総括
FX「ドルとともに弱い。ドル主軸のバスケット制度の特徴」人民元見通し
(通貨8位、株価19位)
予想レンジ 人民元/円19.7-20.2
(ポイント)
*ドルとともに弱い。ドル主軸のバスケット制度の特徴
*最優遇貸出金利を据え置き
*経済指標は改善
*2024年成長見通しは5%、中央経済工作会議
*今年も中国の株価は上昇せず
*2024年は積極的な財政政策と慎重な金融政策
*12月特有の円高で下落
*11月貿易収支、輸出が6カ月ぶりに増加
*デフレか、11月の消費者物価
*碧桂園はデフォルト回避の方向
*シェイン上場か
*格付見通し下方修正 ムーディーズ
*イタリアが「一帯一路」から離脱
*1兆元の国債発行し景気対策へ
*米の経済制裁は続く
(ドルとともに弱い。ドル主軸のバスケット制度の特徴)
今週が2023年最終号となります。「チーファンラマ」の2024年は1月11日にスタート致します。
人民元は対円で3週連続陰線となった。今週は4週ぶりにここまで陰線だが上ヒゲが長く売り圧力を感じる。12月特有の円高と、人民元が通貨バスケット制で拠り所とするドルも弱いことから一時19円台へ下落した。
今月はここまでドルが11位、人民元が10位でドル主軸のバスケット制度の特徴が良く表れている。
(最優遇貸出金利を据え置き)
人民銀行は12月20日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を予想通り据え置いた。
1年物LPRは3.45%、5年物は4.2%にそれぞれ据え置いた。
新規・既存融資は主に1年物LPRに基づいており、5年物LPRは住宅ローン金利に影響する。インフレが大きく低下しているが貸出金利、国債金利は高い。
(経済指標は改善)
経済指標は改善した。11月の鉱工業生産は前年同月比6.6%増加し、10月の4.6%増から改善した。小売売上高は10.1%増加し、10月の7.6%増から改善した。
1-11月の固定資産投資は前年同期比2.9%増で、予想の3%増を下回った。1-10月は2.9%増だった。 これまで発表された11月の他の経済指標は景気の勢いが鈍いことを示しており、貿易統計で輸出が6カ月ぶりに増加に転じたものの、製造業者が持続不可能な値引きをしているためだと分析されている。輸入は予想外に減少した。消費者物価は過去3年で最も落ち込み、生産者物価も下落幅が拡大した。
(2024年成長見通しは5%、中央経済工作会議)
中央経済工作会議では、2024年の財政赤字目標を国内総生産(GDP)比3%とすることで合意した。経済成長率については5%前後を目指す見込みという。 財政赤字のGDP比は今年の目標(改定値)3.8%より低い。中国政府は財政規律を維持したいと考えており、来年に大規模な財政出動は予定していないことを示唆している。
テクニカル分析(人民元/円)
下げ止まるも、12月19日の長い上ヒゲで再び下落
日足、雲の下に下落、一時ボリバン3σ下限を下抜く。現在はボリバン下位。小反発も12月19日の長い上ヒゲで下落。12月19日-20日の上昇ラインを下抜く。12月18日-19日の上昇ラインがサポート。12月19日-20日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き、20日線下向き。
週足、ボリバン2σ上限から急落。7月17日週-12月11日週の上昇ラインがサポート。
12月11日週-18日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向くき上向きの20週線を下抜くか。
月足、ボリバン2σ上限から反落。今月はここまで陰線。9月-10月の上昇ラインを下抜く。4月-7月の上昇ラインがサポート。11月-12月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3年連続陽線。23年も陽線。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
今年も中国の株価は上昇せず
今年は世界の殆どの株式市場は上昇も、上海総合指数は年初来で6.06%、香港ハンセン指数は16.01%と弱い(12月20日終値)。習近平政権発足以来、株価下落に抜本対策がとられてことはない。ただ、株安の動きと人民元の動きには相関性はない。