主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年1月28日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼27日(月)の為替相場
(1):コロンビア関税でリスクオフスタート
(2):中華AI登場で米ハイテク企業への懸念
(3):中国製造業PMIは低下
(4):IFO企業景況感は上昇
(5):米新築住宅販売件数 予想を上回る
▼27日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:一段の下落の可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
27日(月)の為替相場
期間:27日(月)午前7時00分~28日(火)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):コロンビア関税でリスクオフスタート
コロンビアが米国から強制送還される不法移民を乗せた飛行機の着陸を拒否したことで、トランプ米大統領がコロンビア製品に対して25%の緊急関税賦課を指示し、1週間後には50%に引き上げると発表。コロンビアも報復関税を表明したことで貿易戦争への懸念が生じ、リスクオフの円買いが優勢となった。その後、昼過ぎにはコロンビアが条件に合意したことで米国の対コロンビア関税は保留。円を売り戻す動きとなった。
(2):中華AI登場で米ハイテク企業への懸念
中国の新興企業DeepSeek(ディープシーク)は先週、低コストの人工知能(AI)モデルを開発したことを発表。週末に米ハイテク企業の優位性への懸念が広がったことで、ナスダック100指数先物やS&P500種先物が前週末終値から下落して取引が開始された。AI銘柄の代表格であるエヌビディアの株価は一時18%超下落。同社はこの日、時価総額の減少額としては米株式市場で過去最大となる5890億ドル(約91兆円)を失った。
(3):中国製造業PMIは低下
中国1月製造業PMIは49.1と市場予想や前月(50.1)を下回り5カ月ぶりの水準に低下した。
(4):IFO企業景況感は上昇
独1月IFO企業景況感指数は85.1と予想(84.8)や前月(84.7)を上回った。構成指数のうち、現行指数が改善を示した一方で、6カ月先を予測する期待指数は予想に反して低下していたことで、IFO所長は「企業は引き続き見通しに悲観的だ」と述べた。
(5):米新築住宅販売件数 予想を上回る
米12月新築住宅販売件数は年率換算で69.8万件と市場予想(67.5万件)を上回った。