退職後の資金、いわゆる老後資金にまつわる不安がある方は多いのではないでしょうか。しかし「公的年金だけでは足りない」「そもそも公的年金の制度自体にも不安がある」など不安を挙げ始めるときりがありません。それでは、老後資金はどのくらいあれば不安を解消できるのでしょうか。
本記事では、老後に必要な資金の目安や退職金の運用で必要となる利回りの逆算について紹介します。
必要な老後資金の不足分は毎月約4万6,000円
総務省が公表している「家計調査年報(家計収支編) 2022年(令和4年)平均結果」によると、2022年における60~69歳(2人以上世帯)の消費支出の平均は毎月約29万9,362円、70歳以上では約23万7,203円でした。つまり老後世代の人たちで2人以上の世帯では、少なくとも毎月24万~30万円程度のお金が必要になるということです。
それでは、公的年金はどうでしょうか。厚生年金に加入している場合、夫婦2人の老齢基礎年金を含む標準的な年金額(※)は月約22万4,482円(2023年度)でした。国民年金のみの場合は、約6万6,250円(2023年度)です。先ほど紹介した家計調査年報による消費支出額について、60歳以上の金額から平均値を求めると、あくまでも目安ですが老後に必要なお金は夫婦2人で毎月27万円程度と推測できます。
厚生年金の場合は、約22万4,000円の給付があるため、毎月の不足額は約4万6,000円です。年間にすると約55万2,000円、5年で276万円、10年で552万円が必要になります。では、高齢者の貯蓄はどれくらいあるのでしょうか。
内閣府発表の「令和元年高齢者の経済生活に関する調査」によると、全国の男女60歳以上(n=1,755)で貯蓄総額が100万円未満の割合が10.8%、100万円~500万円未満が18.8%、さらに貯蓄なしが8.3%となっています。上記に当てはまる方々は10年で貯蓄がつきることになるのです。
退職後の資産運用では、将来を見据えてこの不足分をどう補うかが最大のポイントです。ただし本記事では「退職金の運用」をテーマとしているため、退職金が支給される方、つまり厚生年金加入者の方々を想定して解説を進めていきます。
※平均的な収入(平均標準報酬43万9,000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
運用収入で生計を維持するために必要な期待利回り
退職金が500万円と1,000万円の場合を想定して、それぞれに公的年金の不足分を補うために必要な期待利回りを算出してみましょう。それぞれの計算式は以下のとおりです。
- (月の不足額約4万6,000円×12ヵ月)÷退職金額×100=必要な利回り
退職金500万円の場合
退職金、もしくは老後が始まる時期に保有している資産額が500万円の場合、必要な利回りは以下のように求めます。
- (月の不足額約4万6,000円×12ヵ月)÷500万円×100 =11.04%
500万円を11.04%の利回りで運用できれば、元本を減らすことなく老後資金の不足分を補い続けることができます。
退職金1,000万円の場合
次に退職金が1,000万円の場合も計算してみましょう。計算式は、以下のとおりです。
- (月の不足額約4万6,000円×12ヵ月)÷1,000万円×100=5.52%
先ほどの500万円のシミュレーションと比べて、かなり現実味のある利回りになりました。さらによく見ると、500万円の場合と比べて必要な利回りがちょうど半分になることもわかります。この法則を活用すれば、例えば「退職時の資金規模が2,000万円ある場合は5.52%の半分となる2.76%の利回りがあれば不足分を補える」といった換算もできます。
退職後の資産運用におすすめの「不動産クラウドファンディング」
先ほどのシミュレーションでは、資金が1,000万円ある場合であっても必要な利回りは5%台でした。しかしなかには「超低金利の現代でそのような高利回りで運用できるのか?」と疑問を感じた方もいるかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、ネットを通じて投資家からお金を集め、その資金で不動産を運用し利益を投資家に分配する仕組みの「不動産クラウドファンディング」です。1口1万円や10万円程度から投資できる一方で、5%以上の利回りはそれほど珍しくなく、案件によっては10%を超えるような利回りのものもあります。
現物不動産の裏付けがあるため比較的リスクが低く、個人がネットを通じて少額から手軽に投資ができる商品としても人気です。高いリターンを追求してFXや暗号資産などに投資をすると、資産の大半を失ってしまうリスクがあります。
多くの方にとって、退職金は人生で最後に手にする大金です。決して失敗できないお金だけに、しっかりとしたリスク管理が行える投資先を選択することが大切となります。現物資産の裏付けがある不動産クラウドファンディングは、退職金の運用先として特におすすめです。
(提供:YANUSY)
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