就職活動での面接は、採用担当者と直接会話をしながらお互いのニーズを確かめるための大切な場です。ただし、重要な選考試験だからこそ苦手意識を持つ人も少なくありません。本記事では、就職活動の採用面接に苦手意識を持ってしまう理由や具体的な対策、面接での話し方のポイントなどを解説します。

面接が苦手でも対策すれば克服できる

面接が苦手だと就職できない?面接対策のステップや話し方のポイントを解説
(画像=Freedomz/stock.adobe.com)

採用面接は、就職活動における大きなハードルの1つです。面接が難しく感じられるのは、短時間で自分の経験やスキルを効果的にアピールしながら、コミュニケーション能力や緊張する状況での対応力なども試されるためでしょう。

面接は経験や人柄、入社意欲などを直接企業に伝える絶好の機会で、企業側も応募者のポテンシャルや職場への適応力などを見極める機会となり、双方のニーズを確かめる場になります。

面接への苦手意識を克服し、自信を持って面接に臨むためには、事前の準備が大切です。模擬面接での練習、自己分析による強み・弱みの明確化、企業研究を通じた質問準備など、具体的な対策をすれば理想の就職も不可能ではないでしょう。

就職面接で苦手意識を持ってしまう5つの理由と対策方法

就職活動の採用面接で苦手意識を持ってしまう人には、大きく5つの特徴があります。ここでは、面接を苦手と感じる理由と対策方法を紹介します。

自己PRの経験が少ない

採用面接を初めて受ける人は、自分の経験やスキル、実績を相手に「売り込む」ことに慣れていないため、自己PRを苦手と感じてしまいます。

自己PRに対する不安を克服するためには、自分の経験やスキルを具体的なエピソードに結びつけて話せるよう、あらかじめ準備しておくことが大切です。面接前に自己分析を深め、強みや弱み、数値に基づいた具体的な成果などをリストアップし、どのように将来の職務に役立つかを結びつけて考えて自己PRができると良いでしょう。

また、友人や家族に話を聞いてもらい、フィードバックを得ることも効果的です。

緊張や不安を感じやすい

面接という採用に直接影響する重要な場に参加する緊張や、予測不可能な質問があるかもしれないという不安が、苦手意識につながる場合もあります。

面接に対する緊張や不安を減らすには、事前によくある質問に対する答えを用意し、可能な限り実際の面接場面を想定した練習を重ねることが有効です。また、面接当日は面接官が応募者を理解しようとしているといったポジティブな視点を持ち、深呼吸をするなど自分なりの緊張を和らげる方法を実践することも大切です。

コミュニケーションスキルへの自信の欠如

コミュニケーション能力に自信がない人は、初対面の面接官との会話に不安を感じやすいでしょう。

コミュニケーション能力の向上には、聞き取りやすい話し方や適切なボディランゲージ、目線のコントロールなど、細かいポイントの改善が必要であり、自身の話し方の癖などを把握する必要があります。

面接練習のために話し方や表情のコントロールといった苦手な部分を改善したい場合は、模擬面接ができる面接対策アプリが役立ちます。その1つ、株式会社シーエーシーが提供する『カチメン!』ではAIが表情や話し方などを分析し、コミュニケーションの改善ポイントなどのフィードバックを受けられます。

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完璧に対応しようとしてしまう

面接の場で完璧に対応しようという意識を持ちすぎると、予想外の質問を受けた際などに動揺し、パフォーマンスを低下させてしまう恐れがあります。

面接のプレッシャーを減らすには、「完璧を目指すのではなく、ベストを尽くす」という心構えを持つことも大切です。面接官は応募者が将来的に同じ職場で働く姿を想像しますが、必ずしも質問への回答やマナーに完璧な対応を求めているわけではないと考えておきましょう。

過去に面接での失敗経験がある

過去に進学やアルバイト採用などの面接で失敗した経験がある人は、就職活動の採用面接でも自信を持てないかもしれません。

過去の失敗を学習の機会と捉えて、失敗から得られた教訓を活かして同じミスを繰り返さないように準備することが大切です。面接で自分が苦手と感じるポイントをピックアップし、事前に対応方法を考えた上で模擬面接での練習を繰り返して改善しましょう。

