お金の使い方として「投資すべきか」「寄付すべきか」について考えたことはあるだろうか。「投資は自分のため」「寄付は社会のため」といった考え方が一般的だが、なかには社会貢献に結びつく投資もある。

本記事では、日本人の寄付に対する取り組み方を紹介するとともに、余剰資金の使い方を考える際に持っておきたい視点も提供する。

投資とはどういう行為か ?

「投資」と「寄付」迷った際に持つべき視点。社会貢献度が高い資産運用法も
(画像=Deivison / stock.adobe.com)

基本的に資産運用として投資を行う場合、投資は「お金のリターンを求める行為」となる。そのため、社会への貢献は二の次となってしまいがちだ。

例えば株式投資であれば売却益や配当、外貨預金であれば為替差益や金利収入が金銭的なリターンとして期待できる。もちろん自分が応援したい企業や人に対して、リターンを考えずに応援として投資をする場合もあるだろう。こういった場合は、寄付的なニュアンスも出てくる。

寄付とはどういう行為か ?

基本的に寄付は「社会貢献のための行為」である。そのため「お金のリターンは全く求めない」というのが前提となる。店頭や街頭での呼びかけに応じて寄付をする場合も、何か見返りを期待してするものではない。

日本人の年間寄付金額や回数は ?

具体的に日本人は、どれくらい寄付を行っているのだろうか。欧米に比べて日本人は「寄付に対して積極的ではない」といわれることも少なくない。

内閣府が過去に発表した報告書「2022年度 (令和4年度) 市民の社会貢献に関する実態調査」によると、2021年の1年間で寄付の経験がある人は35.3%、2018年の1年間で寄付の経験がある人は41.3%だった。

このデータから日本人においては、年間1回も寄付をしない人が多数派ということがうかがえる。

【寄付経験の有無】

項目2021年調査2018年調査
寄付をしたことがある35.3%41.3%
寄付をしたことがない64.7%58.7%

2021年に寄付をしたことがある人に限ると、年間寄付金額の平均値は2万9,449円で中央値は4,500円となっている。また、寄付をしたことがある人の年間寄付回数は「1回」が33.4%で最も多く、「2回」が22.8%、「3回」が13.5%だった。

【年間寄付回数 (個人) 】

年間寄付回数割合
1回33.4%
2回22.8%
3回13.5%
4回6.7%
5~9回11.6%
10~19回10.2%
20回以上1.8%

ちなみに、寄付を行った方法としては「設置されている募金箱」が22.4%で1位だった。次いで「クレジットカード等の利用 (ポイント・電子マネーの利用を含む) 」が22.2%、「銀行・コンビニ等での振込み・口座引落とし」が22.0%と続いている。

投資すべきか、寄付すべきか ? 持つべき視点

こうしたデータを見ると日本人は、決して寄付に積極的ではないといえる。例えば、「寄付白書2021年 (日本ファンドレイジング協会) 」のデータによると、2020年の個人寄付総額は日本が1兆2,126億円なのに対し米国は34兆5,948億円にものぼり、米国と比べても大きな差がある。

ただし、周囲の寄付の有無や、どれくらいの額を寄付しているかに関わらず、寄付を通じた社会貢献は自分なりの考えで決めたいものだ。

ここでは、余剰資金で投資をすべきか寄付をすべきか考えるうえで、持っておきたい視点を3つ紹介する。

0か100かで考えなくても良い

「最初から多額を寄付する」「全くしない」といった極端な考え方をする必要はない。例えば、自分の将来に必要な分を資産運用で確保するために投資をし、そのほかの資金を少しずつ寄付にまわすなど、柔軟な考え方もありだということは改めて認識しておきたい。

対価をもらわない労働で貢献するという考え方も

お金を提供することだけが社会貢献ではない。お金を寄付すれば受け取った相手は、さまざまな用途に自由に使える。

しかし、寄付と似た概念として「対価を受け取らずに自分の労働力を提供する」という考え方もある。自分の余剰資金の一部を寄付し、自由に使える時間の一部をボランティアで……という2つのアプローチで社会貢献をする方法もある。

社会貢献に結びつく投資もある

寄付を通じた社会貢献だけではなく投資を通じて社会貢献をすることも可能だ。例えば、ESG (環境・社会・ガバナンス) に配慮してビジネスを展開している企業や、CSR (企業の社会的責任) 活動に積極的な企業に投資すれば、その企業の社会貢献を間接的に支えることになる。

他にも円預金や外貨預金を通じて社会貢献をするというアプローチもある。例えば、大和ネクスト銀行の定期預金の一つである「応援定期預金」では、預入残高に一定割合を乗じた金額が預金者の選んだ応援先に届けられる。

医療的ケアが必要なこどもやハンディキャップを抱えるこども、こども食堂の運営、沖縄のサンゴを守る活動など、預金を通じて社会貢献をする方法も選択肢の一つとしてあるのだ。

自分のスタンスを考えるきっかけに

投資か寄付かを考える際は、0か100かの極端な判断を避け、自分の生活と社会への貢献のバランスを取ることが大切だ。また、社会貢献度の高い資産運用の方法を選ぶというアプローチもある。

この機会に、自分の投資や寄付に対するスタンスを見直してみてはいかがだろうか。

(提供:大和ネクスト銀行


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