
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年4月10日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼9日(水)の為替相場
(1):米相互関税発動
(2):日本政府 三者会合開催
(3):中国報復上乗せ関税発表
(4):相互関税90日の一時停止
(5):FOMC議事録公表
▼9日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:148円台前半を上抜けられるかが焦点/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
9日(水)の為替相場

期間:9日(水)午前6時10分~10日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米相互関税発動
トランプ米政権は2日に発表していた通り、日本への24%などを含む相互関税を発動。報復措置を公表していた中国に対しては、トランプ大統領が示していた通り計104%の関税が課されることになった。
(2):日本政府 三者会合開催
日銀・財務省・金融庁は三者会合を開催。三村財務官は、トランプ米政権による関税措置について「世界各国の経済に大きな悪影響を与えうる」とし、政府・日銀の連携に万全を期しつつ、市場動向を高い緊張感をもって注視し、適切に対応する考えを共有したと語った。
(3):中国報復上乗せ関税発表
中国政府は米国との通商に関する白書を発表。「中国には『最後まで闘う』意志と手段があり、米国は『自らがまいた種の報いを受ける』ことになるとした。そのうえで、米国の104%関税への報復として、34%の関税に50%上乗せして税率を84%にして現地時間10日の午後0時1分(日本時間午後1時1分)に発動すると発表した。貿易戦争の激化懸念から欧米株が下落し、全般的に円買いが強まった。
(4):相互関税90日の一時停止
トランプ大統領は、この日発動した相互関税の上乗せ分について自身のソーシャルメディアで75か国以上が米国に交渉を要請し、報復措置をとっていないことから、これらの国に対して「90日間の一時停止と、この期間中の相互関税を10%に大幅に引き下げる」と発言。同時に報復措置をとった中国に対しては関税を125%に引き上げることを発表した。いずれの措置も「即時発効」とも付け加えた。
(5):FOMC議事録公表
米連邦準備制度理事会(FRB)は3月18-19日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表。当局者のほぼ全員が「インフレの上振れリスクと雇用と経済成長の下振れリスクの増大を予想」との認識を示し、スタグフレーション(景気後退)のリスクを指摘していた。