ホンダのミッドサイズセダンである「アコード」。現在の最新モデルとなる11代目は2024年3月に発売になっています。そんなミッドサイズセダンのライバルとなるのは、日産の「スカイライン」です。どのような違いがあるのかを解説します。文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
「アコード」の特徴
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ホンダのミッドサイズセダンとなる「アコード」。最新モデルとなる11代目モデルは、2024年3月に日本での販売が開始となっています。プラットフォームは先代からの踏襲で、パワートレインは改良された2リッターのハイブリッド「e:HEV」。日本ではFFモデルのみの1グレードでの発売になります。価格は544万9400円。燃料電池車である「CR-V e:FCEV」の809万9400円(リース専用車)に次いで、ホンダで高額な車種となります。
「スカイライン」の特徴
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日産「スカイライン」は、1957年に初代が誕生してから、常に日産を代表するモデルとして人気を集めてきたミッドサイズセダンです。現在、発売されているのは13代目モデルである、2013年11月に発表され、翌2014年2月に発売になっています。
すでに発売から10年が過ぎていますが、何度かの大幅改良を経て、今も日産の最上位セダンとして君臨しています。現在は、3リッターのV6ターボ・エンジンを搭載するFRのエンジン車のみとなっており、通常グレードの「400R」「GT Type SP」「GT Type P」「GT」と、高性能な「NISMO」「NISMO Limited」が発売されています。価格は通常グレードが、456万9400円~589万9300円、「NISMO」が788万0400円~947万9800円となります。
「アコード」と「スカイライン」をパワートレインで比較
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「アコード」のパワートレインは、2リッター4気筒のガソリン・エンジンと、発電用と駆動用の2つのモーターを組み合わせた、FFのハイブリッド「e:HEV」です。走行領域のほとんどを、エンジンで発電した電力でモーター駆動するシリーズ・ハイブリッドとして走り、高速走行領域の一部で、エンジンの力を直接使うパラレル・ハイブリッドになります。駆動をシチュエーションによって切り替えるのが特徴です。
走行性能は主に駆動モーターに依存しており、そのパワーは、最高出力135kW(184PS)、最大トルク335Nmとなります。燃費は、23.8㎞/l(WLTCモード)です。
一方、「スカイライン」は3リッターのV6ガソリン・ターボ・エンジンに7速ATを組み合わせた後輪駆動の2WDです。そのパワーは通常グレードの「GT Type SP」「GT Type P」「GT」で最高出力224kW(304PS)に最大トルク400Nm。通常グレードの「400R」で最高出力298kW(405PS)に最大トルク475Nmを誇ります。「NISOMO」になると、さらにパワフルになり、最高出力は309kW(420PS)に最大トルク550Nmにも達します。ただし、燃費性能は、通常グレードで10.0km/l(WLTCモード)、「NISMO」は不明となります。
パワーでは「スカイライン」は「アコード」よりも100馬力以上パワフルですが、燃費は半分以下になってしまいます。
「アコード」と「スカイライン」をパッケージング&ユーティリティで比較
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「アコード」の寸法は、全長4975×全幅1860×全高1450㎜で、室内寸法は長さ2010×幅1590×高さ1175㎜。トランク容量は570リットルとなります。
一方、「スカイライン」の寸法は、全長4810×全幅1810×全高1440㎜で、室内寸法は長さ2000×幅1480×高さ1180㎜。トランク容量は510リットルとなります。
寸法的には「アコード」が大きく、その分、室内が広く、トランク容量も大きいことがわかります。
「アコード」と「スカイライン」を先進運転支援機能で比較
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「アコード」は、最新のホンダの先進運転支援システム「ホンダセンシング360」を採用しています。特徴としては、衝突軽減自動ブレーキや、路外逸脱抑制機能などのステアリングアシスト、渋滞追従機能付きACCなどの基本に加え、交差点への進入時に左右から近づく前方交差車両警報機能や、駐車をサポートするホンダ・パーキングパイロットなどの機能が備わっています。
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「スカイライン」はデビュー10年目となりますが、先進運転支援システムは、日々アップデートされており、衝突軽減自動ブレーキや車線逸脱防止支援システム、ACCなどは備わっています。ただし、やはり最新の「ホンダアクセス360」と比較すると、機能的に数少ないのは否めません。
アコード」と「スカイライン」のキャラクターの比較
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「アコード」はハイブリッド専用車であり、FFで室内と荷室が広いというのが特徴です。スポーティな走りもしますが、それはファミリーセダンの範疇内というもの。一方、「スカイライン」は、後輪駆動のエンジン車で、しかもパワフル。ファミリーカーというよりも、本格スポーツカーのような性能を秘めています。
今どきの最先端のファミリーセダンである「アコード」と、伝統のスポーツセダンである「スカイライン」というキャラクターは、まったく異なったものとなっています。