総括
FX「人民元は安定から堅調、日本のバブル崩壊と似ている所、異なるところ」人民元見通し
(通貨4位、株価13位)
予想レンジ 人民元/円20.2-20.7
(ポイント)
*人民元円年足、4年連続陽線
*今年は4位スタート
*日本のバブルと似ている所と異なるところがある
*株価(上海総合指数、香港ハンセン)は弱い。
*23年通年の成長率は5.2%
*デフレ圧力続く
*12月の輸出は前年比2.3%増加
*MLF金利予想外に据え置き
*人口が2年連続減少
*2024年は積極的な財政政策と慎重な金融政策
*碧桂園はデフォルト回避の方向
*シェイン上場か
*格付見通し下方修正 ムーディーズ
*イタリアが「一帯一路」から離脱
*1兆元の国債発行し景気対策へ
*米の経済制裁は続く
(日本のバブル崩壊と似ている所、異なるところ)
年初来、12通貨中4位と強い。対円で、対ドルで。ドルが強調推移しているので為替バスケット制でドルの構成比が大きい人民元も強くなっている。
通貨人民元は安定しているが、株価は安く、不良債権問題も解決していない。日本のバブル崩壊とも例えられるが、大きな違いは為替では日本は大幅な円高が続いたが、人民元は安定していてやや安いといったところだ。通貨の安さを利用して輸出を伸ばすことが出来る。物価は通貨安でもディスインフレ方向なので問題がない。
問題は中国回避の動きで、正常な貿易取引が進まない可能性があることだろう。
(23年通年の成長率は5.2%)
・2023年4Q・GDPは前年比5.2%増加した。3Qの4.9%から加速したが、予想の5.3%増をわずかに下回った。 不動産危機の悪化、デフレ圧力の高まり、需要低迷が背景。市場では中国当局が近く追加の刺激策を打ち出すとの見方が強まっている。
・23年通年の成長率は5.2%で、予想と一致した。中国政府が設定した23年成長率目標(5%前後)を達成した。
・23年12月の鉱工業生産は前年同月比6.8%増加し、前月の6.6%から伸びが加速。22年2月以来の高い伸びを記録した。予想(6.6%)を上回った。自動車生産などが増加した。
・12月の小売売上高は9月以来の低い伸びとなった。また、投資の伸びも引き続き低調となった。前年比7.4%増加。11月の10.1%増から鈍化した。予想は8.0%増だった。
・失業率は12月に5.1%と11月の5.0%を上回り、雇用市場が若干悪化したことが示された。先行き不透明感が強く、企業が人員拡大に慎重な姿勢を維持している。
(デフレ圧力)
12月の消費者物価は前年比0.3%下落し、3カ月連続のマイナスとなった。生産者物価も前年比2.7%下落し、デフレ圧力が続いている。
弱い物価指標は中国の広範な内需低迷を浮き彫りにしており、当局はデフレマインドが定着する可能性を引き続き警戒している。
(12月の輸出は前年比2.3%増加)
12月の輸出は前年比2.3%増加。11月(0.5%増)から加速、輸入は0.2%増で11月(0.6%減)からプラスに転じた。輸出の予想以上の伸びに最も寄与したのは半導体と電子関連だ。貿易収支は753.4億ドルの黒字。
12月の対米貿易黒字は273.1億ドルで、11月の298.1億ドルから縮小した。
(MLF金利予想外に据え置き)
人民銀行は1月15日、1年物中期貸出制度(MLF)を通じて金融機関に9950億元を供給し、流動性支援を強化した。ただ、金利は市場の引き下げ予想に反して2.5%に据え置いた。
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン2σ上限まで戻す。雲の上へ
日足、雲の上に浮上ボリバン2σ上限まで上げる。1月16日-17日の上昇ラインがサポート。11月27日-1月17日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン3σ下限から反発、中位を上抜く。1月1日週-月17日週の上昇ラインがサポート。11月27日週-1月2日週の下降ラインを上抜く。5週線上向く。20週線上向き。
月足、ボリバン2σ上限から反落も中位を維持し上昇。7月-12月の上昇ラインがサポート。11月-12月の下降ラインが上値抵抗。
年足、4年連続陽線。ただ23年は22年の高値を上抜けず。22年-23年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
人口が2年連続減少
2023年末時点の総人口が14億900万人となり、2年連続で減少した。前年末は14億1175万人。
出生率の低下と、新型コロナウイルスを封じ込めるゼロコロナ政策解除を受けたコロナ関連死の急増が背景にあり、人口減は中国経済の潜在成長力に長期的に深刻な影響を及ぼすとみられている。23年の人口は208万人(0.15%)減少し、減少幅は22年の85万人を大きく上回った。 死亡者数は6.6%増の1110万人。 出生数は5.7%減の902万人。
中国の23年の60歳以上人口は2億9697万人となり、22年の2億8004万人から拡大し、総人口の約21.1%を占める。