総括
FX「人民元は安定、米国から経済制裁を受ける中での積極経済外交」人民元見通し
(通貨4位、株価15位)
予想レンジ 人民元/円21.4-21.9
(ポイント)
*月間6位、年間4位と底堅い
*TSMC 1兆ドル、エヌビディア 3.3兆ドル(時価総額)
*消費堅調も、工業生産は伸び鈍化。不動産開発投資冴えず
*7月に三中全会
*為替レートは市場の決定的な役割を堅持し、柔軟性を維持
*米国から経済制裁を受ける中での経済外交
*5月貿易、輸出が伸びる
*低インフレが続く
*世銀の成長見通しは上方修正
*G7首脳、中国過剰生産に懸念表明へ
*EU、中国製EVに最大38.1%の追加関税発動
*外資が中国債券を8カ月連続で買い増し
*中国の米国債保有額、2009年ぶりの低水準に
*貿易など経済指標改善の中、米国が対中関税引き上げ
*米国の輸入、中国が15年ぶり首位陥落
(月間6位、年間4位と底堅い)
月間6位、年間4位と底堅い。株価は上海総合指数が20市場中15位、香港ハンセン指数が10位、強くはない。台湾海峡で緊張感が生じている、台湾加権指数は2位と大きく差を開けられている。10年国債利回りは2.3%前後で推移している。
(消費堅調も、工業生産は伸び鈍化。不動産開発投資冴えず)
5月の鉱工業生産は前年比5.6%増、4月の6.7%増から減速。予想の6.0%増も下回った。5月の小売売上高は3.7%増と、4月の2.3%増から加速。予想の3.0%増を上回った。
連休中の旅行需要の高まりなどで、消費の動向を示す統計は堅調だった一方、工業生産は伸びが鈍化したほか、不動産開発への投資は引き続き大幅なマイナスとなり、中国経済の懸念材料となっている。
今年1-5月の「不動産開発投資」は前年同期比べてマイナス10.1%と、下落幅が拡大したほか、新築住宅の販売面積も20.3%減少し、不動産市場の低迷が引き続き中国経済の懸念材料となっている。
(7月に三中全会)
中国政府は来月、長期的な経済政策運営の方針を決める重要会議、「三中全会」を開く予定で、内需の停滞や不動産不況の長期化といった中国経済が抱える課題に対し、どこまで踏み込んだ対策を打ち出せるかが注目される。
(本日はLPR発表)
今朝はローンプライムレートの発表がある。1年物は3.45%、5年物は3.95%で据え置かれる予想。
(為替レートの市場の決定的な役割を堅持し、柔軟性を維持)
人民銀行の潘功勝総裁は長年にわたる継続的な努力の結果、中国の外国為替市場は大きな進歩と発展を遂げ、市場参加者はより成熟し、取引行動はより合理的になり、為替レートのヘッジツールを使用する企業が増えている。また現在、国境を越えた物品取引の受払いは人民元で行われており、その割合は 30%を占めており、企業が生産や運営において直面する為替リスクのリスクは軽減されている。
今年は主要国の金融政策が徐々に変化し、ドル高の勢いが弱まり、内外の金融政策の循環的な差異が収束する傾向にある。これらの要因が連携して、人民元為替レートの基本的な安定と国境を越えた資本フローのバランスを維持し、我が国の金融政策の運用余地を拡大する。我々は、為替レートの形成における市場の決定的な役割を重視し、為替レートの柔軟性を維持すると同時に、為替レートのオーバーシュートのリスクを断固として警戒する。
(台湾パワー)時価総額
TSMC 1兆ドル、エヌビディア 3.3兆ドル、この意味からも中国は台湾を手放せない
(米国から経済制裁を受ける中での経済外交)
李強首相は先週からニュージーランドのラクソン首相、オーストラリアのアルバニーズ首相、マレーシアのアンワル首相の招待を受け、各国を訪問している。今週は独経済相が訪中する。米国から経済制裁を受ける中で、経済外交は続けている。