本記事は、西 剛志氏の著書『脳科学×最新研究が解き明かす64のテクニック 「伝える」が「伝わる」に変わるひみつ』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
メンバーが「指示待ち」で、自分から動いてくれない
質問で決めさせる
質問に答えさせると、人は「自分が選択した」と思う
伝え方NG
(私からの指示を待たず、もっと自発的に動いてくれないかなぁ)
伝え方OK
「この仕事、どこまで自分で判断できるとやりやすそうですか?」
人は「よいもの」を選ぼうとする
「うちのメンバー、言われたことはやるんだけど、自分からは動かないんだよな……」こんな悩みを持つリーダーは少なくありません。
つい、「もっと主体的に動いてほしい」「いちいち指示しなくても考えてほしい」と言いたくなりますが、ここで正面から注意しても、状況はあまり変わりません。
なぜなら、人は命令されて変わるより、自分で決めたと思えたときに動くからです。そこで使いたいのが、「自発誘導クエスチョン」です。これは、相手に行動を強制するのではなく、選択させる質問のこと。
たとえば、こんな聞き方です。
「この仕事、どこまで自分で判断できるとやりやすそうですか?」
この質問のポイントは、「『動け/動くな』を評価していない。正解を決めつけていない。でも“自分で考える前提”が含まれている」という点にあります。
人を動かす達人は「命令」ではなく「質問」を使う
この質問に答えるとき、相手は無意識にこう考えます。「自分は、どこまでなら判断できる人間だろう?」つまり、自分の役割や姿勢を、自分で言語化するのです。この瞬間に起きているのが、「コミットメント効果」です。人は、
- 自分で口にしたこと
- 自分で選んだ立場
と矛盾しない行動を取ろうとします。
(これを心理学では「一貫性の原理」とも呼びます)
実際に「今度の選挙で投票するつもりはありますか?」と聞くだけで、質問された人の投票率が25%アップしたというリサーチもあります。ちょっとした言葉のかけ方の違いで、相手の頭の中に浮かぶ世界はまったく変わるのです。
そこがわかっているので、人を動かす達人は命令より質問をよく使います。
まとめ
「命令」ではなく「質問×コミットメント」で人は動く
著作は『1万人の才能を引き出してきた脳科学者が教える 「やりたいこと」の見つけ方』(PHP研究所)、『あなたの世界をガラリと変える 認知バイアスの教科書』(SBクリエイティブ)、『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)、『脳科学的に正しい! 子どもの非認知能力を育てる17の習慣』(あさ出版)、など、海外を含めて脳に関する書籍は累計発行部数45万部を突破。2025年に台湾義守大学日本研究センター顧問に就任。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
- 言葉より体験、相手が納得する伝え方
- 話が残る人はストーリーで伝えている
- なぜ正しい説明が響かない?相手は信頼感で判断している
- 払ってください! では動かない、事実と多数派で伝える交渉術
- 命令より質問、メンバーが自分で動き出す伝え方
- なぜ? ではなく何が? 相手を動かす質問の変え方
- 自分の考えが見えないとき、7つの視点で言葉にする方法
