主要通貨ペア（ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円）について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 ：2025年1月31日8時30分
執筆・監修：株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼30日（木）の為替相場
（１）：日銀副総裁 利上げ時期などには言及せず
（２）：独GDP 予想を下回る
（３）：ECB 予想通りの利下げ
（４）：米GDP 予想を下回る
（５）：米大統領 関税発動を表明
▼30日（木）の株・債券・商品市場
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30日（木）の為替相場
期間：30日（木）午前7時10分～31日（金）午前6時55分 ※チャートは30分足（日本時間表示） 出所：外為どっとコム
（１）：日銀副総裁 利上げ時期などには言及せず
日銀の氷見野副総裁は、経済・物価見通しが実現していけば「それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」「実質金利がはっきりマイナスの状態が続くのは普通の姿とは言えない」などと、今後も利上げを継続する考えを示した。一方で、「自然な形でゆっくりと金利のある世界に入っていく姿が理想」として、今後の利上げ時期やペースに対しては具体的に言及しなかった。
（２）：独GDP 予想を下回る
独10-12月期国内総生産（GDP）・速報値は前期比-0.2％と市場予想（-0.1％）を下回った。これより後に発表されたユーロ圏10-12月期GDP・速報値は前期比±0.0％だった（予想+0.1％、7-9月期+0.4％）。
（３）：ECB 予想通りの利下げ
欧州中銀（ECB）は市場の予想通りに政策金利である預金ファシリティ金利を3.00％から2.75％に引き下げた。声明では「理事会の金利決定は入手する経済・金融データ、基調的なインフレの動向、金融政策の波及の強さを考慮したインフレ見通しの評価に基づいて行われる」とあらためて表明した。その後の会見でラガルド総裁は、利下げについて「向かっている方向は明らかで、今回の決定は全会一致だった」と説明。一方で先行きについては、「確固としたフォワードガイダンスを得たいと考えている向きには、そのようなものは非現実的だと言いたい。現時点で重大な不確実性があるからだ。不確実性はおそらく強まっている」と語った。
（４）：米GDP 予想を下回る
米10-12月期GDP・速報値は前期比年率+2.3％と市場予想（+2.6％）を下回り、7-9月期（+3.1％）から成長が減速した。しかし、10-12月期個人消費は極めて堅調で伸び率は+4.2％と2023年1-3月期以来の大きさだった。なお、同時に発表された米新規失業保険申請件数は20.7万件と予想に反して前週から減少した（予想22.5万件、前週22.3万件）。
（５）：米大統領 関税発動を表明
米国のトランプ大統領は、2月1日にカナダとメキシコに対して25％の関税を発動するとあらためて表明。不法移民や違法薬物の流入および対米貿易黒字をその理由に挙げた。米国の関税措置はインフレを再燃させる可能性があるとして長期金利が低下幅を縮小。ドルにも買い戻しが入った。クロス円はドル円の持ち直しより、ストレートドルの反落が影響して軟化した。
