グロースエクスパートナーズ株式会社
(画像=グロースエクスパートナーズ株式会社)
渡邉 伸一(わたなべ しんいち)――代表取締役
1996年、株式会社エーティーエルシステムズ入社 、自社プロダクト開発、事業企画・戦略立案に従事。2002年、同社取締役を経て、2008年「顧客企業の価値創造を通じて社会に革新をもたらす」というミッションのもと、グロースエクスパートナーズ株式会社を創業。 ユニークなビジネスモデルとしてニプログループ、三越伊勢丹グループなど日本を代表するリーディングカンパニーと共同で会社を設立。エンタープライズDX領域で事業を成長させる。
当社は『ITを駆使して顧客企業の価値を創造する』というミッションのもと、顧客であるエンタープライズ企業が、長年蓄積してきた「レガシー資産」を活用し『組織変革』と『IT変革』を用いて、顧客自らが事業創造を実現するためのDX支援を推進しています。
 顧客の価値を定義するDXコンサルティング、出島型アプローチにより顧客と共同運営で進める企画、開発、DX人財育成、AI・データ解析など、幅広い領域で顧客のDXに伴走します。

目次

  1. 創業時からの事業変遷
  2. 上場を目指された背景や思い
  3. 今後の事業戦略や展望
  4. 今後のファイナンス計画や重要テーマ
  5. ZUU onlineユーザーに一言

創業時からの事業変遷

—— 創業時からの事業変遷についてお伺いしたいのですが、2008年に創業されてから、ニプロ様や三越様といった大手企業との取引を増やしながら成長されてきたと伺っています。創業時の思いや、それがどのように会社の強みにつながっているのか、お聞かせいただけますか。

グロースエクスパートナーズ株式会社 代表取締役社長・渡邉 伸一氏(以下、社名・氏名略) 創業のきっかけですが、以前の会社で出会ったお客様がニプロ様や三越伊勢丹様でした。その会社が敵対的TOBを仕掛けられたため、新たに会社を作り直すことになりました。ですので、創業時からビッグクライアントと取引を始めることができたのです。

この会社を創業した思いは、社名にも込められています。お客様とお互いに成長していけるパートナーシップを築きたいと考えています。これは社内のメンバーとも同じで、会社と個人が共に成長できる環境を提供したいと思っています。

その考えをニプロ様や三越伊勢丹グループ様にお伝えしたところ、面白い取り組みだということで資本業務提携をしていただきました。我々が良くなれば株主としても良くなるし、お客様のDXが進むことを支援できれば、利益率が上がる、新しいビジネスが立ち上がるといったウィンウィンの関係を追求しています。

—— DXをテーマにした会社は多くありますが、その中で選ばれ続けるのは大変なことだと思います。上場までこぎつけた強みや、他社にはない差別化要因について教えていただけますか。

渡邉 当社の強みはエンタープライズDXにあります。日本の企業には素晴らしい能力を持つ社員やレガシーシステムがたくさんありますが、それがうまく生かされていない状況が続いています。そこで、我々は大手企業をターゲットにしたビジネスを展開しています。

競合は大手SIerや戦略コンサルティング会社ですが、我々は大手とガチンコ勝負をすることを選びました。コンサルティングスタイルにおいても、大手のグローバルな成功事例をベストプラクティスとして提供するのではなく、お客様の持つ強みを最大限に活用するにはどうすればいいか、弱みを補完するにはどうしたらいいかということを一緒に考える 伴走型のスタイルを取っています。

上場を目指された背景や思い

—— 弊社の読者層には経営者や投資家が多く、特に上場される企業に注目している方が多いです。来週、新規上場を果たされるということで、その背景についてお伺いできればと思います。

渡邉 最初は特に上場を目標にしていたわけではありませんでした。もともといた取締役をしていた会社が敵対的TOBされ、再スタートを切る形で会社を設立しましたので、自社のビジネス、お客様のビジネスを愚直に追求することに専念していました。その結果、増収増益を続け、社員も200名を超えるようになりました。

2018年には創業10年を迎え、売上も増える中、会社を分社化して、ホールディングス持株会社を設立して次世代の経営にバトンタッチする準備を進めました。経営と所有の分離を進める中で、私がいなくなっても次の経営層がしっかりと会社を運営できる体制が整ってきたと感じました。そこで、社会的責任も増してきたことから、上場を目指す決断をしました。私がどうにかなっても会社が続き、お客様や社内に迷惑をかけないような状態にするために、上場の準備を始めました。

今後の事業戦略や展望

グロースエクスパートナーズ株式会社
(画像=グロースエクスパートナーズ株式会社)

—— 今後の展望について、どのような事業を考えていらっしゃるのでしょうか?

