
総括
FX「収用法問題とVAT引き上げ問題あるも3位、今週はGDP」南アランド見通し
「通貨3位、株価10位」
「予想レンジ 南アランド円7.8-8.3」
(ポイント)
*焦点は収用法問題とVAT引き上げ問題
*対米亀裂はあるが、南アランドはドルより強い。ただ円には引き離されている
*内憂外患
*今週はGDPの発表
*CPIはインフレターゲット下限
*1月貿易収支は1年振りの貿易赤字
*停電は続いている
*援助打ち切りの米に代わり中国が支援約束
*トランプ大統領は、南アへの支援を停止する大統領令に署名
*南アは「投資適格」を目指す
*今年秋のAGOA法(南アから米国への免税輸出)の見直しが焦点
(問題山積もランドは通貨3位)
トランプ大統領の南アの「収用法」批判から経済支援停止、国内ではVAT引き上げで連立政権内で争いなどがあるが、ランドは12通貨中3位と踏ん張っている。ただ今年は円だけが独走していて他の通貨はトルコを除き団子状態なので、いつなんどき順位が変わるかもしれない。
南ア全株指数は年初来2.2%高。10年国債利回りは10.53%。
*高金利通貨はどれも問題を有するものが多い。それを高金利でカバーしているということだろう。
(今週の重要指標)
4Q・GDPの発表がある。予想は前年比で1.1%増、前期比で1%増。前期はそれぞれ0.3%増、0.3%減。
その他2月ABSA製造業PMI、S&PのPMI、1Q企業信頼感指数、4Q経常収支、2月外貨準備高などがある。
(1月貿易収支は1年振りの貿易赤字)
1月貿易収支は164.2億ランドの赤字。1年振りの貿易赤字だが日本と同じく1月は貿易赤字になり易いようだ。
(1月インフレは)
1月消費者物価は前年比3.2%上昇で前月の3%から上昇。コアは3.5%で前月の3.6%から低下。インフレターゲットの3-6%の下限に位置している。
(VAT=付加価値税の行方)
連立政権内での付加価値税増税案をめぐる意見の相違により生じた予算の遅れは、南アのアパルトヘイト廃止後史上初の事態であり、3月12日に予定されている予算発表を前に不確実性を生み出している。
ゴドンワナ財務大臣とラマポーザ大統領は、VAT引き上げ案を強硬に推進しており、DAがこの提案に同意しない場合はANCがDAの意向を無視して行動すると警告しているが、これはGNUにとって脅威となっている。ANCはDAに対し、DAがVATの増額幅縮小を拒否した場合、必要な票を得るためにEFFに働きかけると警告した。
ゴドンワナ氏は当初予算で付加価値税を2パーセント引き上げることを提案したが、DAや他の野党から強い抵抗を受けた。 先週の協議を経て、ゴドンワナ氏は提案を修正し、より控えめな0.75%引き上げを提案したと報じられている。しかし、DAは依然としてこの新しい提案に同意していない。
EFF は DA と同様に、ゴドンワナの VAT 値上げに反対している。しかし、同党は以前、DA が離脱した場合、国民統一政府 (GNU) への参加を検討すると表明している。
予算に関する交渉は3月3日も継続され、修正予算は2025年3月12日に提示される予定となっている。