業績予想を3度上方修正
ロート製薬の業績は好調で、2024年3月期は3期連続の増収営業増益となる見込みだ。また四半期ごとに業績が好転しており、これまでに業績予想を3度上方修正した。
2023年3月期決算時点では、2024年3月期の売上高は2590億円(前年度比8.5%増)、営業利益は350億円(同3.1%増)の予想だった。
この予想に対し2024年3月期第1四半期決算時に売上高を40億円、営業利益を20億円引き上げ、同第2四半期決算時に売上高を70億円、営業利益を15億円引き上げ、さらに同第3四半期決算時に売上高を20億円、営業利益を15億円引き上げた。
この結果、2024年3月期は売上高2720億円(同14.0%増)、営業利益400億円(同17.8%増)と、2ケタの増収営業増益を見込む。
いずれも日本国内の事業が好調に推移したのが上方修正の理由で、スキンケア商品の「メラノCC」 や 「肌ラボ」、目のサプリメント「ロートV5」などが牽引したほか、インバウンド(訪日観光客)需要や「ボラギノール」を主力商品とする天藤製薬も寄与した。
米国、欧州、アジアも10%前後の増収となっているものの、売り上げ規模の大きい日本の伸びが17%を超えている(2024年3月期第3四半期決算時点)ことが、業績を大きく押し上げた。
ロート製薬のグループに入ったユーヤンサンの2023年6月期の売上高は327億300万円(発表当時の為替レート=1シンガポールドル110円で換算)で、次期以降にこの売上高がロート製薬の業績に加わってくる。
一方、スタートアップ出資による業績への影響はいずれも軽微だが、新しい市場が開拓できれば、将来の経営を支える可能性もある。
M&Aと出資という事業拡大の二刀流が機能すれば、さらなる成長が見込めそうだ。
文:M&A Online