1962年6月 静岡県に生まれる
1985年3月 金沢大学経済学部卒業
1985年4月 株式会社静岡銀行入行 静岡県内店を複数経験した後、大阪支店にて大企業取引を経験。
その後、ベンチャーキャピタル業務を行う子会社に出向。
2002年9月 静岡銀行退職
2006年8月 当時マザーズ上場企業の取締役に就任。その他、海外子会社などの董事など兼任
2008年8月 同社取締役退任
2008年10月 上場卸売企業に入社。
のちに管理本部長就任(2012年1月同社退職)
2012年2月 中国国内の病院に対するITシステム開発会社の取締役に就任 2014年2月 同社代表取締役就任
2014年7月 アルムメディカルサポート株式会社取締役執行役員就任
2022年4月 同社 代表取締役社長就任(現任)
1991年の設立以来、安全・品質・生産性向上という基本を大切にしたモノづくりで、間接的にではありますが医療業界に貢献してまいりました。
現在、従業員数1,600名ほどに成長し、その多くが山梨県と静岡県にある製造請負事業所にて医療機器・医薬品の生産活動に従事しております。
これまでの変遷と自社の強みについて
我々は医療器具や医薬品に特化した製造請負として、甲府地区に始まり、徐々に静岡県内にも事業領域を拡大してきました。先代のオーナーが、他事業と分離し、医療器具の請負に特化していた当社をM&Aにより大手企業へ売却、大手企業の傘下に入ったことで、現在は、幅広い事業領域へのチャレンジができるような体制になりました。
当社の強みは、医療器具製造請負の領域に特化したことで習得した、医療器具や医薬品の製造において重要とされる「安全」「品質」「納期」を高い水準で提供するための組織体制や文化があることだと考えています。我々の業界は専門的な知識やスキルを要することから採用の難易度が高いため、組織体制や採用体制の構築には同業他社に比べて早くから力を入れてきました。また、現在は、一度当社に入ってくれた人材がしっかりと定着し活躍してくれることをテーマに取り組んでいます。加えて、安定した雇用を実現するために長期的に財務体質の改善を図ってきており、2021年に無借金化を達成したことも強みとなっています。
過去の成功実績やブレイクスルーについて
過去には借入金が増加し、経営の自由度が失われた時期がありましたが、利害関係者との良好なコミュニケーションを通じて、ローコストオペレーションとサービス品質の維持という二つの課題を解決してきました。日ごろお客様に対応する現場に対するご評価が、ステークホルダーを含め多くの方々にサポートしていただけた要因と思っています。そのような時期を乗り越え、徐々に利益体質と財務体質を改善したことで、低コストでの運営が可能になり、借入金の完済につながりました。
また、当社が直面しているもう一つの課題が人材の確保と育成です。これに対してはIT化を推進し、各事業所での「安全」「品質」「納期」を最優先としつつも、売上と経費の管理を徹底することで、社員の利益意識を高めています。これらの取り組みによって従業員も安心して働けるような会社になってきたと思っております。
企業と地域社会との関わり方や理想の姿
本社のある静岡県三島市は、かつてのオーナーが住んでいた地域であり、地元の方々との密接なつながりを持っています。そのような背景もあり、当社は昔から地域社会との関わりを大切にする文化がありました。また、多くの従業員が就労させていただいている、工場近辺の地域住民とのより良い関係を築くため、清掃活動や交通安全活動などに積極的に取り組んでいます。
企業は活動を発信し、地域のニーズに対応していくことで、地域からの理解を得られ、その地域での雇用を生み、地域全体にプラスの影響を与えていくべきだと考えています。
地域との関わりにおける取り組みについて
私たちは地域の方々に対し、研修センターやお仕事相談センターを見学していただくことで、我々がどのような事業や仕事をしているのかを発信し、理解してもらうだけでなく、地域のニーズにも答えられるように活動しております。また、我々は地域を代表する工場から製造を請負っている会社で、県内外から就労希望者を募っています。そのため、引っ越ししてくる社員に対し、地域に社員向けの寮を整備したり、社員寮からの自立をサポートする新生活支援キャンペーンや、家賃補助を支給するなどの活動を行っています。
これらは雇用した方々がこの地域に長く住んでいただく環境を整備することが、地域の活性化につながり、また、従業員への還元となると考えています。
思い描いている未来構想と、それに向け取り組みたいこと、もしくは取り組もうとしていること
製造を請け負える製品や領域の幅を拡大することや、関連事業で新たな事業を立ち上げることにより、当社の事業を拡大することで、地域の製造業の拡大に寄与し、当社従業員の雇用の安定化につながればと考えています。
また、組織面では現在、海外人材との協働という新たな挑戦を始めています。中国などのアジア諸国を中心に採用を行い彼らの育成制度を整えることで、製造業界の人材不足の解消と、人材における競合優位性を確保していきたいと考えています。これはまだ始まったばかりの取り組みであり、大規模には行っていませんが、これを我々の未来の事業の柱の一つにしていきたいと思っています。
- 氏名
- 石神成夫(いしがみ しげお)
- 会社名
- アルムメディカルサポート株式会社
- 役職
- 代表取締役社長