総括
FX「株価低迷、金利低下には政府が乗り出す。人民元は安定。来週は三中全会」人民元見通し
(通貨6位、株価18位)
予想レンジ 人民元/円 21.8-22.3
(ポイント)
*人民元は安定。株価低迷、金利低下には政府が乗り出す
*来週の三中全会で景気対策が出るか
*対円では年初来高値更新
*今週は貿易収支、来週はGDPなどの発表
*米下院議長は中国批判
*デフレリスクは消えず
*乗用車販売が3カ月連続減少
*米国経済を中国から切り離すべき(トランプ前大統領高官)
*G7首脳、中国過剰生産に懸念表明
*中国の米国債保有額、2009年ぶりの低水準に
(人民元は安定。株価低迷、金利低下には政府が乗り出す。来週は三中全会)
人民元は7月はここまで対円で0.54%高、年初来では11.98%高。対ドルでは、それぞれ対円では0.08%高、2.36%安で小動きだ。人民元は対円以外では安定している。株価は依然、低迷。年初来で上海総合指数は1.2%安、香港ハンセン指数は2.49%高。超っ金利も低下継続で2.26%で年初は2.59%。
中国政府は、株価では中国証券監督管理委員会(証監会)が、空売りの抑制を強化するために新規の証券再貸し付けを停止し、既存の取引については段階的に縮小すると発表した。空売りに対する委託保証金率を最低80%から100%にさらに引き上げる方針を示し、ヘッジファンドはより高い要件が適用されるとした。
債券の利回り低下では、人民銀行が大規模な国債売却に踏み切る可能性を示唆している。
(デフレリスクは消えず)
6月の消費者物価は前年比0.2%の上昇で、5月の0.3%から伸びが鈍化した。予想は0.4%上昇だった。前月比では0.2%下落、予想は0.1%下落。5月は0.1%下落。
生産者物価は前年比0.8%下落。5は1.4%下落、予想は0.8%下落だった。
デフレのリスクは消えておらず、内需は依然低迷している
(今週は6月貿易収支の発表)
今週は6月貿易収支の発表がある。予想は850億ドルの黒字。また輸出は8%、輸入は2.8%の伸びが予想されている。
(来週は2Q・GDPなどの発表)
来週は2Q・GDP、6月鉱工業生産、小売売上、固定資産投資、失業率の発表がある。また1年物MLF金利の発表がある。中国政府は景気回復を主張するも、株価低迷、長期金利低下からは、そう思えない。2Q・GDPは前年比5.1%に減速の予想(1Qは5.3%)。
(乗用車販売が3カ月連続減少)
6月の乗用車販売台数は前年同月比6.9減の178万台。4月の5.8%減、5月の2.2%減に続き3カ月連続のマイナスでペースも加速した。
一方、6月の自動車輸出は前年同月比28%増となった。5月は23%。
ただ、EUが中国製EVに最大37.6%の暫定追加関税を課すことを確認したため、輸出トレンドは弱まる可能性がある。
(三中全会、来週開幕)
中国共産党は、長期的な経済政策運営の方針を決める重要会議「三中全会」を7月15日から開催する。不動産不況が長引き、景気の先行きに不透明感が広がる中、どこまで踏み込んだ対策を打ち出せるかが焦点となる。