主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年2月22日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼21日(水)の為替相場
(1):本邦貿易赤字前年比約50%減
(2):豪賃金指数 15年ぶりの高い伸び
(3):ボウマンFRB理事「それが今ではないのは確かだ」
(4):FOMC議事録公表
▼21日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:円売り主導で上伸する可能性も/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
21日(水)の為替相場
期間:21日(水)午前7時10分~22日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦貿易赤字前年比約50%減
日本1月貿易収支(通関ベース)は1兆7583億円の赤字となり、赤字額は市場予想(1兆8554億円)をやや下回った。輸出が増加した一方、輸入が減少したことで貿易赤字は前年比で約50%減少した。
(2):豪賃金指数 15年ぶりの高い伸び
豪10-12月期賃金指数は前年比+4.2%と市場予想および7-9月期(+4.1%)を上回り、15年ぶりの高い伸びとなった。
(3):ボウマンFRB理事「それが今ではないのは確かだ」
米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は出席したイベントで、利下げに関する質問に対して「それが今ではないのは確かだ」と答えた。なお、これより前にはリッチモンド連銀のバーキン総裁が、市場予想を上回った1月消費者物価指数(CPI)について言及し「財価格の下落サイクルが終了したときに、住居費とサービス価格が望む以上に上昇している状況を憂慮する」と述べたことが伝わった。
(4):FOMC議事録公表
FRBは1月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公表。「大半の当局者は急速な利下げのリスクを指摘」「一部の当局者はインフレの進展が停滞する可能性を指摘」「当局者らは地政学リスクや賃金上昇によるインフレの上振れリスクの可能性を認識」「早すぎる利下げのリスク、大半の当局者が留意」「当局者らは利下げ前に2%のインフレに向けた更なる進展を見たいと指摘」などとして、大方の予想通りに利下げを急がない姿勢をあらためて示した。
21日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:円売り主導で上伸する可能性も
昨日のドル/円は小幅高。149.80円台に弱含む場面もあったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)が1月会合の議事録で早期利下げに否定的な見解を示すとの思惑から米長期金利が上昇する中、NY市場で150.39円前後まで値を上げた。FOMC議事録は「早すぎる利下げに大半のメンバーが留意」などとする想定通りのタカ派的な内容だったが、発表前から強含んでいたドルをさらに押し上げるには至らなかった。早期利下げ観測の後退をテーマとするドル高の流れは一巡したと見たほうがいいだろう。
なお、昨日のもうひとつの注目イベントであった米半導体大手エヌビディアの10-12月期決算は売上高が予想を上回るなど良好だった。AIブームの象徴である同社の好決算によって、本日は世界的に株価の上昇が期待できそうだ。このあと行われる同社の決算説明にも注目したい。期待通りに株高が進むようなら、円売り主導でドル/円が上伸する可能性もある。ただし、150円台後半には多くのドル売り・円買いオーダーが並んでいると見られ、今月13日に付けた年初来高値の150.88円前後を突破するのは容易ではなさそうだ。
注目の経済指標:欧米PMI
注目のイベント:ブロックRBA総裁発言
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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