1973年生まれ。1997年に東京工業大学工学部を卒業し、代表川田と共に、1999年に有限会社オロを設立し、取締役に就任。エンジニアとしても事業を推進。 2009年よりコーポレート本部長、ベトナム法人設立を経て、上場準備のため帰任。 2017年3月に東証マザーズ市場へ新規上場し、2018年3月には東証一部指定。その後、2022年4月4日より東証プライム市場へ移行。
目次
現在までの事業変遷について
株式会社オロは、代表の川田と私と退任した藤崎という三名の同級生が集まり、1999年に創業した会社です。
最初の仕事は、受託開発でお客様の依頼に基づいてソフトを作ることであったり、スポットでご依頼いただいたウェブサイトの制作を行うことでした。 創業期のこれらの仕事がそれぞれ発展し、私たちの2つの主力事業に繋がっていきました。
1つ目の受託開発の事業については、最初にご依頼いただいたいくつかの案件で得たノウハウをもとに、自社でソフトウェアとして組み上げて、現在もクラウド事業の主力製品となっている「ZAC」という製品をリリースしました。 この製品自体は、ウェブベースでクラウド型のソフトウェアということで当時は非常に珍しいものだったのですが、その後のクラウドやSaasのブームがきたこともあり、2013年頃から急激に成長することができ、2017年に東証のグロース市場、2018年にプライム市場に上場することができました。
2つ目のウェブ制作の事業については、現在のデジタルトランスフォーメーション事業(以下、DX事業)に発展しました。 こちらも非常に幸運なことに、イオン様から、全国にイオンモールがたくさん立ち上がる中でのウェブサイトの制作を一括でご依頼いただくことができました。さらに、2019年頃には日産自動車様からもお仕事をご依頼いただき、現在はこの2社だけで、DX事業の売り上げの6割ほど占めています。
私たちは現在、この2つの事業を柱に経営している企業です。
2つの事業における相乗効果について
これは投資家の方からもご質問をいただくことが多いのですが、ターゲットが全く違うためセールスの観点ではあまりシナジーがないのが実状です。
一方で、社内においては、いずれの事業もウェブベースの技術で成り立っている事業なので、エンジニアの人材をどちらの事業も同じように教育できる点や、働くエンジニアにとっても幅広い経験や技術が身につく環境です。そのため採用の面でも強いシナジーが生まれています。
さらに、DX事業はナショナルクライアントのお客様が多く、サービスに要求される水準が非常に高いので、ウェブサイトはかなり洗練されたものを提供しております。 この技術をクラウド事業のソフトウェアや、社内業務システムに技術展開することで、ソフトウェアの競争力が確保できています。
貴社における日野様の役割について
私は創業期からこの会社や社長と長い間、深く関わってきたので、社長も含めて全社に対し忖度なく意見を伝えられるということが一番の役割だと思っています。
また、私はエンジニアとしてキャリアをスタートしたのち、海外支社の立ち上げや、上場準備期間の証券会社や監査法人との対応など、幅広い業務を経験しています。 創業メンバーの一人でもあるので、社員数が少ない頃は、営業やマーケティングであったり、経理や総務など経営における業務は一通り経験しておりますので、各部門で出てくる課題や、それぞれの立場からの意見を汲み取ることも私の役割だと感じています。
また、経営において大事にしていることは経営理念です。 創業当初メンバーと一緒に将来どんな会社にしたいのかを話し合って定めたものです。 企業が拡大し、成長していく中で、この経営理念からぶれずにしっかり守り続け成長していくことを大事にしています。
日野様の思い描いている御社の未来構想について
東南アジア中心に拠点を広げ、海外へサービスを展開することが、今後5年ほどのミッションだと考えています。これは私たちが掲げる、世界に誇れるものを作りたいという経営理念にも繋がっています。
これまでは、国内向けに、中小企業では手が出せないほど高価であった統合型ERPソフトをクラウドで提供することで、比較的リーズナブルな価格での提供を実現し、1400社ほどの企業様にご利用いただいています。次はこの技術やサービスを海外へ展開していきます。
また、そのために人材面でも国際化、ダイバーシティインクルージョンをより一層進めていく必要がありますので、人材の育成や採用にも力を入れていきます。
難しいチャレンジにはなりますが、大きな成長が得られる新しい市場にチャレンジしていくことが、直近の目標です。
貴社営業戦略について
基本的なことではありますが、リードの獲得の部分に責任を持つマーケティングチーム、リードから契約に結びつけるセールスチームというように、各フェーズごとに責任をはっきりと分けることが重要だと思っています。 そのうえで、それぞれのKPIを定め、その数値と差分がでたら、その原因を徹底的に深掘り、仮説を立てて一つ一つ潰していくというサイクルです。
販売チャネルについても、これまではダイレクトマーケティングが全体の8割を占めていましたが、より成長するために代理店を使ったリードの創出にチャレンジしています。まだ試行錯誤している段階ではありますが、今後大きな成果に繋がっていくと考えています。
私たちはこれまで、限られた予算の中でどうやって成果を上げていくかということを考え続けることで、一歩ずつ着実に成長してきた会社なので、地道にコツコツという文化があります。 もちろん、大きな成長を目指すことは大事ですが、簡単な近道はないと思いますので丁寧にPDCAを回して成果が上がる場所に資金を投下して成長を描いていきます。
ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言 など
私たちの市場における立ち位置としては、投資家様の期待以上の成長を求められるグロース銘柄であると捉えていますので、期待以上の成長を短期だけではなく、中長期で達成する必要があると考えています。
そのために、今後も小さく縮こまるのではなく、大きな成果を目指すためにチャレンジしていく所存です。ただ、もちろん投資家様から頂いた資金で活動している上場企業ですので、しっかりとコンプライアンスを強化しながら、今以上に安心してご投資いただけるような会社になるために努力して参ります。
- 氏名
- 日野 靖久(ひの やすひさ)
- 会社名
- 株式会社オロ
- 役職
- 取締役専務執行役員