に操作できるため、あらゆる場面で営業担当者の活動を支援し、組織全体の生産性を向上させます。

また、コードを書くことなく環境を設定できるため、自社のワークフローに合わせた最適なシステムを自社内で構築できます。

Pipedriveは250種以上の外部サービスと連携が可能で、自動化機能を用いた定型的な業務を自動で実行できます。提案書や見積書、契約書の自動生成、アラートの発信、内部へのチャット通知などがツールから行えるため、営業担当者の時間短縮に貢献します。

Zendesk

導入価格0円
主な機能チケット管理、メッセージングとチャット、ヘルプセンターの構築、電話サポート、アナリティクスなど
トライアルの有無14日間の無料トライアルあり
外部ツールとの連携あり
※2023年11月時点の情報です

Zendeskはクラウドベースのカスタマーサポートソフトウェアで、全世界160ヵ国以上、10万社を超える企業が活用しています。日本国内では、スタートアップから大手企業まで幅広い企業で導入されています。

Zendeskの特徴は、問い合わせを「チケット」という単位で管理し、それによって顧客対応を効率化できることです。顧客からの問い合わせを「チケット」として扱うことでチーム内での共有が可能となり、顧客は自分が選んだ方法でいつでも問い合わせをすることができます。

Zendeskの統合チケット管理システムには、ヘルプデスクや顧客対応の業務をスムーズに進めるための機能が豊富に備わっています。問い合わせのチャネル(メール、チャット、電話など)にかかわらず、すべての問い合わせが1つの画面に集約されるため、顧客の管理や進捗が一元的に把握できます。これにより、対応が漏れていないかをスムーズに把握できます。

Zendeskのエージェントワークスペースは、サポート担当者が顧客対応を行う画面がより使いやすく設計されています。顧客から返信があった場合には即座に担当者に通知され、顧客がチャットで応答を入力している間もその内容を確認できます。

コラボレーションツールは、さまざまなツールとの連携や社員間のコミュニケーションを支援します。また、担当者を招待してチームを組むことにより、グループチャットのようなコミュニケーションを取ることも可能です。これにより、顧客からの問い合わせへの対応がスムーズになります。タスクやプロジェクトを共同で進めることも可能です。

SugarCRM

導入価格0円
主な機能顧客管理、商談管理、マーケティング、帳票、サポート、ドキュメント、グループウェア、ワークフローなど
トライアルの有無あり
外部ツールとの連携あり
※2023年11月時点の情報です

SugarCRMは、アメリカの企業、SugarCRM Inc.が開発したCRMツールです。全世界で1万社以上の企業が採用しており、無償版はコマーシャルオープンソースとして1,100万件以上ダウンロードされています。クラウドホスティングからコンサルティング、カスタマイズ、データ移行、トレーニングまで、全面的なサポートを提供しています。

SugarCRMは、顧客管理や商談管理といった基本的なCRM機能をはじめ、マーケティング、レポーティング、支援、ドキュメンテーション、コラボレーション、ワークフローといった多様な基本機能を備えています。さらに、データの連携やカスタマイズ機能も利用できるため、顧客のニーズに合わせて使用できます。

基本的な顧客情報や営業担当者情報、日々の営業報告、電話問い合わせ情報、Webサイト問い合わせフォームからのコンタクト情報など、多種多様な顧客関連情報をスムーズに集約できるため、営業活動の効率化や見込み客の発見、成約率・維持率の向上など、多大なメリットが得られます。

マーケティング面では、一元化された情報を基に顧客のセグメンテーションを自動的に行い、それをチャートやグラフで可視化できます。また、ユーザーが個別にデータ抽出の設定を行ったり、指定したレポートを周期的に指定したユーザーにメール送信したり、アラート表示したりすることも可能です。これにより、営業担当者、管理者、経営層など、各部門で必要な情報を最適化し、自動出力できます。

さらに、潜在的な案件の発見やアプローチが必要な顧客の洗い出しが容易にできるため、売上の回収や顧客満足度の向上なども実現できます。

カスタマーサポートの観点からは、従来は担当者のみで管理されていた問い合わせや対応情報を、SugarCRMを通じて一元的に管理できます。これにより、サポートケース管理、問題の追跡やアサイン状況、対応状況などを組織全体で共有できるようになります。これらの情報を一元化し、簡単に利用できるようにすることで、効率的かつ効果的なサポートが可能となり、顧客満足度の向上とさまざまなリスクの回避が実現します。

SugarCRMはソースコードがオープンソースとして公開されており、SOAPやREST、CSVファイルやEmail、Office文書などのインポートやエクスポートにも対応しています。そのため、既存システムやBI、ERP、CTIなどとの連携、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアとのリアルタイム連携にも対応しています。

CRMは現代のビジネスに欠かせないソリューション

CRMツールとは、企業が顧客との関係を効果的に管理するためのシステムです。その目的は、顧客満足度や信頼度を高めて売上を増加させ、企業の収益性を向上させることにあります。

現代社会では、インターネットやソーシャルメディアの普及により、情報を容易に手に入れられるようになりました。それによって消費者のニーズや価値観が多種多様に広がったことから、各顧客のニーズを詳細に理解し、それに応じた対応をとることが求められています。

CRMツールは、顧客情報の管理だけでなく、顧客分析やマーケティング支援、カスタマーサポートなど多様な機能を提供し、既存顧客との関係を維持するのに役立ちます。現代のビジネスに欠かせないソリューションとして、今後も需要は高まり続けるでしょう。

CRMツールの導入を検討される際は、ぜひこの記事の内容を参考に、自社の目的に合ったツールの選定を進めてください。

(提供:Koto Online