トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「エルドアン大統領信任されず、ただ任期はあと4年で政策変更は小規模か。明日はCPI」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価首位)

予想レンジ トルコリラ/円4.2-5.2

*地方選挙で与党が敗北
*ただエルドアン大統領の任期は2028年まで続く
*地方選挙後の市場は
*選挙敗北でも財政政策は変わらず
*明日は3月CPI発表
*3月製造業PMIは小幅悪化
*大統領は5月9日に訪米
*株価は強く、リラは弱い
*リラは10年で10倍安
*貿易・経常赤字は改善せず
*対円で10年連続陰線を目指すのか
*対ドルで32リラにのせる。史上最安値
*フィッチは、トルコの格付けを「B」から「Bプラス」に引き上げ
*2023年GDPは4.5%増
*政府は2026年にインフレが一桁となると主張
*預金の4割が外貨預金であることもリラ安要因

(若干リラ高、若干株高、利回り低下、地方選挙後)
与党AKPが地方選挙で敗北してからの、各市場の動きは以下の通り

ドルリラ=32.4111→32.2553
リラ円=4.67→4.7
株(イスタンブール100)=9142.4→9157.54
10年国債利回り=26.89%→26.46%

(与党敗北となった地方選挙)
 統一地方選が投開票された。最大都市イスタンブールのほか、首都アンカラなど大都市部の多くの市長選で世俗派の国政野党・共和人民党(CHP)が勝利した。エルドアン大統領が党首を務めるイスラム系与党・公正発展党(AKP)は高止まりするインフレなどが逆風となり、全国的に票が伸び悩んだ。エルドアン大統領にとって事実上の信任投票となった地方選の敗北は政治的痛手となりそうだ。

 ただ政権は与党AKPが握り、次期大統領選挙は2028年なので、エルドアン大統領も体制の変革を行うだろが、大きいものとならないだろう。

(シムシェキ財務大臣発言。現状維持、地方選挙後)
 シムシェキ財務大臣は、地方選挙の結果が我が国と我が国にとって有益なものとなるように願うと以下のように発言した。

*トルコは、2023年9月に発表した中期計画(MTP)を引き続き強化し、実行する。
*主な目標であるインフレ率を恒久的に一桁に低下させるために、財政緊縮、選択的信用政策、所得政策に加えて公共支出を抑制する。
*中計で示したスケジュールに沿って構造改革を実行し、経済を変革し、生産性と競争力を高めていく。
*持続可能な成長という目標を達成することによって達成される福祉の永続的な増加は、社会のあらゆる層によって共有されることになる。
*成功への道には、忍耐、決意、そして忍耐が必要だ。

(明日3月消費者物価発表)
 明日4月3日に3月消費者物価が発表される。予想は前年比で69.0%上昇、2月は67.07%。
 
(3月製造業PMIは小幅悪化)
 3月の製造業PMIは50.0。生産が微増した一方、新規受注と雇用が小幅に減少した。2月は50.2。3月はトルコの製造業にとって安定した月だった。最近の需要トレンドが続けば、2Qに成長が勢いを増すことが期待される。
新規受注の減少ペースは過去9カ月で最低。需要が相対的に改善しており、一部の企業が生産と購買活動を拡大した。
在庫は引き続き伸び悩んだ。一部の企業は紅海の混乱で投入資材の入荷が遅れたとした。
原材料価格の上昇とトルコリラの下落が3月の投入価格と産出価格を押し上げる主因となった。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

ボリバン中位へ戻す

 日足、3σ下限から反発中位へ。3月13日-29日の上昇ラインがサポート。2月23日-4月1日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。雲の下。
 週足、ボリバン2σ下限から反発。3月11日週-25日週の上昇ラインがサポート。3月18日週-25日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
 月足、2σ下限近辺で推移。1月-2月の上昇ラインを下抜く。12月-2月の下降ラインが上値抵抗。
年足、9年連続陰線。その間5.2円から4円台へ沈む。去年当初は僅かに陽転していたが3月から陰転。今年1月は陽線も3月で円に抜きさられ最下位へ。

トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

メルハバ

トルコ大統領訪米

 エルドアン大統領が5月9日に米国を訪問する。エルドアン大統領の訪米は、個人的に良好な関係を築いていたトランプ前大統領と会談した2019年以来で、バイデン政権では初となる。
両国の間にはさまざまな懸案が横たわっていたが、トルコが今年1月にスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を批准して以降、関係改善の兆しが出ている。
バイデン、エルドアン両氏がイスラエルとハマスの戦争、トルコのF16戦闘機購入を含む防衛産業協力についても話し合う可能性が高い。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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