プリントネット株式会社
(画像=プリントネット株式会社)
小田原 洋一(おだわら よういち)
プリントネット株式会社代表取締役会長兼社長
1965(昭和40)年、鹿児島県出身。2005(平成17)年に代表取締役社長に就任。2023(令和5)年に会長を兼任。
いち早く「ネット印刷」に着目し、2005(平成17)年にネット印刷通販事業を本格的に開始。 スピードと品質重視の対応で着実に顧客を獲得してきた。 つねに10年先を読み、ネット印刷業界のリーディングカンパニーたるべく日々邁進している。
プリントネット株式会社
1968(昭和43)年、鹿児島県姶良町(現姶良市)にて創業。当初は地域密着型で地元案件をメインに受注を行う。
2005(平成17)年、現代表の小田原洋一が、時代に合わせたビジネスモデルの必要性を感じ、 楽天ビジネスを開始する。間もなくネット印刷の自社サイトを構築し、印刷通販事業へ本格参入する。
2008(平成20)年に社名を「プリントネット株式会社」に改め、東京西工場の操業を開始する。 直後にリーマンショックに見舞われながらも業績を立て直し、 2018(平成30)年に東証JASDAQ市場(現スタンダード市場)に株式上場を果たす。
現在、ネット印刷業界ナンバーワンを目指して、社内の組織構造の改革を推し進めている。

目次

  1. これまでの事業変遷について
  2. 経営判断をする上で最も重視していること
  3. 経営者としてのルーツ、過去の経験から積み上がったご自身の強み
  4. 自社が今後関連していくテーマ
  5. 思い描いている未来構想
  6. ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

これまでの事業変遷について

冨田:御社の設立から事業はどのように拡大していったのでしょうか。事業の大きな流れについてお伺いできればと思います。

プリントネット株式会社 代表取締役会長兼社長・小田原 洋一氏(以下、社名・氏名略):最初は地域密着型の個人創業からスタートした印刷会社でした。事業を行っていく中で、当社として大きく舵を切り始めたのが2004年頃です。時代に合わせ、新たなイノベーションを起こさなければならないという思いから、地域密着型を脱し、全国からの受注に踏み切りました。当時はカタログ通販が盛んで、電話やファックス、メールで受注を受けていました。それと同時に、光回線が普及する前のADSL(当時主流のデータ通信サービス)時代でしたが、徐々にインターネット受注も推進していきました。

冨田:当時のインターネットでの買い物は、限られたサイトでしかできなかったと思いますが、どのようにして事業を拡大していったのでしょうか。

小田原:確かに当時は現在のようにスマートフォンで簡単にお買い物ができるような世の中ではなかったのですが、インターネットが普及していく可能性をいち早く察知し、事業を展開していきました。実際に2004〜5年からインターネットでの受注をスタートしました。それに伴い、関東圏に集中している顧客にいち早く商品を届けるために、2008年に、山梨県で東京西工場の操業を開始しました。その直後にリーマンショックが起こり、当社も打撃を受けました。しかし、既存の事業を変えなくてはいけないという思いから、スピードを意識して鹿児島を飛び出した事業展開を継続することで、時代の変化に対応してきました。

プリントネット株式会社
(画像=プリントネット株式会社)

経営判断をする上で最も重視していること

冨田:これまでにも様々な経営判断や重要な意思決定をされてきたかと思いますが、何を最も重視されているでしょうか?

小田原:やはり、スピードが一番重要です。もちろん前進するスピードは速くなければならないですが、やってみてダメだと思ったら撤退するスピードも速くないといけません。このスピード感は今後も大事にしたいと考えています。

一方、最近の当社は、結構慎重に物事を運んでいるように思います。以前は意思決定から即行動というかたちで、綿密な計算などはあまりせず動物的感性でやっていましたが、組織拡大に伴って、様々な確認が必要になってきていると感じます。これから組織拡大をしていく中でも、意思決定や事業における判断は、さらなるスピード感をもって実践していきたいと考えています。

経営者としてのルーツ、過去の経験から積み上がったご自身の強み

冨田:経営者としてのルーツや過去の経験から積み上がったご自身の強みは何だと思いますか?

小田原:世の中の変化をいち早く読み取って、経営改善や進化を止めずに行動できる点だと思います。進化が止まれば衰退していきますので、とにかく進まなければいけないと考え、それを実行しています。

現状、印刷業界の市場は伸びていません。当社はネット印刷会社ですが、既存の印刷会社さんや大手の下請けを専門にやっている印刷会社さんも含めて、厳しい状況です。当社も進化をせずに現状維持をしていたら会社を畳まなければいけなかったでしょう。進むかやめるかの選択は二つに一つしかなく、その中で進むという選択をしました。

そんな過去の経験から、世の中の変化をいち早く読み取ることが重要だと思っています。

自社が今後関連していくテーマ

冨田:これからの社会が変化していく中で、今後のビジョンや取り組むべきテーマについてお聞かせいただけますか?

小田原:世の中の企業を取り巻く経営環境は常に進化していて、当社も環境変化の波を乗り越えながら事業を展開していく必要があります。当社は価格競争が激しいネット印刷業界で、付加価値における差別化が難しい状況にあります。それでも、当社を選んでいただくお客様は、カスタマーセンターの対応や品質を評価していただきリピートいただいています。しかし、それでも価格差が大きく開くと他社に流れてしまいます。今後は適正価格とサービスの両立を図り、他者が追随できないようなビジネスをテーマに事業を展開していきたいと考えています。

冨田:確かに、価格競争が激しい業界でサービスの質を維持しつつ適正価格を実現するのは大変ですね。今後の展開が楽しみです。

小田原:はい、当社も業界ナンバーワンを目指していますので、これからも成長していきたいと思います。

冨田:素晴らしいですね。

プリントネット株式会社
(画像=プリントネット株式会社 九州工場)

思い描いている未来構想

冨田:今後の未来構想についてお聞かせいただけますか?

小田原:やはり、ネット印刷業界でナンバーワンになりたいですね。私は現在58歳ですが、65歳になるまでに何とかナンバーワンになりたいと考えています。そのために今社内の組織構造の改革をしています。

今、当社に常勤している役員は私一人で、他取締役は社外の方たちです。3名の執行役員がそれぞれ製造本部長、管理本部長、事業戦略本部長という役職を兼務しており、事業戦略本部長は、私が長年付き合いのある同業界の人です。

冨田:なるほど、組織的には半分社外で業界における様々な視点を取り入れていくといった方針ですね。これからの成長に向けて、どのような方向性を考えていますか?

小田原:最初はアウトソーシングから進めていこうかと思っていますが、その後はネット印刷のみならずその周辺領域への展開も考えています。例えば、業務用のプリントやユニフォーム、ゴルフウェアなどです。私自身もデザインが好きなので、そういった領域にも進出していきたいと考えています。

冨田:なるほど、周辺領域にもまだまだ拡大の余地がありそうですね。

小田原:そうですね。インターネットを活用すれば、さらに大きな市場にアプローチできると考えています。

ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

冨田:それでは最後に、投資家の皆さんに一言お願いできますでしょうか。

小田原:常に進化と成長を続けるプリントネットを、どうかじっくりと見守っていただければと思います。覚悟を持って、薩摩魂を持って必ずやり遂げてみせます。どうぞよろしくお願いいたします。

冨田:本日はありがとうございました。

氏名
小田原 洋一
会社名
プリントネット株式会社
役職
代表取締役会長兼社長