
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年3月24日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼21日(金)の為替相場
(1):日本のCPIは予想を上回る
(2):ドイツ上院 財政改革を承認
(3):NY連銀総裁「何の意味合いも持たない」
(4):米大統領「柔軟性がある」
▼21日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:再び150円台乗せを試す展開も/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
21日(金)の為替相場

期間:21日(金)午前6時10分~22日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本のCPIは予想を上回る
日本2月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.7%と前月(+4.0%)から伸びが鈍化したものの、市場予想(+3.5%)は上回った。日銀が重視するコアCPI(除く生鮮食品)も前年比+3.0%と減速(1月+3.2%)したが、市場予想(+2.9%)を上回った。政府による電気・ガス価格支援策の再開でエネルギー価格の伸び率が大幅に縮小した一方で、生鮮食品を除く食料が一段と伸び率を拡大した。日銀の利上げを後押しする結果になったとの見方からやや円高に振れたが、ごく一時的だった。
(2):ドイツ上院 財政改革を承認
ドイツ連邦議会(上院)は、18日に下院を通過済の財政改革法案を承認。「債務ブレーキ」を緩和する憲法改正によって、国防と安全保障への歳出抑制を外すほか、インフラ整備へ5000億ユーロの基金を創設することが可能になった。次期首相候補のメルツ・キリスト教民主同盟 (CDU)党首は「ドイツを外から見れば、欧州や欧州以外の諸国から聞こえてくるのは、圧倒的にわれわれが合意したことへの肯定的な評価だ」と述べた。
(3):NY連銀総裁「何の意味合いも持たない」
米NY連銀のウィリアムズ総裁は「労働市場が堅調に推移する中、インフレ率が連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%をなお若干上回っていることを踏まえると、現在のやや引き締め的なスタンスは完全に適切である」との見解を示した。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定したバランスシート縮小ペースの減速については「FRBのポートフォリオ縮小の取り組みにおける『自然な次のステップ』だ」とした上で「金融政策には何の意味合いも持たない」と述べた。
(4):米大統領「柔軟性がある」
トランプ米大統領は、4月2日に発動を予定している広範な相互関税について「柔軟性がある」と発言した。一部の国・地域に対する関税賦課の除外を示唆したと受け止められたことで一時500ドル超下落していたNYダウ平均株価が上昇に転じるなど市場心理が改善。一時はリスク回避で買われていた円にも売り戻しが入った。