レクサス初のBEV専用モデルとして誕生した「RZ」。そのライバルとなるのが日産のフラッグシップBEVとなる「アリア」です。この2台を徹底比較してみます。文・鈴木ケンイチ/写真・PBKK

「RZ」と「アリア」のラインナップ

レクサスRZ
(画像=「Car Me」より引用)

「RZ」はレクサス初のBEV専用モデルとして、2023年3月に誕生しました。一方、日産の「アリア」は2020年7月に発表され、販売は2022年よりスタートしています。

「RZ」は4WDモデルの「RZ450e」が先に登場し、2023年11月にFFモデルの「RZ300e」が追加されています。一方、「アリア」も先に4WDモデルから発売されFFモデルが後に登場しています。ただし、「アリア」は4WDモデルの注文がすぐに終了してしまい、現在のところFFモデルの「アリアB6」のみのラインナップとなっています。

レクサスRZ
(画像=「Car Me」より引用)

そういう意味で、比較はFFモデル同士で行いたいと思います。

ちなみに価格は「RZ300e」が820万円、「アリアB6」が539万円になります。

2台のサイズと重量の違い

レクサスRZ
(画像=「Car Me」より引用)

まずはサイズと重量から比較してみましょう。

「RZ300e」のサイズは、全長4805×全幅1895×全高1635mm、ホイールベースは2850mm。車両重量は1990kgとなります。装着するタイヤ&ホイールは235/60R18となります。

「アリアB6」のサイズは、全長4595×全幅1850×全高1655mm、ホイールベースは2775mm。車両重量は1920kgとなります。装着するタイヤ&ホイールは235/55R19となります。

サイズ的には「RZ300e」が全長で20㎝ほど長く、幅も45mmほど大きいサイズとなります。ホイールは「アリアB6」の方が1インチ大きいものが装着されています。ただし、「RZ」の4WDモデルである「RZ450e」のホイールは20インチとなっています。他グレードでは「RZ」の方がタイヤ&ホイールは大きくなります。

パワーはどちらの方が大きいのか?

レクサスRZ
(画像=「Car Me」より引用)

FFモデル同士で、パワーを比較してみましょう。

「RZ300e」に搭載されるフロントのモーターは、最高出力150kW(203.9馬力)に最大トルク266Nmを発揮します。それに対して「アリアB6」のフロントモーターは、160kW(218馬力)に最大トルク300Nm。

若干、パワーは「アリアB6」が勝ります。また、車両重量も70㎏だけ「アリア」が軽いため、加速能力では「アリア」が上と見ていいでしょう。

燃費性能とEV航続距離

レクサスRZ
(画像=「Car Me」より引用)

限られた電力でいかに効率よく走れるかを示すのが電費です。

「RZ300e」の電費性能は120Wh/km(WLTCモード)。1㎞を走るのに、120Whの電力を消費するというもの。それに対して「アリアB6」の電費は166Wh/km。1㎞あたり166Whの電気を消費します。つまり、効率でいえば「RZ300e」が上となります。

一充電当たりの航続距離は、「RZ300e」で599kmに対して、「アリアB6」は470㎞。これは、搭載するリチウムイオン電池の容量が「RZ300e」は71.4kWhなのに対して、「アリアB6」が66kWhと少ないのも理由です。

先進運転支援システムの内容

レクサスRZ
(画像=「Car Me」より引用)

「RZ300e」は、2023年11月に登場したばかりの最新モデル。そのため先進運転支援システムも最高峰レベルのモノが搭載されています。その象徴ともいえる機能が、高速道路でも渋滞走行中に、運転手がハンドルから手を離すこと(いわゆるハンズオフ)を許容する高度運転支援技術「LexusTeammate」の「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」機能です。またスマートフォンを使って、車外から駐車をリモート操作できる「アドバンストパーク(リモート機能付き)」の採用のトピックとなります。

「アリアB6」は、日産の自慢の運転支援システム「プロパイロット2.0」が用意されています。こちらも、高速道路でのハンズオフが可能というのが売り文句。しかも、渋滞時だけでなく、通常の速度のままでも、ハンズオフが可能。ここは「アリアB6」が勝っているポイントとなります。また、「アリアB6」には「プロパイロット・リモート・パーキング」も用意されています。これは専用キーを使って、車外から駐車をリモート操作できるというもの。これは「RZ」と同様の機能と言えます。

レクサスRZ
(画像=「Car Me」より引用)

レクサスの「RZ」と日産の「アリア」。レクサスはプレミアム・ブランドということで、価格面では「アリア」よりも上になってしまいます。また、どちらも4WDとFFを用意していますが、「アリア」は生産が滞っているというのが大きなマイナス面と言えるのではないでしょうか。