本記事は、西 剛志氏の著書『脳科学×最新研究が解き明かす64のテクニック 「伝える」が「伝わる」に変わるひみつ』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
自分にとって何が大事なのか、自分でもよくわからない
さまざまな角度から話す
「7つの視点」で話に説得力が生まれる
伝え方NG
ぼんやりとした認識をぼんやり伝える
伝え方OK
いくつかの視点で見たときに、どう見えるかを伝える
ぼんやりとしか見えていないことは、ぼんやりとしか話せない
自分の考えや価値観をしっかり持ちたいという人はたくさんいます。しかし、「明確な意見を持てるほど、目の前の物事がよくわかっていない」というような場面もあるでしょう。
たとえば、上司から「きみはこの仕事について、どう思う?」と聞かれたときに、「どうって言われても……」としか返せないようなケースです。目の前の仕事を、ぼんやりとしか認識できていないと、こういったことが起こり得ます。
人は、ぼんやりとしか認識できていない物事は、ぼんやりとしか話すことができません。
伝え方がうまくいく人ほど自分の考えを持っていますが、それはさまざまな視点から物事を見られるからです。(これを認知の柔軟性といいます)。
「7つの視点」と問いかけで考えを立体的にする
伝え方がうまくいく人がやっていることが、次にあげる「7つの視点」と問いかけです。
うまくいく人はさらに「まとめる視点」を持っていますが、これらの7つの視点があると「ひとことで表現するとしたら、なんだろう?」と考えやすくなります。
目の前の物事を、この「7つの視点」から3つ選んで考えてみることで、解像度はより高まっていきます。理解は深まり、「自分は目の前の物事について、どう思うのか」といった考えも生まれてきます。
上司から「きみはこの仕事について、どう思う?」と聞かれたときに、「どうって言われても……」としどろもどろになってしまい、「あいつは何も考えていない」と思われて評価が下がるようなことがなくなるのです。
視点を増やせば、相手が受け取りやすい伝え方ができる
私は長年、脳科学をベースにコミュニケーションの研究をしていますが、その中でわかってきたのが、持っている「視点」が多い人ほど、「伝える力が強い」という事実です。
「自分はこう思う!」とゴリゴリ主張するだけでなく、「7つの視点」から少なくとも3つを駆使し、
「男性はこう感じるかもしれないけれど、女性はこう思うかも」
「デメリットはありますが、そのぶん、このようなメリットを得られます」
「違うように見えますが、こういう共通点があります」
といったように、さまざまな面から、物事を説明することができます。
そう、伝えるのが上手な人はまさに、物事を「面」でとらえています。下の図のように、物事を箱のようにとらえ、さまざまな面から説明します。伝えるのが苦手な人が、「自分はこう思う!」というひとつの「点」からしか物事を説明できないのとは、大きな違いです。
「7つの視点」は、自分の解像度を高めるだけでなく、相手の解像度を高めるのにも役立つのです。
コミュニケーションでうまくいく人ほど、いろいろな角度から物事を見られる頭のやわらかさを持っています。ぜひ、1つでもよいので、視点を増やして見る習慣を大切にされてみてください。
まとめ
「視点」を増やせば、「理解」と「伝え方」の解像度が高まる
著作は『1万人の才能を引き出してきた脳科学者が教える 「やりたいこと」の見つけ方』(PHP研究所)、『あなたの世界をガラリと変える 認知バイアスの教科書』(SBクリエイティブ)、『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)、『脳科学的に正しい! 子どもの非認知能力を育てる17の習慣』(あさ出版)、など、海外を含めて脳に関する書籍は累計発行部数45万部を突破。2025年に台湾義守大学日本研究センター顧問に就任。
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