トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「イマモール氏逮捕後のトリプル安から抜け出せず」トルコリラ見通し

 (通貨最下位、株価12位)   
予想レンジ トルコリラ/円3.5-4.0

*2025年リラ円買いは、スワップでかろうじて益が残る
*イマモール氏の逮捕後のトリプル安から抜け出せず
*今年は、仲間の円が強いので、リラは独歩安
*対ドルではじり安続く
*S&P: トルコの「BB-/B」格付けは安定的な見通しで確認
*来週は1Q・GDP
*外貨準備高。2週連続で増加
*EUに関税同盟の更新とシェンゲン協定の制限緩和を要請
*介入以外のリラ安対策を打ち出す
*トルコ中銀、2024年に184億ドルの損失を計上
*米国の相互関税は10%
*トルコの外貨預金比率は34.25%で高い
*リセッション抜け出す、2024年のGDP成長率は3.2%
*中銀の目標は2025年末に政策金利を21%へ引き下げること
* 年末時点のインフレ予想は24%。

(今年は、仲間の円が強いので、リラは独歩安)
リラは今年はここまで最弱通貨で年初来対円で15.38%安。対ドルで
8.88安。株価(イスタンブール100指数)は1.65%安。10年国債はイマモール氏逮捕後は31.55%と高止まり。

(S&P: トルコの「BB-/B」格付けは安定的な見通しで確認)
S&Pはトルコ経済に対する現状を指摘した。安定した見通しは、現在の経済チームが引き締め政策を維持し、国内外の緊張に直面しながら政府の中期計画に伴う実施リスクとバランスをとるとの見方を反映していると強調した。

「安定的見通しは、双子の赤字は縮小しているものの、成長は鈍化しているため、トルコ経済に対するリスクのバランスを反映している」と述べた。
トルコの国内総生産(GDP)は今年は2.7%、2026年には2.9%成長すると予想されている。

「インフレ率を1桁に近づけ、トルコリラ、さらに広く国内資本市場への長期的な信頼を回復する上でさらなる進展があれば、格付けを引き上げる可能性がある」とした。

(今週の指標、先週の指標)
 本日は5月消費者信頼感指数の発表、予想は83.5、前回は83.9。今週は5月企業信頼感指数、外貨準備高、来トルコ訪問客数などの発表がある。

 既報では4月鉱工業生産は前年比2.5%増で前月の1.9%減から改善、4月小売売上高は前年比9.2%増、前月の12.2%増から縮小。3月経常収支は40.9億ドルの赤字、2月は43.2億ドルの赤字。

(来週は1Q・GDP)
5月30日に1Q・GDPが発表される。予想は前期比で0.9%増、前年比で2.2%増。前期はそれぞれ1.7%増と3.0%増。また来週は4月雇用統計、貿易収支、金融安定化報告がある。

(外貨準備高。2週連続で増加)
ここ2週間では外貨準備高がやや増加している。外貨売り介入も一服か。増加要因はスワップ取引などか。

トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)




(トルコ、EUに関税同盟の更新とシェンゲン協定の制限緩和を要請)
エルドアン大統領は、現在のビザ規定は欧州全域での経済的、社会的流動性を制限していると述べた。EUに対し、経済・社会の流動性を高めるために関税同盟を更新し、シェンゲンビザの慣行を改正するよう求めた。

アルバニアの首都ティラナで開かれた第6回欧州政治共同体首脳会議で演説したエルドアン大統領は、「国民の移動を制限し、その結果、商品、サービス、資本の流通を制限するシェンゲン協定などのビザ制度は再評価されなければならない」と強調した。