メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「年間ではトリプル安。トランプ関税威嚇と中国の景気刺激唆で下げて上げる」メキシコペソ見通し

予想レンジ 7.2-7.7

 (ポイント)
*年間ではトリプル安。
*11月からはトランプ関税威嚇と中国の景気刺激唆で下げて上げる
*11月消費者物価の伸び低下で追加利下げか(次回会合は12月20日)
*メキシコは2年連続で米国の貿易相手国としてトップの座を確保
*大統領が格付け会社と会談、格付け発表が近いか
*メキシコの最低賃金が支えるニアショアリング
*メキシコ大統領 フェンタニル“過去最多押収” 取締りアピール
*ペソ安に介入不要、メキシコ中銀ロドリゲス総裁
*司法制度の混乱続く、最高裁判事8名が同時に上院に辞表
*IMF成長見通し下方修正。メキシコ中銀、OECD、世銀に続く

(12月はここまで2位、中国の景気刺激策に期待)
11月はトランプ次期大統領の関税発言で12通貨中8位、12月は中国の景気刺激策期待で反発しここまで2位。ただ昨日は8日ぶりに陰線となった。
2年連続世界最強通貨が、今年は最弱となっている。
年間ではメキシコペソは依然最弱で対円で9.16%安、10年国債利回りは10.32%(年初は9.26%)、ボルサ株価指数は年初来で10.61%安。

(11月消費者物価の伸び低下で追加利下げか)
11月の消費者物価は前年同月比4.55%上昇。10月の4.76%上昇からは鈍化し、予想の4.59%を下回った。コア指数は前年同月比3.58%上昇し、伸びは10月の3.8%から低下した。 インフレが予想通りの動きを続ける中、メキシコ中銀は12月19日に政策金利を0.25%引き下げると予想される。
11月のインフレ率の鈍化は、メキシコにおける供給ショック、コスト上昇、過剰国内需要による価格圧力が弱まっていることを示している。4月以来のペソ下落は依然としてリスクだ。中銀はインフレ率は2025年まで引き続き鈍化すると予想している。そうなれば政策当局は金利をさらに引き下げることができるが、米国の政策の不確実性を考えると、緩和ペースを加速させることはないだろう。政策金利決定は12月20日。

(鉱工業生産、消費者信頼感は悪化)
10月鉱工業生産は前年比2.2%減で前月の0.3%減から悪化した
11月消費者信頼感指数は47.7で前月の49.5から悪化した。

(メキシコは2年連続で米国の貿易相手国としてトップの座を確保)
メキシコは2年連続で米国の最大の貿易相手国としての地位を確保した。貿易動向のこの変化は、変化する世界経済情勢と地域パートナーシップの強さを反映している。
2024年1月から10月までの米国の総輸出入に占めるメキシコのシェアは15.9%である。カナダが14.4%でこれに続き、中国が10.9%となっている。
この順位は、中国とカナダが交互に米国の主要貿易相手国となっていた過去数年と比べて大きな変化を示している。メキシコの対米輸出額は4,244億ドルに達し、カナダの3,438億ドルを上回った。
政治的課題が続いているにもかかわらず、地域統合の取り組みが成功していることを強調するものでもある。次期政権が主要貿易相手国に関税を課すと脅していることは、こうした関係に不確実性を加えている。