この記事は2024年4月10日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

2024年4月10日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

マーケットの焦点は、本日10日(水)日本時間夜の米CPI。現時点の金利先物市場での米6月の利下げ確率は6割程度、年内の利下げ回数は2.6回程度織り込んでいる。米CPIが予想を上回り、6月利下げが難しいとなるともう一段米金利が上昇し、ドル高となり、米ドル/円は節目の152.00円をブレイクする可能性が高まっている。

152.00円を超えると、当局のドル売り介入の可能性がぐっと高まる。ただ、現在岸田首相が訪米中のため、NY市場では介入が出ず、明日11日(木)の東京市場で介入が入るのではと考えるのが一般的。しかし、神田財務官はそうしたマーケットのコンセンサスの逆手を取ってくる可能性もあるため、152.00円を超えれば、NY市場で介入してくる可能性も否定できず、警戒感は高いまま。

もっともここまでのシナリオはCPIが高かったことが前提だが。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ECBに関しては、年内の連続利下げ観測の高まりから、ユーロ/米ドルは1.0000へ下落するという予想も増えている中、ユーロ/米ドルは依然、1.0850ドルレベルと高値圏で推移。

仮に米ドル/円に介入が入ったと仮定しても、高止まりしているドル金利の水準が変わるわけでもないため、米ドル/円の下値も限定的。

結果、当局の介入による押し目でも、買い増せる余力を残しつつ、米ドル/円とユーロ/円は押し目買いで臨みたい。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。