南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「先週は最強。電力問題の終わりは近づいている=電力大臣」南アランド見通し

「通貨7位、株価20位」
「予想レンジ 南アランド円7.6-8.1」

(ポイント)
*インフレはまだ抑制されていない 中銀総裁
*電力問題の終わりは近づいている、電力大臣
*先週は最強通貨、年初来でも9位から7位へ
*12月の小売売上は強い
*予算教書は2月21日
*総選挙の日程は未定
*スタンダード銀行、2024年の南アフリカ経済にプラスの見通し
*IMFは成長見通し下方修正
*与党は過半数失うか
*成長は電力、物流、財政次第
*中国と南アの関係は強化されている
*AGOAの特恵待遇は継続
*選挙前で財政支出増加したいが、財政赤字も大きい
*グレイリストには2025年まで残る
*人口は増加、白人は減少

(先週は最強通貨、年初来でも9位から7位へ)
 先週は最強通貨。対円で1.4%上昇。年初来でも9位から7位へ順位を上げた。日足で週足、月足同様に雲の上に出た。ただ株価指数は弱く年初来4.26%安で最下位。10年国債利回りは10.1%。

(12月の小売売上は強い)
 12月の小売売上は前年比2.7%増となり、前月の1%減から改善した。予想の0.7%減を上回った。増加に最も貢献したのは、繊維、衣料品、履物、皮革製品の小売店(7%増)と総合ディーラー(3.5%増)だった。

12月建設許可は前年比16.1%減であったが、前月の26%減からは改善した。

(欧米インベストメントバンクの昨秋の債券買い・ランド買い推奨は)
 昨年秋に、欧米インベストメントバンクは、南ア債券やランドの買いを推奨した。相場はその通りに上昇しなかったが下落しているわけではない。買い推奨の要因は、インフレ低下で米FRBが金融緩和に入りドル安も進むということだったが、米国インフレの下げ止まりもあり、米債も、南ア債も利回りがやや上昇(価格は低下)している。暫く様子見だ。

(予算教書は2月21日)
 ゴドンワナ財務大臣は2月21日(水)に国家予算案を提出する予定で、今年行われる選挙を前に財政需要が高まる中、債務を抑制する国のコミットメントを示す機会となる。

与党アフリカ民族会議(ANC)が1994年に政権を握って以来最も接戦になると予想されており、世論調査によれば、アフリカ民族会議が初めて過半数を失う可能性がある。ANCは財政出動をして景気回復を狙いたいが、財政赤字拡大は格下げ要因となってしまう。
 また中銀はインフレ抑制という自らの任務に対する脅威として財政リスクを繰り返し強調し、借入コストが長期にわたって上昇し続ける可能性があると警告してきた。

またラマポーザ大統領は先週一般教書演説を行ったが財政懸念もあり新規の政策発動の話はわずかだった。パンデミックの際に導入した社会保証制度を延長し、改善すると述べたが、詳細は明らかにしなかった。 主要野党の民主同盟のスティーンハイゼン党首は「18年以来実現していない計画や公約を羅列したリスト」の演説と切って捨てた。

(総選挙の日程は未定)
政治。与党ANC は、アパルトヘイト撤廃後初の民主的選挙で故マンデラ氏が勝利に導いて以来、政権を担ってきた。ただ、今年5月から8月にかけて実施が見込まれる総選挙を控え、過去にない厳しい選挙戦を強いられている。

(電力問題の終わりは近づいている、電力大臣)
 ラモクゴパ電力大臣は、負荷削減の終わりは確かに見えていると主張した。
同氏は先週水曜日、ラマポーザ大統領の一般教書演説(SONA)に関する討論会で講演した。
 ラモクゴパ大臣の声明は、ラマポーザ氏がSONA中に同じ主張をしてから数日後、同国が週末に第6段階の負荷削減に突入したにもかかわらず出された。
 ラモクゴパ大臣は、さまざまな介入を通じてグリッドが強化されていると主張する。
発電所ユニット4は9 月にサービスを再開。2024 年 11 月下旬に同期されるユニット6では、送電網に 1600mw が追加される。さらに、コバーグ 2 号機は 2024 年 9 月に運転を再開し、2024 年には送電網に 2500mW が追加される予定。

テクニカル分析(ランド/円)

苦節雲の上へ

 日足、苦節雲の上へ出る。ボリバン2σ上限。2月15日-16日の上昇ラインがサポート。11月16日-2月16日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
 週足、ボリバン中位。雲の上。2月5日週-12日週の上昇ラインがサポート。
11月13日週-2月12日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
 月足、6月-1月の上昇ラインがサポート。22年6月-23年11月の下降ラインが上値抵抗。5か月線上向く、20か月線下向き。
年足、2023年は円とデッドヒートを繰り返しほぼ同位の10位。今年は円を引き離す。21年-23年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。

南アランド見通し
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喜望峰

インフレはまだ抑制されていない

 クガニャゴ中銀総裁は、去年の5月以来金利を8.25%に据え置いている。金融政策当局者らは方針を変える前に、インフレ率が公式目標レンジの3%から6%の真ん中に近づいているというさらなる証拠を確認する必要があると述べた。
 クガニャゴ氏総裁は、主要インフレ率は現在5.1%であり、持続可能なほど十分に低下していない、と述べ、「ツバメが1羽来ただけでは夏にはならない」と付け加えた。

中銀の次回政策会合は3月27日となる。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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