就職面接の苦手意識を克服するための具体的な7ステップ

就職面接に対する苦手意識を克服するためには、面接に対する不明点を明確にして個別に対策していく必要があります。ここでは、面接対策に必要な7ステップを紹介します。

1.就職面接の流れを把握する

就職面接の流れを理解することは、成功への第一歩として欠かせません。面接は通常、以下のような流れで行われます。

  • 面接時間になったらドアをノックして入室する
  • 入室したら、面接官の指示に従って自己紹介をする
  • 面接官に促されてから着席する
  • 経験やスキル、志望動機など、様々な質問を受けて回答する
  • 面接官から質問がないか確認される
  • 面接のお礼を告げた上で退室する

就職面接の一般的な流れを事前に知ることで、面接の各段階での適切な振る舞い方など本番に向けた準備ができ、自信を持って面接に臨めるようになります。

2.就職面接での質問事項を把握する

就職面接の流れを把握したら、面接官からの質問内容を想定して回答を準備しましょう。採用面接でよくある質問には、以下のようなものがあります。

「自己紹介をしてください」
「なぜ当社を選んだのですか?」
「あなたの長所とは何ですか?」
「あなたの趣味は何ですか?」
「学生時代に特に力を入れたことは何ですか?」
「他にはどのような会社に応募していますか?」
「当社は第何志望の会社ですか?」

これらの定番の質問を把握しておけば、自分の経験やスキル、入社意欲などを効果的にアピールするための回答を準備できます。面接本番に対する不安を減らし、より良い印象を面接官に与えることができるでしょう。

3.面接のマナーを把握する

面接で求められるビジネスマナーを理解して適切に行動すれば、面接官にポジティブな第一印象を与えることができます。

以下は基本マナーです。

  • 髪型などの身だしなみを整える
  • 指定された適切な服装を選ぶ
  • 面接場所に遅れないように指定時間前に到着しておく

また、面接の際には以下のようなマナーを守れるように、事前に確認、練習しておきましょう。

  • 面接前に携帯電話の電源をオフにする
  • ノックを3回し、許可を受けてから入室する
  • 面接官に対して礼儀正しく挨拶する
  • 会話をする際は目を見て話す
  • 相手が聞こえる声量とスピードで話をする

面接での質問への回答内容は人それぞれで異なりますが、求められるビジネスマナーのレベルは同じです。事前にマナーを把握し、本番で実践できるように練習を重ねましょう。

4.応募先企業の想定質問への回答を作成する

就職面接では、強みや志望動機などのよくある質問だけでなく、企業独自の以下のような質問がある場合もあります。

「当社の製品/サービスについてどのように改善すれば良いと思いますか?」
「当社の業界における今後のトレンドはどのようなもので、それにどう対応すべきだと考えていますか?」
「あなたの〇〇という強みは、当社のどのような課題解決に貢献できると思いますか?」
「当社のチームにどのような価値をもたらすと考えていますか?」
「当社で達成したいと思っている具体的な目標はありますか?」

応募先の事業内容や業績、業界の動向、企業文化について調べ、質問への回答に組み込むことで、情報収集能力と入社に対する熱意をアピールできます。企業独自の情報は、学校のキャリアセンターにある過去の就職レポートやOB・OG訪問、ホームページなどで情報収集しましょう。

5.逆質問を考える

就職活動の採用面接では、一般的に面接官からの質問が終了した後に「最後に何か質問はありますか?」と逆質問を求められることがあります。この機会を利用して、事前に準備した質問をすることで、熱意や積極性を示すことができます。

逆質問では企業の文化、部署の構成、仕事の具体的な内容、キャリア形成の機会など、職場についてより深く理解するための質問を準備しましょう。具体的には、以下のような逆質問が考えられます。

  • 御社に入社するまでに勉強しておくべきことはなんですか?
  • 社員同士の交流イベントなどは何かありますか?
  • 従業員の成長のためにどのようなアプローチを行っていますか?
  • 従業員のパフォーマンスへのフィードバックはどのように行われますか?
  • 配属予定先でのキャリアパスはどのようになっていますか?
  • 配属予定先の従業員数や雰囲気を教えてください。

