
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年3月6日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼5日(水)の為替相場
(1):豪GDPは加速
(2):日銀副総裁講演
(3):中国全人代開幕
(4):ADPは予想を大幅に下回る
(5):ISM非製造業 予想に反して拡大
(6):自動車関税延期
▼5日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値は限定的となりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
5日(水)の為替相場

期間:5日(水)午前7時10分~6日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪GDPは加速
豪10-12月期国内総生産(GDP)は前期比+0.6%、前年比+1.3%と市場予想通りに前期(+0.3%、+0.8%)から成長が加速した。
(2):日銀副総裁講演
内田日銀副総裁が静岡県金融経済懇談会で講演。基調的な物価上昇率が日銀の目標(2%)に達していないことを指摘しつつ「今後も物価と賃金の動向に応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」との見解を示した。また長期金利については「長期金利は市場で自由に形成されるが、急激な上昇時には日銀が機動的に介入する方針」と語った。午後の会見では、今後の利上げペースについて「特定のペースを念頭に置いていない」と述べて金融政策決定会合ごとに経済や物価の情勢を丁寧に点検しながら判断していく考えを強調した。
(3):中国全人代開幕
中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が開幕。2025年の経済成長率目標を昨年と同じ「5%前後」に設定。また、積極的な財政出動を行うために、対GDP比の財政赤字については昨年から1ポイント引き上げて「4%前後」にするとした。
(4):ADPは予想を大幅に下回る
米2月ADP全国雇用者数は7.7万人増と市場予想(14.0万人増)を大幅に下回った。トランプ米政権の政策の不確実性や個人消費の減速が、人員削減や雇用の鈍化につながった可能性が指摘された。
(5):ISM非製造業 予想に反して拡大
米2月ISM非製造業景況指数は53.5と市場予想(52.5)に反して前月(52.8)から拡大。構成項目の一つである雇用指数は53.9で3カ月連続で上昇し、2021年12月以来の高水準となった。
(6):自動車関税延期
米ホワイトハウスは、米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)経由の自動車輸入については関税を1カ月延期すると発表した。