ANAPが約16億円の債務超過 メタバース事業は利益ゼロで今期も赤字幅が拡大
(画像=「セブツー」より引用)

カジュアルウェア・雑貨ブランド「アナップ(ANAP)」を手がけるANAPは7月16日、2024年8月期の第3四半期決算(2023年9月1日〜2024年5月31日の期間累計)を発表した。売上高は22億6100万円(前年同期連結は31億6500万円)、営業利益は6億9200万円の赤字(同5億3900万円の赤字)、四半期純利益は8億400万円の赤字(同5億8800万円の赤字)だった。

なお、ANAPは連結子会社であるANAPラボを2023年11月29日付けで解散したため、今期から非連結決算に移行している。ANAPラボはAIを活用して自動的に人物画像・動画を切り抜くシステムである「Labpick」を事業展開していたが、2023年8月期通期決算は、売上高は161万7000円、営業利益は450万2000円の赤字だった。

ANAPの主力である店舗販売事業は、不採算店舗を閉鎖し収益の改善を図ったものの、新規の仕入れを抑制したことから売上高、利益ともに前年同期から減少した。店舗販売事業の売上高は15億5700万円、営業利益は2億4800万円の赤字だった。

インターネット販売事業は、売上高は5億9900万円、営業利益は1億3600万円の赤字で、不採算の他社サイトから撤退し、自社サイトや収益性の高い他社サイトに集約するも利益回復には至らなかった。

2021年12月9日に参入を表明したメタバース関連事業の売上高は100万円で、営業利益はゼロだった。ANAPは同社のファッションアイテムなどを仮想空間で利用可能な形にデジタル変換し、企業の参入を支援するメタバースファッションプラットフォーム「アパレリッド・メタ・コネクタ by ANAP」のサービス提供を開始した2022年3月17日には、ANAP株がストップ高となる403円まで買われ、ジャスダック市場(当時)で値上がり率トップとなったが、2022年8月期通期決算で1200万円だった売上高も、今期は10分の1以下まで縮小している。

ANAPは第3四半期の会計期間末時点で、約16億9372万円の債務超過に陥っている。ANAPは取引金融機関に借入金の残高維持を求める一時停止を要請し、債権者である金融機関とスポンサー候補企業と協議を重ねながら当面の資金繰りの確保を進めている。