主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年6月13日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼12日(水)の為替相場
(1):中国CPIは4カ月連続でプラス
(2):英4月GDPは予想を上回る
(3):仏大統領 辞任を巡る報道を否定
(4):米CPIが鈍化
(5):FOMCはインフレ見通しを上方修正
▼12日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米国の経済データに一喜一憂する展開が続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
12日(水)の為替相場
期間:12日(水)午前6時10分~13日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国CPIは4カ月連続でプラス
中国5月消費者物価指数(CPI)は前年比+0.3%と市場予想(+0.4%)には届かなかったが、4カ月連続でプラスとなった。同生産者物価指数(PPI)は前年比-1.4%と20カ月連続のマイナスだった(予想-1.5%)。
(2):英4月GDPは予想を上回る
英4月国内総生産(GDP)は前月比±0.0%と市場予想(-0.1%)をやや上回った。同鉱工業生産は前月比-0.9%(予想-0.1%)、同貿易収支は196.07億ポンドの赤字(予想142.00億ポンドの赤字)だった。
(3):仏大統領 辞任を巡る報道を否定
フランスのマクロン大統領は会見で、自身の辞任を巡る報道について「ばかげている」としてこれを否定。その上で支持者らに対し、今月末の総選挙によって次期首相が「ルペン氏の政党(極右・国民連合=RN)から選ばれるだろうとあきらめてはいけない」と訴えた。
(4):米CPIが鈍化
米5月CPIは前月比±0.0%、前年比+3.3%といずれも市場予想(+0.1%、+3.4%)を下回った。食品とエネルギーを除いたコアCPIも前月比+0.2%、前年比+3.4%と予想(+0.3%、+3.5%)を下回った。これを受けて米長期金利が低下するとドル売りが活発化した。一方、CPIの下振れを受けて米国株先物が上昇する中で豪ドルは買いが強まった。
(5):FOMCはインフレ見通しを上方修正
米連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通りに政策金利を5.25-5.50%に据え置いた。声明では「インフレ率はこの1年で緩和したが、依然高止まりしている」としながらも「ここ数カ月間、2%のインフレ目標に向けた緩やかな一段の進展が見られた」として、前回の「この数カ月間は進展が見られなかった」との文言を修正した。一方、経済・金利見通しでは2024年と2025年のインフレ見通しを上方修正した上で、年内の利下げは1回のみとする予測を示した(前回は3回)。米5月CPIを受けて下落していたドルは、FOMCが予想以上にタカ派的だったとして買い戻された。なお、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はその後の会見で、5月CPIについて「きょう発表された指標は前向きなもので、今後のデータがどのようなものになるか、傾向を見極める必要がある。われわれはインフレ率が2%に持続的に低下することを確信できる指標を求めており、1つのデータだけで動こうとするのは避けたい」と述べて、利下げはデータ次第の姿勢をあらためて示した。