「カルティエ」が国際女性デーに先駆け大阪・関西万博「ウーマンズパビリオン」の概要を公開
左から)司会を務めたSHELLYと「カルティエ」ジャパンプレジデント&CEOの宮地純氏(画像=「セブツー」より引用)

「カルティエ(Cartier)」は3月6日、国際女性デー(3月8日)に先駆け、2025年大阪・関西万博の「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier(以下、ウーマンズ パビリオン)」の概要を発表した。同日、プレスカンファレンスを開催し、司会はタレントのSHELLYが務めた。「カルティエ」は、「女性が輝けば、人類・社会全体が輝く」という理念のもと、長らくジェンダー平等推進のための活動に力を入れてきた。

カルチャー&フィランソロピー会長のシリル・ヴィニュロン氏は「ウーマンズパビリオンはすべての女性、そしてその協力者とともに未来を築くために、女性が果たす役割を称えます。この素晴らしいプラットフォームを通じて、来場者を変革の旅へといざないます」とコメントした。

「ウーマンズパビリオン」では、コンセプトに「ともに生き、ともに輝く未来へ」を掲げる。このビジョンの中心となる「ともに生き (Living Together)」の部分では、「共生」「持続可能性」をキーワードに個人、地域、社会がどのように地球と共生し環境への責任を果たしていくのかを考える重要性を表している。

また「ともに輝く(Designing Together)」には、2025年大阪・関西万博全体のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に基づき、多様な存在がシームレスに融合することでそれぞれの可能性を最大限発揮できる社会を目指す意志が込められている。「未来へ(For the Future)」は未来への前向きな意見交換の場としてのウーマンズパビリオンの役割を表している。

「カルティエ」ジャパンプレジデント&CEOの宮地純氏は「2020年ドバイ万博に続いて再びウーマンズパビリオンを出展できる事を大変光栄に思います。ウーマンズパビリオンでの体験が、何かを感じ、考え、行動に移すきっかけとなり変化を加速する原動力になれば幸いです」と述べた。

「ウーマンズパビリオン」の組子ファザードは2020年ドバイ万博の日本館で取り入れられたものだ。デザインは建築家の永山祐子が手掛け、伝統とモダニティをつなぐ架け橋として象徴的な役割を果たしている。2025年大阪・関西万博でも再利用され、カルティエの持続可能性とクラフツマンシップへの揺るぎないコミットメントを体現している。

パビリオンは自然と人、資源が相互に関わり合う「循環」を意識してデザインされた。周囲の木々は地元で調達され、万博終了後は大阪の山々に返すことで自然サイクルを象徴する。庭園は持続可能性を念頭に、景観デザイナーの萩野寿也によって地域の植物とともに日本の四季が描写された。

町屋建築に着想を得た館内に入る来場者を最初に迎えるのは、世界的アーティストのエズ・デヴリンが手掛ける没入型の芸術体験だ。作品に来場者の名前を用いることでその来場者をパーソナライズされたストーリーへ導き、各グループに話し合いの場を提供することでリフレクション(振り返り)の機会を作る。エズ・デヴリンの作品は個人と集団それぞれの取り組みの橋渡しとなり、「ウーマンズパビリオン」のメッセージをボーダーレスに強調するだろう。

「ウーマンズパビリオン」の「ともに」の精神は、没入体験を通じて没入体験を通じて共鳴し、多くの才能溢れるアーティストによって活性化される。プレリュードムービーを担当するのは映画監督の河瀨直美。俳優、映画監督、アーティストでもあるフランスのメラニー・ロランは、ポートレートや彫刻のみならず、サウンドスケープやバーチャルリアリティなど型にとらわれないアプローチで女性エンパワーメントと向き合う。

彼女との協働で制作された千葉尋のポートレートは、その革新的なクロログラフによって独特な芸術性を獲得している。マルチアーティストの森万里子は、「ウーマンズパビリオン」が掲げる「ともに」「人間性の共有」をテーマに作品を制作した。「サカイ(sacai)」デザイナー兼クリエイティブディレクターの阿部千登勢は、案内係の制服デザインを通して調和とモダニティを表現している。

彼女たちを始めとした先見性溢れる協力者全員が一丸となって、来場者の感性、思考を大いに刺激する刺激する体験を生み出すウーマンズパビリオンは、業種や文化を超えて物事を変革する力を持つ「集団の声」の可能性について考える絶好の機会となるだろう。