渡邉 やはり我々のビジネスでは人材が非常に重要です。まずは人材の獲得に力を入れています。既存の社員の定着率も非常に良く、離職率は3%程度で推移していますので、この定着率を維持しつつ、新たな人材を獲得するために社内の制度を拡充し、待遇を向上させることに投資が必要です。また、時間をお金で買うという意味でも、M&Aや資本提携を通じて仲間を増やすことに資金を使う予定です。

—— 人材の確保に注力されているんですね。目論見書も拝見しましたが、人材採用や人件費に大きく投資されるのですね。

渡邉 そうですね。さらに、我々のビジネスに新しい技術を導入するために、スタートアップへの投資も計画しています。上場した資金を活用して、これらの取り組みを実現していく予定です。

—— リファラル採用やアルムナイ制度も活用されて、退職者が戻ってくることもあるとか。

渡邉 ええ、退職者が戻ってくることは珍しくありません。退職後も良好な関係を維持し、定期的に交流会を開くことで、戻ってきたいという声を聞くことが多いです。実際に幹部として戻ってきた社員もいます。

—— 福利厚生について、他にも特徴的なものはありますか?

渡邉 401k制度や各種保険の全額会社負担などを導入しています。社員食堂もあり、安価で食事を提供しています。また、カロリーのないドリンクは無料で提供しています。技術やスキルを磨ける環境も整えており、お客様と共にビジネスを作る経験ができるのも大きな魅力です。

—— 福利厚生が充実しているのは羨ましいですね。創業十数年でここまでの体制を整えているのはすごいと思います。

渡邉 人材がビジネスの競争力の源泉ですので、長期的に育成し、定着させる環境を維持することが重要だと考えています。人への投資は我々のビジネスの強みです。

今後のファイナンス計画や重要テーマ

—— M&Aやスタートアップについての計画についてお話を伺いたいのですが、具体的にどのような戦略をお考えですか?

渡邉 まず、我々が考えているのは、現在パートナーとして協力している同業の会社との関係を深めることです。開発フェーズでは、どうしても我々だけでは難しい部分があるので、お客様とのチームにパートナーの方々も参加してもらっています。こうしたパートナーの会社に対して、資本を含めたより強固な関係を築くことや、一緒に経営統合することを第一に考えています。

それに加えて、我々はM&Aセンターさんや野村証券の出身者ともネットワークを持っています。他のM&A仲介会社とも強い関係を築いており、定期的にニーズを共有しています。過去に紹介されて、上場前で審査に絶えられないと断念した案件もありますので、次の候補として考えています。

また、我々はIT-Farm社というベンチャーキャピタルとも資本業務提携をしています。ここは日本ではあまり有名ではありませんが、シリコンバレー界隈では非常に有名な会社です。我々は彼らの技術を活用し、お客様に提供することで、双方のビジネスを成長させることも視野に入れています。

ZUU onlineユーザーに一言

—— 最後にZUU onlineユーザーに向けて、一言お願いします。

渡邉 我々のビジネスが少しわかりづらいかもしれません。我々は、競合他社が少ない特殊な分野で活動しています。

最近は、顧客の海外事業の拡大に伴い、グローバルサービスを強化しており、海外出身の人材や帰国子女などを多数採用しています。将来的には海外出身者の比率を50%近くまで引き上げたいと考え、グローバルな社風を形成し、グローバル市場に対応できる会社を目指しています。今後読者の皆様には、長い目で我々の事業を見守っていただきたいと思っています。

氏名
渡邉 伸一(わたなべ しんいち)
社名
グロースエクスパートナーズ株式会社
役職
代表取締役

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