総括
FX「重点目標は内需拡大。人民元は安定。外国自動車が中国で苦難」人民元見通し
(通貨4位、株価9位)
予想レンジ 人民元/円 20.5-21.5
(ポイント)
*中央経済工作会議の重点目標は内需拡大
*景気減速、トランプ関税とあるが人民元はドルとパラレルに動く
*中国経済の減速が議論されているが、実際の数値は欧米先進国よりも高い
*11月小売売上げが減速、消費減速が輸入減速にも繋がっている
*EV主導の自動車産業にテスラを除く欧米日の業者がついていけなくなってきた
*明日20日にローン・プライムレートの決定
*景気刺激策も海外投資家は様子見
*成長率見通し引き上げ、ムーディーズ
*フィッチは、来年の経済成長予測を4.5%から4.3%に下方修正
*異例の緩和策示唆で長期金利低下。人民元は大きく下落せずドルと歩調を併せる
*対中強硬派のルビオ上院議員を米国務長官に指名
(人民元は安定推移した2024年)
激動の経済、外交だがその中で人民元の為替は安定している2024年。元は対円で年初来6.77%高。対ドルで2.73%高。ドルは12通貨で年間2位。元は4位と寄り添う。ロシアが求めるBRICS新通貨の創設よりドルと安定相場が重要のようだ。
金融緩和策に従って10年国債は1.72%まで低下した後、行き過ぎとの警戒で1.75%へ戻す。年初は2.59%、11月末は2.02%であった。
上海総合指数は今日はFOMCの後で荒れるだろうが昨日終値で年初来13.69%高、香港ハンセン指数は16.53%高(日経平均は16.79%高)
(明日20日にローン・プライムレート)
今週は明日20日にローン・プライムレート決定、24日に1年物MLF金利の発表がある。
(11月鉱工業生産、小売売上高)
11月の鉱工業生産は前年比5.4%増加し、10月の5.3%から伸びが加速した。
11月小売売上高は3.0%増加し、伸び率は10月の4.8%を下回った。
1-11月の固定資産投資は前年同期比3.3%増加した。1-10月は3.4%。
(海外投資家は様子見)
中国本土株は今年、2016年以降で最大の上昇、ハンセン指数も2017年以来の大幅上昇
となる見込みだが、海外投資家は総じて様子見姿勢だった。
11月、中国資本市場は過去最大の457億ドルの資金流出で、トランプ次期米政権の関税引き上げ観測と先行き不透明感から外国人の売りが膨らんだ。
(成長率見通し引き上げ、ムーディーズ)
ムーディーズは今週、中国の2025年のGDP伸び率予測を4.2%とし、従来の4.0%から引き上げたと発表した。信用状況の安定が見込まれるほか、9月以降の景気刺激策によってトランプ米次期政権が関税を引き上げた場合の影響がある程度緩和されると予想していると説明した。
(世界最大の自動車市場からの撤退が始まった)
GMにとって、中国が圧倒的に最大かつ最も収益性の高い市場だったのは、それほど昔のことではない。中国での売上と利益のおかげで事業を継続することができた。
今ではその逆だ。GMは米国内では記録的な利益を上げているが、中国ではかなりの損失を出しており、いつまで存続できるか疑問視されている。
中国で問題に直面しているのはGMだけではない。1990年代末から2000年代初めにかけて中国で自動車の製造と販売に躍起になった西側諸国の自動車メーカーのほとんどが現在苦戦している。
中国自動車メーカーは国内の自動車販売の約70%を占めている。わずか5年前まで、中国市場のシェアはわずか38%で、残りは外国ブランドが占めていた。
*中国のEV化
「10年前、習近平国家主席と中国の自動車メーカーは『我々は内燃機関車で世界の自動車メーカーを追いかけてきたが、追いつけない。電気自動車に全力で取り組む』と決断した。
現在、上海に工場を持つテスラを除く欧米の自動車メーカーは、BYDなど中国メーカーの低価格EVやハイブリッド車に追いつこうとする努力で大きく遅れをとっている。