この記事は2024年9月5日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
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2024年9月5日(木)の10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。

現在の為替相場の傾向や相場観

昨日4日(水)は米7月JOLTS求人件数が767.3万件にとどまり予想以上に減少したため、米国の労働市場の冷え込みが意識されてドルが下落した。

本日5日(木)朝は日本の7月勤労統計で所定内給与が前年比+3.0%と予想以上に増えたことで日銀の追加利上げが意識されて円が上昇。米ドル/円は一時143.10円台まで下落して先月5日以来の安値を付ける場面もあった。

米国の労働市場の動向はFRBの利下げペースを左右する公算が大きいことから、市場は明日6日(金)に発表される米8月雇用統計に強い関心を寄せている。なお、本日5日(木)のNY市場でも雇用統計に先立ち、複数の労働市場関連の経済指標が発表される。

米8月チャレンジャー人員削減数、米8月ADP全国雇用者数、米4-6月期単位労働コスト(人件費)・改定値、米新規失業保険申請件数に加え、米8月ISM非製造業景況指数の構成指数として発表される雇用指数にも注目したい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は8月26日の安値(143.44円前後)を下抜けたことで8月安値の141.70円前後に向けた下押し圧力がかかりやすいと見られるだけに、これら米労働市場関連の経済指標の悪化には敏感に反応しそうだ。

もっとも、米景気の現状からはこれらの労働指標が全て悪化することは考えにくい。概ね市場予想に沿った結果であれば、明日6日(金)の米8月雇用統計待ちの様子見ムードが広がるだろう。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。