主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月25日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼24日(木)の為替相場
(1):加藤財務相 円安けん制発言
(2):独PMI改善でユーロ買い
(3):英PMIはともに低下
(4):強い米経済指標もドル買いは一時的
(5):植田日銀総裁「時間的余裕はある」
▼24日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:値動きは限定されそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
24日(木)の為替相場
期間:24日(木)午前6時10分~25日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):加藤財務相 円安けん制発言
G20財務相・中銀総裁会議に出席中の加藤財務相は、為替市場で進む円安について「足もとでは一方的な動きが見られている」「緊張感をさらに高めて注視していきたいと考えている」とけん制のトーンをやや引き上げた。
(2):独PMI改善でユーロ買い
独10月製造業PMI・速報値は42.6と市場予想(40.8)を上回った。同サービス業PMI・速報値も51.4と市場予想(50.6)を上回った。独10月総合PMI ・速報値は48.4となり、前月(47.5)から上昇した。直前に発表された仏PMIが予想を下回ったことでユーロ売りが先行していただけに、独PMIの発表を受けてユーロを買い戻す動きが出た。なお、その後に発表されたユーロ圏製造業PMI・速報値は45.9、同サービス業PMI・速報値は51.2(予想45.1、51.5)だった。
(3):英PMIはともに低下
英10月製造業PMI・速報値は50.3に低下(予想、前月ともに51.5)。同サービス業PMI・速報値も51.8に低下した(予想、前月ともに52.4)。ただ、いずれも活動拡大・縮小の分岐点である50.0は上回った。
(4):強い米経済指標もドル買いは一時的
米新規失業保険申請件数は22.7万件と市場予想(24.2万件)を下回り、前週(24.2万件)から1.5万件減少した。ハリケーンの影響が一巡したと見られ、ハリケーン前の9月の水準に概ね戻った。その後に発表された米10月製造業PMI・速報値は47.8、同サービス業PMI・速報値は55.3と市場予想(47.5、55.0)をやや上回った。いずれもドル買いの反応は一時的で、ドル/円は152円台に定着できなかった。
(5):植田日銀総裁「時間的余裕はある」
日銀の植田総裁はG20財務相・中銀総裁会議後の会見で「(円安が)日本の物価にどう影響するかを丹念に分析して見極めていく」としながらも「時間的余裕はあると考えている」との認識を示した。「マーケット動向は引き続き不安定な状況にある。インプライドボラティリティ(将来の変動率)を見ても一部ではかなり高い。今後は背後にある経済に関する認識も含めて考えたい」と語った。