なお、採用後の待遇や福利厚生、残業時間などの直接的な質問は面接官からの評価を下げる可能性があるため、基本的には避けましょう。

6.模擬面接で練習する

想定質問の把握や回答案の準備、面接でのビジネスマナーの把握などを終えたら、模擬面接を行って自己紹介やよくある質問への回答を練習しましょう。

模擬面接では、友人や家族、もしくはキャリアカウンセリングサービスなどを利用して、実際に面接官と応募者の役割を演じてみましょう。面接の緊張感を感じながら質問に対する答え方、話し方、態度などをチェックできるため、臨機応変な対応力を高められます。

前述の面接対策アプリ『カチメン!』では場所を問わずどこでも模擬面接を行うことができます。

7.フィードバックを参考にして修正する

模擬面接で得られたフィードバックは、話し方や質問への回答の改善のための貴重な情報源です。ポジティブなフィードバックによって自信を持つことができ、否定的なフィードバックによって改善点を示してくれます。

例えば、答えが短すぎる、または長過ぎるというフィードバックを受けた場合、次の面接では情報量を調整することが求められます。このプロセスを通じて、面接の事前準備を十分に行うことで、次第に自信を持って面接に臨めるようになるでしょう。

就職面接が苦手な人が上手く話すための5つの方法

就職面接で面接官と上手く会話ができるかの不安がある人は、以下で紹介する5つのポイントに着目し、会話力の向上に取り組んでみましょう。

1.緊張していることを相手に伝える

面接の冒頭で挨拶をする際に、「少し緊張していますが、よろしくお願いします」など、自分が緊張していることを面接官に素直に伝えてみましょう。

自分の感情をオープンにすることで、心理的な負担が軽減されて会話がスムーズになる可能性があります。また、面接官が応募者の緊張を理解して配慮してくれることもあるため、面接が始まった瞬間の緊張を乗り越える方法の1つとして検討しておきましょう。

2.話す速度を落とす

面接では話す速度を意識的に少し落とすことで、緊張を抑えられると同時に言葉選びに注意を払えるようになり、自分の意見をより明確に伝えることができます。また、落ち着いて話すことで聞き手にも安心感を与え、コミュニケーションの質を高められます。

話すスピードが速いと聞き手側は内容が理解しにくくなり、加えて会話全体のテンポが上がってしまい、話している自分自身も呼吸が浅くなって余計に緊張する恐れがあります。

3.最初に結論を伝えることを意識する

PREP法を意識して、結論ファーストで相手の質問に答えましょう。PREP法は、自分の主張を相手に効果的に伝えるための手法です。まずは「結論(Point)」を述べ、その後に「理由(Reason)」と「具体的な例(Example)」を挙げ、最後に再度結論を強調します。

PREP法を意識して手順に従えば、話が散漫になったり伝えるべきポイントを伝え損なったりするといったリスクを減らすことができ、面接官に自分の回答を明確に伝えることができます。

4.聞き返すことを恐れない

面接官の質問の意図が理解できなかった場合や、聞き逃したり確認したりしたいことがあれば、遠慮せずに聞き返すことが重要です。

質問の聞き返しがマイナスに働くとは限りません。遠慮せずに聞き返すことで、面接に真剣に取り組んでおり、誤解を避けて正確に理解し、適切な回答をしようとする姿勢を示すことができます。

ただし、何度も質問を聞き返すと傾聴力や理解力が低いと評価される恐れがあるため、質問を集中して聞く姿勢は欠かさないようにしましょう。

5.質問に答える前に、間を置いて落ち着く

面接官から質問を受けた際は、すぐに回答するのではなく、よく考えて回答するために少し時間を取っても問題ありません。

面接の質問に焦って即座に答えると、不必要な間違いや誤解を招く原因にもなりかねず、会話のスピードが上がってしまう可能性もあります。質問を受けたら少し深呼吸をし、自分の考えを整理する短い時間を持つことで、お互いの理解を深める効果的なコミュニケーションにつなげられます。

まとめ

就職活動での採用面接は、内定を得るための重要な選考試験であり、難易度が高いと思って苦手意識を感じている人が少なくありません。ただし、苦手な人でもきちんと対策すれば合格率を高めることができます。面接の苦手意識を克服するためには、面接の流れやビジネスマナー、よくある質問などを把握した上で、模擬面接などで練習を繰り返す必要があります。

例えば面接対策アプリであれば、どこでも練習ができます。AI分析によって面接の受け答え方などの改善点を教えてもらえるため、面接対策のツールとして活用してみましょう。

(提供:CAC Innovation Hub